六十八話 とりあえずウザったい奴に攻撃する
第五章始まります!
第五章の舞台はアルカデミア島という学園島です!
朧さんが仲間に加わって旅を再開したのはいいんですけど…。
「何やっているんですか」
夜真砥がなぜか鉄の棒を作ってそれを鋭く研いでいた。
「これ送ってきた奴に送りつける武器だ」
夜真砥はそう言って懐から一通の封筒を取り出した。
「はぁ、お礼ですか?」
「まあ、そうだな」
うわぁ~、笑っているよこの人、絶対に別の何かでヤバいことだ。
「はい、できました」
本当に何をする気なんだろう。
そして夜真砥は作った武器を持って甲板に出た。
「月夜、方角はあってるか?」
「あってま~す」
「朧、加速領域の準備はいいか?」
「オッケーで~す」
「よし…くたばりやがれジャックー!」
武器をもの凄い勢いで投げたー!
てか、ジャックさんにあげるのそれ!?
そんな勢いで渡されたら死にますよ!
「大丈夫、生きてるから」
「それもそうですよね」
「ところでそのジャックっていう人にどんな恨みが?」
「ギルドからの依頼を送られてきたんだ。アルカデミア島で臨時教師しろって」
臨時教師とかめんどくせぇなぁ。
まあ、報酬がいいしそれに気になることが書いてあったからやるけどな。
てか、臨時教師をめんどくさがってたら師匠ができるか。
「臨時教師?何ですかそれ」
「一言で言うなら臨時の先生だな」
「他の弟子をとるんですか!」
「単に教えるだけだ!」
「ああ、そうですか!」
「夜真砥、アルカデミア島ってどんな島なの?」
「島民がほぼ学生つていう学園島だ。島に学校が幾つもあって世界有数の冒険者育成機関でもある」
「夜真砥もその島で勉強を?」
「いや、リリムっていう無茶苦茶ドチビな師匠のとこで学んでた」
忘れもしない十年前、国を出てギルド登録をした後、提示版を見てたら弟子にならないかと誘われた。
いや、断ったが監禁された。
まあ、そのおかげで強くなれたから恨んでいないがな。
「そうそう、ヴォルカン島っていう島でいったん乗り換えするから」
「ヴォルカン島?」
「ドデカい火山島だ」
「ちなみにマスター行きつけの鍛冶屋がある」
おお、武器を自分で作る夜真砥が行きつけの鍛冶屋!
「それと危険な魔物がかなりいるから絶対に街から出るなよ」
「嫌でも出ませんよ!」
だからこの船、冒険者が多いんだ。
「ついでに朧のギルド登録もするから」
「あたしの?」
「俺は用事があるから月夜に案内してもらってくれ」
「了解」
そろそろ見えてくる頃だな。
「まもなくヴォルカン島に到着します。危険な魔物が多いため冒険者を雇っていない観光目的でご来島する方は決して降りないでください」
「夜真砥!山から煙が出てますよ!」
「火山よ。見たことないの?」
「別にお山から煙が出ていることなんて大したことないでしょ」
お前は何十年も火山大国、夜明けの国にいたからだ!
「半日で次の船が来るからそれまで自由行動だ。いいか絶対出るなよ!」
「出ませんから!」
ということで夜真砥、アルカデミア島に講師をしにいきます!
まあ、ヴォルカン島に寄りますが。