五十四話 復讐の刻
今回は夜真砥編!
とりあえず夜真砥ブチ切れますp(`Д´)q
最高幹部戦が始まる数時間前、夜真砥は日の本一の神社に足を運んでいた。
「異国の奴だけど大丈夫か?まあ、やってみなきゃわかんねぇか。伝達、シエル・セラフィム」
やっぱし出ねぇか。
神と話したいのなら神社か神殿、教会で伝達を使えばいいのだがそう簡単に出るわけないわなましてや異国の天使だし。
『はいはーい!夜真砥の正妻、シエルちゃんだよー!』
「誰が正妻だ!阿婆擦れ天使!」
『いつか叶う!おふざけはさて置き』
一生叶わんわ!
『何のよう?夜真砥が私に伝達するってことはジュダ並みの化け物が出たのかな?』
「話が早いな。ああ、化け物中の化け物だ」
『へ~っ気になるわね』
「何をしても死なない不死者だ」
『死なない不死者なんていないわよ。光属性魔法の上、聖属性魔法を使えば簡単に死ぬわよ』
聖属性魔法、極光属性魔法の別の言い方である。
「死を超越せし世界って知ってるか?」
『何それ?』
「死者を自在に操るユニークスキルだ。使い方で自分を不死者にするができる」
『要するにそのユニークスキルを自身にかけているから聖属性魔法をぶつけても死なないと。だから困り果てたと』
「そういうこと。何かいい方法ないか?」
『あるにはあるんだけど…上司に相談してみるからちょっと待って』
「ああ」
そして数時間後、
『お待たせ。ある神器の使用許可が出たわ』
「そうか!神の力ならどんな不死者でも殺せる!で、それは何だ?」
『神の聖騎士、全身装備の純白の鎧と剣よ』
「フルプレートかそれなら文献で見た。確か死んだ後でも神に仕える騎士が着るものだと」
『そう。詠唱文ならそこに転送させたから』
「サンキュー」
『死ぬんじゃないわよ』
「それほどキツいのか?」
『制限時間は十分よ。それを過ぎると全身が爆発するような痛みが生じるわ』
「了解」
そして現在
「さっきまでの余裕はどこに行った死山!」
夜真砥は神の聖騎士を装備してから劣勢になった。
神の力を恐れてか死屍谷は防御に転じている。
(これが神の力!見てるだけで腹が立つ!)
今ならシエルの言葉の意味がわかる!
時間制限?そんなのこれにあるのかよ!
今でも体がはちきれそうな感じがする少しでも気を抜くと魂を持ってかれそうだこれはうかうかしてられねぇな!
全身の細胞を研ぎ澄ませ!
これまで奴を殺すために鍛えてきた力、全てを振り絞れ!
奴を殺すことだけ考えろ後はどうだっていい!
それに悪魔との契約の対処法ならとうの昔に教えたからな!
まあ、禁忌にしようか相談されている魔法だがな。
「うおおぉぉぉぉぉ!!」
入った!
夜真砥のラッシュが効いたのか死屍谷の刀が弾かれて死屍谷の腹に夜真砥の剣が突き刺さったが!
「かかったな。若造」
抜けねぇ!
突き刺したところを高速で再生して剣を捕らえやがった!
「今度はこっちの番だ!地獄の炎!」
地獄の炎が夜真砥に直撃して夜真砥は黒い炎に包まれた。
「まだだ!聖域!!」
周りに突然、光がともり辺りを神々しい光で照らした。
聖域とは一定範囲内の仲間の体力を回復、アンデッドに大ダメージ、光属性の強化、目くらましなどいろんなことに使える極光属性魔法である。
「ぬおっ!至近距離からあの攻撃を受けて生きているのか!」
「極光属性魔法、ゴッドウォールだ」
ゴッドウォール、純度の高い光属性の魔力で作る光の壁でだいたいの闇属性魔法で打ち消すことができる。
さっきので剣が抜けたぜ。
「なるほどそれならありえる」
「…一つ聞きたいことがある。お前は不死者になってまで何をしたいんだ?黄泉の国の悲願達成とかそんな奴か?」
「俺は知りたいんだよ。人という生き物を」
人を?
「だがそれはすぐに理解したさ。だが一つ大きな壁にぶち当たったそれは人の感情だ。人は皆、喜び悲しみ怒り恨み妬み笑いなど様々な感情を抱く。それが理解できないんだなぜ奴は喜ぶなぜ奴は悲しむなぜ奴は恨む考えれば考えるほど深めるばかり、この世に人ほど豊かな感情を持つ生き物はいないだから試したのさ…いや、遊んでみた」
「試した何を?」
「よく知っておるだろ?」
「まさか…あの時の…爺達を殺した時のことかぁぁぁ!!」
あの時のことそれは夜真砥、夜暁が死山結への復讐を誓ったあの事件のことだ。
「そうだその通りだよ!あれはとても良かった!これから死ぬというのに主人のため死ねることを誇りに思う者!家族のことを心配して後悔する者!主人だけでも逃がすために必死で戦う老兵!俺をゴミのように見つめたクソ精霊!そして何もできずに震えていた木偶の坊の主人。実に良かったよ!人の感情が入り混じりとても良く学べたさ!後に調べて知ったよ!人は感情に突き動かされて殺し争い滅ぼしあうそういった醜い生き物だとな!だからこう考えたアンデッドにしてしまえば感情は無くなる。だがそのためには俺を不死者にしなければならないだから不死者になったのさ!人を殺しアンデッドにして感情を奪い完璧な生物に仕上げるこれほど良いことがどこにある!感謝してほしいぐらいだよ俺は人族の救世主!要は人族を救う行いをしてるだけなんだよ!貴様はどう思う!」
夜真砥は食いしばっていた口を開きどこまでも届きそうな大声で叫んだ。
今すぐにでも獲物に食らいつきそうな猛獣のような目をしながら。
「それだけのことで人を殺してきたのか!それだけで爺達を…俺の大切な人を殺してきたのかぁぁぁぁ!!」
「ああ、その通りだよ!感情なんていらないモノは捨てたまえ!」
「よくわかった…もう、その汚い口を開くな!!」
夜真砥は縮地を使い懐に飛び込むそして剣を全力で振り、死屍谷をぶっ飛ばす。
死屍谷は急なことだったので対応できなかった。
まだ終わらない宙に飛ぶ死屍谷を反撃させまいと夜真砥は素早く飛び上がり死屍谷の上で剣を振りかざす。
死屍谷は受け止めるが地面に勢い良く叩きつけられた。
しかし、夜真砥の追撃は終わらない地面に叩きつけら浮き上がったた死屍谷を重力強化を使い自ら自分の重力を上げて地面に着地して近づき今度は上ではなく横に飛ばしたそして飛ばした方向に回り込み剣で打ち上げる。
さすがの死屍谷も黙ってはいない打ち上げられたと同時に刀をもう一本取り出して夜真砥の剣を受け止め体勢を立て直し、夜真砥を落とす。
そして着地と同時に猛ラッシュ!
「なめるなよ若造がぁぁぉぁ!!」
「開くなって言っただろ!」
夜真砥は死屍谷の口に剣を突っ込んだ。
そして、
「白龍の息吹き!!」
凝縮した聖属性魔法を光線にして撃ち込む白龍の息吹きで死屍谷の頭を吹き飛ばした。
だが、死屍谷は再生する。
「効かねえな!」
「化け物かよ!」
「仕返しだ!毒の大渦!!」
毒の大渦、竜巻のように毒を回転させて相手にぶつけダメージを与えさらに毒状態にする闇属性魔法。
だいたい五分ほどでスライムは死ぬ。
普通に解毒薬さえ飲めば治すことができる。
それと対人戦ではあんまり使用されない理由は簡単、毒で死なれたら困るから。
(毒の威力が上がってる!!これも死を超越せし世界の能力か!?)
「まだ終わっとらんわ!黒龍の息吹き!!」
イチかバチかやるか!
「はっ!」
夜真砥は剣先に魔力を集めて素早く前に出したすると黒龍の息吹きが真っ二つに割れた。
「精霊よ、我に溜まりし穢れを祓いたまえ精霊の祝福!」
精霊の祝福、詠唱により状態異常を回復することができる光属性魔法。
なお、一日に三回までしか使えない。
「剣技流星斬!!」
流星斬、流星のように高速で相手を斬る剣技なお、剣先を相手に向けて突進してもよい。
夜真砥は流星斬で死屍谷を連続で斬りつけるだが死屍谷は反撃してこない。
いや、待っているのだ反撃の機会を。
「嗚呼、我が身に付けられし傷よそなたはあの時のことを覚えておるか?我は覚えておる忘却の彼方に送り出そうとしても送り出せないこの痛みいつか奴に返してやろうぞ」
マズい!この詠唱は!
「苦痛の反撃!!」
苦痛の反撃、今まで魔法の対象に与えられたダメージを数倍にして跳ね返す無属性魔法。
必ず詠唱しなければならないので普通ならその攻撃だけ跳ね返す反撃ですます。
しかし、死屍谷は体を再生させることができるため苦痛の反撃の方が効率的なのである。
「ご苦労さん」
夜真砥は反撃されて大ダメージを負った。
「ほう、まだ立ち上がるのか?」
「ああ、貴様を葬るまで何度でも立ち上がるさ…そろそろこの位置だな」
「あぁ?」
「空間を壊せ!!アディー!」
突如として空間に無数のひびが入った。
アディーがこの暗い空間を破壊しているのである。
向こうにもこのことは伝えてあるので大丈夫なはずだ。
「さあ、決戦は現実世界でやろうや」
「若造が奇妙なことをしてくれる」
空間が割れて二人は現実世界に繋がる穴に吸い込まれた。
そして夜真砥はその時、穴の中で黒い塊が死屍谷の名前を叫びながら追ってくるのを目撃した。
おいおい、奴を倒してなかったのかよ。
まあいいこれでも喰らっとけ!
夜真砥は黒い塊に聖属性魔法を撃ち込んだ。
決戦の地はティナ達がアンデッドを相手している湖だ。
次回は朧編!
異形の怪物となってしまった奈落をどう倒すのか!
それではまた次回の話で!