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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第四章 拝啓、二千年前の俺へ
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五十二話 神の恩寵

最高幹部戦遂に開幕!

夜真砥と累の一騎打ちそして朧と奈落の一騎打ちが今始まる!

それと夜真砥、朧、夜真砥、朧と交互に更新していきます。

次回は朧編です。

 現在、私はなんやかんやいろんな会議があって(説明するのが面倒です)日の本の国で一番大きな湖にやってきました。

 湖といっても靴が浸かるぐらいで水溜まりのような深さです。

 なお、夜真砥と朧さんはいません。


 「例のヤツは設置したか!」


 「おう!真ん中に固定したぜ!」


 例のヤツとはアンデッドを引き寄せる細工をした魔石です。

 そう、私たちは黄泉神最高幹部死屍谷累が呼び出すアンデッドを倒す役割を与えられたのです。

 ちなみにこの湖は木霊家により聖水にされて辺りはアンデッドに有効な術が天津風家により張り巡らされています。


 「倒しても死なないアンデッドか…楽しみだー!」


 それとやたら騒いでいるこの声は夜真砥ではありません葉月さんです。


 「葉月が…壊れている」


 「紅葉、夜真砥が言ってたじゃんいろんなもんが吹っ切れて性格が少々荒くなったって」


 「いや、わかってるけど吹っ切れすぎでしょ!ちょっとは落ち着け!」


 「葉月、ここに来たらアンデッドは死ぬから」


 「…なあ、あの魔石砕いていいか?」


 葉月は魔石を指してそう言った。

 本気の目だ!


 「ダメですー!」

 

 閃さんが葉月さんを後ろから押さえつけた。


 「冗談だって!」


 「冗談でも今の葉月ならやりかねないな」


 「連華、その(つち)貸して」


 「絶対壊す気だろ!」


 「ちっ!」


 「舌打ちするな!」

 

 何かアンデッドより葉月さんが壊さないか心配になりました。


 「ねぇ、葉月」


 言葉が葉月の肩を掴んでゆっくりと喋った。


 「何…言葉」


 「それ以上、暴れるのなら葉月ちゃんの恥ずかしいことここで言っちゃうよ~」


 「すんませんした!」


 おお、言葉さんが葉月を言葉で押さえつけた。

 …何か変な違和感ありますね。


 「もう、やってるのかな」


 「まだ、遭遇してないわ」


今回は月夜さんは夜真砥のもとにはいません。


 「わかるんですか?」


 「聞いてなかったの?日の本からかなり離れたら膨大な魔力を放出させて居場所を敵に知らせるって」


 「そういえばそんなこと言ってましたね」


 日の本で最も大きい湖から遥か彼方の平野では夜真砥がストレッチをしていた。


 「さてと、準備体操もしたしいっちょやりますか!」


 夜真砥は体から魔力を放出させた。

 使ってはいないので回収できるので心配はない。


 「まあ、そう簡単に気づくわけ…早いな」


「また一人で私達と戦うのですか?」


 「ああ、犠牲は最小限に押さえたくてな」


 「貴様が死ぬとどれだけの民が犠牲になるか知っているか?」

 

 そんなこと考えたこともないな。

 まあ、甚大な被害がでるだろうな。


 「安心しろ俺は死なない。死ぬのはテメェらだ」

 

 「先の戦いの結果を忘れたとかないだろうな」


 「忘れてなどいないさ。ようやく見つけた俺の仇、その首筋にテメェの息の根が絶えるまで牙を立て続けてやるよ」


 夜真砥は鞘から刀を抜いて累に剣先を向けてそう言った。


 「ずいぶんと恨まれたもんだな」


 「というわけで一騎打ちといこうか!」

 

 「あんた、ふさげてんの!こっちは二人、あんたは一人よ!」


 「残りの奴ならいるさ…来い!アナザーディメンションデーモン!」


 夜真砥が何かの名を叫ぶと最高幹部二人の後ろに古びた巨大な門が出現して鈍い音を立てながら巨大な悪魔が両手でその門をこじ開けて出てきた。

 アナザーディメンションデーモン、別次元に存在する巨大で黒くて翼のない竜のような顔をした悪魔つまり魔族だ。

 魔族というより魔物よりで、国際ギルドが指定する危険種である。

 闇属性魔法を使用し腕力も強いそして、国際ギルドがこの悪魔を危険種に指定した理由である空間魔法も使ってくる。

 こいつの空間魔法は何もない場所に突如として古びた巨大な門を出現させてそこから出てきて暴れる。

 別次元に存在するため神出鬼没、とある王都のド真ん中に出現した例もある。

 さらにその門の中に引きずり込むこともある、出る方法はアナザーディメンションデーモンを倒すまたはそいつの主人を倒すかのどちらかである。

 はっきり言って、どっちも不可能だ。

 ちなみにこいつは俺の召喚獣だ。

 召喚獣にすれば門の向こう側に自分なりの空間を作ることもできる。

 こう見えても雌なのでアディーと呼んでいる。


 「何なのこいつ!」


 「アディー、この女を例の空間へ。そこの男と俺を別の空間に運んでくれ」


 アディーは了解と言いたいのか大きな咆哮を上げて空間魔法を使い奈落を朧が待っている空間に、俺と累を別の空間に運んだ。

 俺と奴が着いたのは少し明るくて暗くどこまでも続きそうな何もない空間、朧がいる空間は寝殿造りで庭が綺麗な空間だ俺のお気に入りの場所である。

 そうそう、アディーを戦いに巻き込みたくないのでアディーの部屋に入れてある。


 「ようこそ何もない真っ暗な無の空間へ」


 「ここから出せ」


 「倒したら出してやるよ…武藤茂吉、藤川孝作、宮本一兵衛、斎藤竹永――――――――山城和正」


 夜真砥は数名の名前を口に出した。

 その数、三十人。


 「この名前に聞き覚えはあるか?」


 「ねぇな」


 「よく思い出せ」


 「だから知らねえって!」


 夜真砥は歯茎から血を出さんばかりに歯を食いしばり、怒りをこらえながら口を開いた。


 「二千年前、闇夜の国の陣襲撃…思い出せ黄泉神死山結!」


 「何のことだ。いや待てよ…思い出した!でも、いちいち殺した奴の名前、覚えてられるか。そんな名前だったんだな。ところでテメェ、何で俺の正体を知っている。やっぱりあの女か」


 「それもあるが一番の理由は俺が月影夜暁の転生者だからだ!」


 「そいつならよく覚えてるぜ!今にも小便たらしそうにガクガク震えてたな!あれはけっさ」

  

 累は傑作という言葉を言い終える前に顔を蹴られて吹き飛ばされた。


 「だが今は違う。日の本の国、第二王子月影夜真砥、二千年前の仇討ちをするためにテメェに一騎打ちを申し込む」

  

 「いいぜ…かかってこいよ!若造が!」


 まずは普通に攻める!

 

 俺は刀を構えて突進するもちろん、避けられるこれは作戦。

 避けた先に触れたら爆発する魔法のトラップが仕掛けてあるそこに累は見事引っかかった。

 体勢を立て直せるな!

 このまま押し切れ!

 

 「うおおぉぉぉぉぉ!!」


 夜真砥は連続で累を斬る。

 だがそれでも足りないのかもう一本刀を取り出して斬りかかるが累は不適な笑みを浮かべて鞘から刀を抜いて夜真砥を押し返した。


 「こんなものか若造」


 傷跡が一瞬で塞がったこれが死を超越せし世界(オーバーワールド)の力か。

 

 「次はこっちから行くぞ!」


 来る!


 「闇黒球(あんこくきゅう)!」


 闇黒球(あんこくきゅう)、闇属性の塊を放つ魔法で精神に影響を与えるこの魔法より威力が少ないのが黒球(こくきゅう)

 

 「光明球(こうめいきゅう)!」


 光明球(こうめいきゅう)、こっちは光属性の塊を放つ魔法で相手の動きを一時的に鈍らすことができるこの魔法より威力が少ないのが光球(こうきゅう)


 二つの相反する塊はぶつかり合い消滅する。

 そして夜真砥と累は消滅する前に踏み出して刀を交えさせる。


 「多少は強くなったようだな!」


 「ギルド最強をなめるな!」


 「だが俺はテメェの何倍のも年数を過ごしている!格が違うんだよ!」


 累は夜真砥の腹に蹴りを入れる。

 夜真砥は片方の手で先ほど光明球(こうめいきゅう)を放つ前に鞘にしまった刀で鞘に入れたまま間一髪、防ぐが後ろに押された。 


 「それと何か勘違いしてるようだがまだユニークスキルは使ってない」

 

 冗談だろ…まさかあの再生能力は使ってる間に身についたものなのかだったらとんでもない化け物だぞ。


 「じゃあ、そろそろ始めるぞ。ユニークスキル死を超越せし世界(オーバーワールド)発動!!出でよ我が道具たちよ!…アンデッドが出ねぇ…何かしたか?」


 「一騎打ちって言っただろ。部外者立ち入り禁止、アンデッドは地上でとある場所に吸い寄せられているぜ」


 「ほう、対策済みということか」


 頼んだぞみんな。


 「だが肝心の対策はしてこなかったようだな!まあしてきても俺は殺せねぇがな!」

 

 累は真っ直ぐ突進してくるだが、夜真砥は全く動こうとしない。

 更に装備を解いている。


 「死を選んだか!哀れな奴だ!」

 

 「殺せないアンデッド?そんなのどこに存在する?神の前ではそんなの言い訳にしかならない!」


 「戯れ言を!今度こそあの世に逝くがいい!」


 「逝くのはテメェだ!天を統べる八百万の神々よ!我に悪しき者を討ち滅ぼす神の恩寵を授けたまえ!世の理から外れし者よ我が汝に天の裁きを下す!今ここに汝の終わりの時は来た!出でよ!神の聖騎士(ゴッドパラディン)!」


 夜真砥は詠唱を終えると光に包まれたしかし、累はお構いなく夜真砥を斬るが何かに弾かれた。


 「悪いがテメェが絶対に死なないアンデッドなんて勘違いだ。この世に死なない奴なんていない」


 光の中から全身純白の鎧に包まれた騎士が現れた。

 無論それは夜真砥であるだが何か様子がおかしい。

 天月夜剣と同じ力を使ってるようだ。


 「それがどうした…俺はなぁ!ユニークスキルにより死なない体になってんだよ!ユニークスキルってのはな!その使用者が死なない限り、能力は継続し続けるんだよ!この意味わかってるよな!」


 「ハハハハハッ!!」


 「打つ手がなくなって壊れたか」


 「いや違うさ。わかってねぇのはテメェの方だ。絶対死なない体なんてこの力の前では無意味なんだよ。言っただろ詠唱中に神の恩寵と!これは天から借りた死んでもなお神に仕えようとする聖騎士に授けられる装備だ!」


 「天の装備だとぉ~!ありえねぇんだよ!神だぞ!神なんだぞ!人間ごときが神からそのようなものを借りることごできるわけねぇだろ!」


 「それができるんだよなぁ…蛇のようにしつこい天使のストーカーがいるとな!」


 今だけお前に出会えたこと感謝するぜシエル。

 さあ、こっからが本番だ!


 

 

 

  

 


 

日本の神様で一番名前の長い神様は、天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命《あめにぎしくににぎしあまつひこひこほのににぎのみこと》という神様です…長いですね。

おそらく二番目は正勝吾勝勝速日天忍穂耳命《まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと》という神様ですちなみに邇邇芸命のパパです。

次回は朧編!

それではまた次回の話で!(それにしても日本の神様って長い名前多いなぁ)

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