四十五話 感情が無い少女
まずは死悩エリアの方からやります!
と、その前に少し昔話やります!
ちょっとだけ黄泉の国の昔話に付き合ってもらおう。
昔々ある田舎に妖怪の少女が住んでいました。
少女の両親はいつも喧嘩ばかりしていました理由は貧しさからです。
そして少女は両親を怒らせないため決して感情を表に出しませんでした。
ある日、両親は「あの子を山に捨ててこよう」と相談しました遂にお金が底をついたのです。
しかし、少女はその話を盗み聞きしていました。
そして親子はピクニックに出かけましたなぜそのようなことをしたかというと少女を捨てるためです両親は少女の弁当に睡眠薬を入れており少女は寝てしまいました。
そのうちに両親は山を下りてしまいました、その後、父親の仕事で沢山のお金が入り家は裕福になりました。
少女の捜査はされなかったのかって?
少女は外に出されたことがなかったため誰も気づきませんでした。
一方、少女は山奥をさ迷って天狗に出会いました。
少女は天狗に拾われて育てられあらゆる武術そして暗殺の仕方を教わりました、積極的に、理由はもちろん、自分を捨てた両親を殺すため。
やがて少女は戦場に出て数々の実績を上げて黄泉戦に入りました。
そして少女は大富豪になった両親のもとに顔を出して凍りづけにしました。
もうおわかりだろうかそう、少女の正体は黄泉神幹部雪崩死悩である。
彼女は一切の感情を表に出さないため感情を凍結された者と仲間からも呼ばれている。
まあ、一部の者は呼ばないが。
それでは終わり。
「紅葉さん!」
紅葉は凍結の矢で左腕を貫かれた。
「あら、もう終わりかしら?」
私のせいだ私のせいで紅葉さんが…
「で、そっちの小娘は?」
「不知火流忍術爆竜砲!」
紅葉は触れたら爆発する竜の形をした砲撃を放った。
「氷壁、まだ動くんだ」
「この子だけは殺させない!」
紅葉の左腕は凍りついた。
後数時間すれば左腕を落とさなければならなくなる。
「もう、いいです」
「ティナちゃん!?」
「もう、これ以上無理はしないでください」
「何を言ってるの!」
「私が弱いから紅葉さんの左腕が凍ってしまった。私が一人で何とかしたら紅葉さんは…」
「氷塊」
「炎壁!」
「自由に戦ってください!」
紅葉は凍りついた左腕を溶かしてティナに近づき頬を左手で叩いた。
「…バカ!私が左腕を犠牲にしてまでもあんたを守る義務は全くない!けどね夜真砥が、あいつはいずれ俺を越える存在になるって期待してたの!その期待に応えないままあんたは死ぬの!答えなさい!」
「死にたくない…こんなとこで死にたくない!でも怖いよ!誰かを傷つけるのも傷つけられるのも怖いよ!」
ティナは涙を流した。
今まで溜め込んでいた涙を全て流し出した。
当たり前だこれまで自分が経験していない数々の過酷な事に遭遇してきたからそしてその時は決まって夜真砥が隣にいた。
しかし、今はいない、ゆえに耐えられなくなり泣いてしまったのだ。
「誰だって最初はそんなもんよそれにそれは良いこと決して忘れてはいけないことでもねそれを理由に言い訳してたらあんたいずれか死ぬよ!あんたは誰の弟子なの!どっかの一般人の弟子ですか!」
「ギルドランク序列一位月影夜真砥の弟子、世界最強でとても優しい勇者の弟子です!」
「なら、これ以上の恐怖があんたに襲いかかるわよ!歯を食いしばって乗り越えていきなさい!」
「はい!」
やってやる!
私は夜真砥の弟子なんだ!
こんなことで泣いていたらダメだ!
勝って夜真砥のもとに戻るんだ!
「国を守るため」
「へ?」
「私が戦う理由よ。あんたはなに?」
戦う理由…私の戦う理由…それは、
「夜真砥の隣にいるため!」
「ならよろしい!二人であいつを倒すよ!」
「はい!」
「どうでもいいけどさぁ…この状況どうするのぉ~」
死悩は紅葉とティナが話している間に凍結の矢、雪の兵隊、氷塊を複数出現させていた。
吹雪も強くなりさらに死悩エリアの気温はどんどん下がる。
「そんなの乗り越えるに決まってるでしょ!」
「その通りです!」
「なら、いいわ。召喚魔法出でよグレイシアドラゴン」
洞窟に召喚魔法陣が出現してそこから体を氷で覆われた竜が出てきた。
グレイシアドラゴン、常に氷点下の気温を保っている極寒の地に生息する超危険種、鱗が氷でできておりその氷を破壊することは極めて困難、砂漠に出現するとたちまちそこに雪を降らせるともいわれている。
凍てつく息吹きを放ち突進で相手の皮膚を切り裂く。
それゆえ生きる鉄の吹雪と呼ばれている。
「グレイシアドラゴン!?」
何かスゴいの出てきたー!
「私の取って置きよ」
「何ですかあれ!」
「グレイシアドラゴン、極寒の地に住む氷属性最強の一角、出会ったら逃げろ」
「逃げましょ!」
「逃げるってどこに!周りは壁、しかも冷血女をを相手しながらよ!」
大ピンチっていうかもう死んだ。
絶対に死んだ、パパ今からそっちに逝きます。
「グレイシアドラゴン、やって」
グレイシアドラゴンが息吹きを放つ構えになった。
「来る!」
そして息吹きは放たれた。
だが紅葉が炎壁で防ぐしかし、炎壁は見る見るうちにその威力を弱めていく。
「ティナちゃん…力、貸して」
「はい!」
ティナは炎壁に魔力を注ぐしかし、息吹きは止まらず炎壁は消された。
「バイバーイ」
息吹きは二人に直撃!
に見えたが違った二人の後ろの壁が砕け散りそこから炎属性の攻撃が飛んできた!
「させっかよ!」
この声って!?
「聖十字炎!」
そしてその攻撃はグレイシアドラゴンの息吹きを止めた。
この魔法は十字炎の強化版であり光属性が混じっている。
「赤毛のお嬢さん、そんなアホ魔族より世界最強の侍の力、借りたくありませんか?」
砕け散った壁の向こう側から黒い着物を着た二十歳ぐらいの男が出てきた。
「「夜真砥!」」
「月影夜真砥、差し出がましいがこの戦いに参加させてもらう!」
「遅いよ~!」
「道に迷った!」
マジかよこの人、弟子が必死で戦ってるのに道に迷ってたってバカじゃないの!
「月影夜真砥!?」
やっぱり黄泉神幹部もいるか…とりあえず防壁出しておくか。
「時間が経つと解ける防壁だ。しばらくおとなしくしとけ」
「ヒュ~!さすがぁ~」
珍しく紅葉が口笛吹いた!
「で、何でティナの頬が赤くなってんだ?」
「愛のビンタです」
「はぁ?」
どうせ霜焼けだろ。
「グレイシアドラゴン…久々に見たな」
「倒したことあるの!?」
「まぁな…もう少し小さいが」
「ところで月夜は?」
「隣、夜帝宵闇幻兎使ったからしばらく使えませ~ん」
夜帝宵闇幻兎には使用したら一時間ほど天月夜剣が使用できなくなるデメリットもある。
「あっそう…どうするの?」
「ほい」
夜真砥は紅葉に紙切れを渡した。
それを見た紅葉は目を丸くした何せそこに書いてあったのは夜真砥が決して誰にも教えたくない極炎属性魔法のやり方が書かれていたからだ。
「これ…撃つの…」
何の話しているんだろう?
「やるしかねぇだろ」
「でも、時間がかかるし」
「それなら大丈夫だ」
何か嫌な予感…
「ティナ、時間稼ぎしてこ~い」
夜真砥はティナを防壁の外に出した。
「的中した~!」
(やっぱり夜真砥って師匠の才能ないでしょ!)
「さあ!始めるぞ紅葉!」
「御意!」
次回は火苦エリアの方を更新します!
死悩エリアはその次に更新します!
それではまた次回の話で!




