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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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四十三話 勝利の女神は常に彼の横に

勝利の女神とはドSであります!

つまり月夜です!

しかし月夜は精霊です。

今回は月夜の秘密が明らかに!

 「かっかっか!楽しんで行けよ月影」


「何かさっきより怖くない!」


「あれが茶総の本性、常に心の中は殺意のみ!」


「悟道!テメェは黄泉神様のもとに届ける首だけな!」


 茶総はその場から消えた。

 正確に言うと夜真砥達の感覚を遮断したのだ。


「月影、覚悟!」


 だが一人だけ感覚を遮断できない者がいた。

 それは悟道心、(さとり)の悟道心である。


「邪魔をするな悟道!」


「今の主人は夜真砥なもんでね!」


 悟道の前を斬ればいいのか!?

 わかんねえ!

 どこにいやがる!


「夜真砥、連華が!」


「心!奴を抑えてくれ!」


 夜真砥は連華のもとに走った。


「承知した!」


「貴様ごときに儂を止められるのかぁ!」


「頼まれたらやる!それが恩人に対する応えだ!」


「出血がヤバい!」


「ヤバいヤバい言ってないで場所変われ!」


 背中からバッサリ斬られてるな。

 骨までは達してないがしばらくは動けないな。

 普通の回復薬ではここまでの傷は応急処置にしかならない…なら!


「とりあえず傷口を塞ぐからこれが終わったら離脱しろ。それと葉月、お前も座れ」


「何言って」


「はいはい、足を痛めてるだろバレバレなんだよ。それと言葉はもう離脱させたから」


 ここにくる前に近くに繋いであった馬に乗せて離脱させた。

 闇炎馬は今二頭いるので二人分なら一頭でいい。


「あとで何かおごれよ。岩戸家切ってのじゃじゃ馬娘」


「悪いな…」


 意識あるのが助かりだ。


「とりあえず周りの血を洗うぞ」


 夜真砥は収納箱(ボックス)からお香とガスマスクを二面取り出した。


「それは?」


「麻酔だ。お前は手綱を握らなければならないからガスマスク着けろ」


 ティナを弟子に迎える前は手伝いの依頼以外ソロでやってたから他人の治療なんて初めてだ。


「んじゃ始めるぞ。洗浄(ウォッシュ)


 洗浄(ウォッシュ)、弱めの威力で水を出して何かを洗う水属性魔法。

 質を高めればちょいと低めの呪いを洗い落とすことができる。


「お次は傷口を塞ぐんだが…あれ使うか」


 夜真砥は収納箱(ボックス)から葉っぱを取り出した。


「何だそれ」


「仙人草、薬草だ。だが回復力を高めるために魔法で強化するがな。回復強化(リカバリーブースト)んで砕いて傷口に塗る!」


「傷口が塞がった!?」


「一応、医者に診せろ。お前は、これ塗っとけ」


 夜真砥は葉月に塗り薬を渡した。


「治るのか?」


「俺特製最強回復薬だ」


「ありがたく使わせてもらう」


「さっさと離脱しろよ」


 心は…耐えてるな。

 でもヤバそうだ。


  「よく寝れたかドS精霊」 


「バレていた?」


「いびきがぐうすか聞こえたから防音結界(ぼうおんけっかい)で聞こえなくしといたわ」


「で、どうやって感覚を遮断する奴と相手するの?」


「早めに決着をつける()()を使うぞ」


「あれを!そんなでも…わかった。もって五分よ」


「十分だ…心、離れろ!」


「何か策があるのか!」


「制限付きの取って置きがな!」


 久々に使うな…でも体に染み着いている!

 いや、魂に染み着いている!

 夜真砥の体でやるのは初めてだがやってやる!


「月影、貴様はどう死にたい?」


「どう死にたいだと?そんなの決まってるよ!まだ死なない!バカ弟子がいる限り死なねぇな!死んでも地獄の底から這い上がってやる!やるぞ月夜!」


「了解!」


「原点にして頂点に君臨せし月帝よ、我の欲する願い、護りたい者を護る為の力を我に与え我を勝利に導けさすらば汝に天壌無窮の平和を授けよう!今、戦いの時は来た!月の光よ希望の道を照らし我が願いを叶えたまえ!」


 久々に大暴れしようじゃねぇか!


 夜真砥は月に天月夜剣の剣先を向けた。


「「降臨せよ月より舞い降りし武神、或いは数多の災厄を葬り剣、或いはその身を盾として民を護りし鎧、汝の真名は天月夜剣第零形態夜帝宵闇幻兎(やていよいやみげんと)!!」」


 それが月夜の本名、天月夜剣はこれを隠す名前だ。


 月が光り輝き夜真砥が照らされ見えなくなった。 


「何じゃこの光は!」


 (いったい何が起こってるの!?)


「悪いな爺さん、地獄に隠居してもらうぜ」


「こしゃくな!」


 まだ照らされ見えない夜真砥に茶総は斬りかかった。


「おいおい、まだ完全に定着してないのに斬るかよ」


 光の中から刀が出てきて茶総の刀を受け止めた。

 茶総は身の危険を感じて離れる。


「濃い!何だこのとてつもなく人間の域ではたどり着けない魔力は!」


「それがたどり着いたんだな…人族つうのは日に日に進化する生き物、あんまし甘く見るなよ妖怪!」


 光が消えてそこから闇夜に紛れるような黒い鎧、だが月の光を現すような金銀の装飾それ以外の無駄な装飾は無く至ってシンプル、だがその姿を一言で現すと月の化身、まさに月から舞い降りた神、或いは帝王、或いは武神、或いは神の領域に存在せし者、なぜこの様な者が世に存在すること自体がおかしい!

 刀は振るえば天地を両断するような鋭利、斬られたらまず生きては帰れぬ!

 遅れて現れたのは夜と相反する神々しき光を放っ宙に浮く十四本の剣!

 手に握られている刀と合わせて十六本!

 その数から連想されるのは十六夜!

 この者の怒りに触れた者は生きては帰れぬ!

 流星の如く降りかかる災いを斬り払い地を歩く!

 歴代の黄泉神が月影一族を恐れていた理由それは!


「これが神の眷属と言われる由縁」


「ま、神の眷属とか言われてるけどぶっちゃけ人間だし、月夜に気に入られないとこれ使えないし、正直言って神様扱い止めてほしいし」


「グチグチ文句言うな!」


「てなわけで三途の川渡る準備しとけ」


「断る。貴様をたった斬って首を持ち帰る!」


「やってみろ」


 場が静まった。


 (感覚遮断(かんかくしゃだん)発動!)


 先に動いたのは茶総だ。


 (やはり見えていない!この首もらった!)


 茶総が夜真砥の首めがけて斬りかかる!


「悪いが見えてる」


「なに!」


「剣技三日月(つきのつるぎ)!」


 茶総は右腕を落とされた。


「腕があぁぁ!!」


「かすったか」


「なぜ見える!なぜだ!」


「専用スキル黄昏月(たそがれづき)、暗くなり顔の区別ができなくなり誰そ彼と聞いたことが由来、つまり隠れても無駄だとっとと首を渡せってことだ」


「要するに超察知能力よ」


「専用スキルだと!その精霊いったい何者だ!」


「天月夜剣、真名は夜帝宵闇幻兎そして初代が付けた名前それが月夜、月影一族のみ契約することができる精霊剣」


 残り三分かな。


「それ以上は止めといたら戦意喪失するわよ」


「聞きたいか?」


「冥土の土産とは言わんが聞かせろ」


「日の本の国の主神の最強の部下だ!テメェらとは格が違うんだよ!」


「そこら辺の精霊とは位が違うのよ」


「ま、いろいろあって下界に追放された身だけどな。今は当時の半分の力らしい」


 追放された理由はアホらしい!

 月夜の性格はドS!

 それを上司であり一番偉い神様つまり主神様に向けてしまった。

 そんで主神様、お怒りになって月夜を下界に放り投げたとさ。


「逃げるなら今のうちだ」


「逃げるかよ…友の敵を討てずにのこのこと帰れるか!」


「それでこそ侍だ。俺だってこんなことしたくないんだぜ」


 平和的に解決したいが黄泉の国が好戦的だからなぁ…そこんとこで無茶苦茶困ってんだよ。


「残り一分」


「遠慮なくきやがれ!」


 茶総は利き腕を無くしたのでむやみに突進せず豪炎球(ごうえんきゅう)で攻撃した。


「専用魔法空の鏡(そらのかがみ)


「跳ね返ってきやがった!」


「反射魔法だ」


鉄の壁(アイアンウォール)!」


 茶総は鉄の壁(アイアンウォール)で防ぐしかし、それはすぐに砕かれた。


「懐ががら空きじゃ!」


 茶総は夜真砥の心臓を貫いた。


「残念ハズレ!」


 しかし、茶総は夜真砥に背中を斬られた。


「専用魔法幻月(げんげつ)、限りなく実体に近い分身体だ」


「くっ!」


「さて、終わりにするか」


「それ時間が切れたらどうなるんだ?」


「しばらく動けなくなる」


「あと何秒だ?」


「三十秒よ」


「なら儂は三十秒もてば貴様の首を取れると」


「そうだな」


「来いよ。老兵の力見せてやる」


「なら遠慮なくいく」


 両者は刀を構えた。

 そして茶総は煙草を取り出して吸った。

 茶総は動かず夜真砥が動いた。


「剣技!」


「今そっちに逝くぞ天山!」


 哀れな老兵だな。

 楽に逝かせてやる!


落月(らくづき)、悲しき命よ安らかに眠れ」


「若僧が…そのセリフ似合わんぞ」


 黄泉神幹部草煙茶総、ここに倒れる。


「タイムアップ!」


「お前はタイマーか!」


 夜真砥の武装は解かれた。


「おい、なにぼさっと見てんだ」


「いや、ちょっと戸惑ってしまって」


「馬で日の本に行くか?」


「離脱するのか」


「俺はしないまだ戦場にいるバカ弟子がいるもんで」


「じゃあ私もついて行く!」


「ならさっさと乗れ」


 そろそろ幹部とぶつかってる頃だと思うんだけどな…


 夜真砥の予想通りティナ達は黄泉神幹部とちょうど遭遇していた。


「牛鬼に雪女か…ずいぶん厄介な奴が出てきたものじゃな」


「貴様らは四天王家か?」


「火苦、なに聞いてるの」


「いや、ちょっとな」 


「儂とこの金髪娘は違うが他の三人はそうじゃ」


「良かった」


 どうしたんだろう?

 もしかして四天王家に有効な魔法があるとか!?


「四天王、ここで何してんのう」


 心配して損した!


「凍らすわよ死にたいの?」


 死悩は火苦を半分凍らせた。 


「冗談だ冗談だー!」


 かくして戦いは始まったのであった。


 

月夜の真名、つまり本当の名前は夜帝宵闇幻兎です。

ぱっと見男の名前に見えますが兎で女らしさを出しました!

幻兎というのは月の別の言い方です。

それではまた次回の話で!

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