四十三話 夜に散る華麗な桜のような一度きりの人生をド派手に優雅に飾ろうや!
長めの冒頭が始まります。
以上
生きている物の命はとても短くそして美しい。
たった一度きりしか読めない本のページをめくり己の物語を綴っていく可憐に命の花を散らしながら死んでいくしかし、その美しい花を散らさずに死んでいく者もいる。
人は才能だが何だかんだで言い訳をする何ともったいなきことか、君達も同じ花を持っているのになぜ、散らそうとしない。
境遇は違えど結局は同じ人間でしょ?
それは気持ちの問題、才能とか関係ないかもしれない勇気を振り絞り自分の物語を綴りなさい!
やり方次第では素晴らしく綺麗な花を咲かすことができる!
しかし、この世界には一度きりしか読めない本を再び序章から読んでいる者がいる。
ある者は全く逆の境遇を乗り越えて様々な人と出会いほぼ世界最強となったその者の見る未来は世界平和、ある日その者はこう言った『なぜ、俺らは戦争ばかりする。同じ星に産まれたはずなにのそんなつまらんことで美しき命を散らすとは何と愚かな事だ』と。
だから少年は目指し歩き始めた世界平和への未来の道を仲間と共にだからマスターはしぶとく誰よりも諦めが悪い私はマスターを見た時まるで月の光に照らされて花びらを散らす夜桜に見えた。
だから私はマスターの目指す未来を特等席で見るために常に横にいるあの人の初恋の人の生き様を見るために。
「マスター!」
「おう月夜、何だそんな奴に苦戦してるのか?」
「うるさい!マスターこそ何でそんなにボロボロになってんの!」
「女を守ってた!」
「女を守ってたですって!」
ヤバいキレた!
「…さっさと倒せバカマスター」
あれ?キレてない。
「さっさとやれ!」
「イエッサー!」
「どっちが主なんだよ!」
「さあ?」
「おい!いつまで待たせるガキ!」
「作戦は?」
「巨人と戦う場合、どこを狙うか知ってるか?」
夜真砥は巨人と戦ったことが何回かある。
「そんなの心臓を貫けば」
「心臓は常に動いている筋肉、ましてや巨人の心臓だぞ。刀、突き刺した瞬間に吹き飛ばされる。狙うところは足、具体的に言うと靱帯を斬れ!」
「でも刀、無いぞ」
「これを使え」
夜真砥は収納箱から緑色をした鞘にしまわれた剣を取り出した。
「両刃だつまり剣、切れ味は良いぞ土産物だ」
葉月は鞘から剣を抜いた。
刃は鋭く剣というには細過ぎる細剣だ。
しかし、細剣というよりも細過ぎる、まるで木の枝のようだだが、竜の骨並に頑丈であり何よりも美しい。
仙人が鍛えたような細剣であった。
「これが土産!?どう考えても土産っていう代物じゃないんだけど!」
「魔剣アジアンタム、ある花の名前だ。花言葉は天真爛漫、繊細、だから別名は花言葉から天真爛漫とも呼ぶ。まさにお前にピッタリの剣だ」
「軽い!」
「キロはいっていないある危険地帯に常に宙に浮いている竜の骨と頑丈だが細い樹木と馬鹿みたいに速い鳥の羽を装飾に使った。他もろもろ化け物ぞろい、売れば十万グリアはいく」
だいたい五年かけて集めれた。
危険地帯に入るのには許可がいるから苦労したぜ。
「羽、いるか!?てか、お前が鍛えなのかよ!」
「誰かにあげる武器は自分で作る派なんだよ!」
「で、その不気味な大剣は何?」
夜真砥の右手には鞘から柄まで装飾を除いて全体がどす黒い大剣が握られていた。
「これか?双刀妖艶夜蝶、敵の命を華麗に散らすための刀さ」
夜真砥は鞘から二本の刀を抜き出した。
「要するに魔剣か」
「正解、素材は企業秘密だ…やるぞ」
「じゃあ、右足を潰す」
「俺は左足か」
「我の足を斬る前にこの迷路をどう攻略するんだ!」
「そんなの」
「ぶち壊すに」
「「決まってんだろがぁぁぁ!!」」
夜真砥と葉月は全力で刀を振るい迷路の壁や煙を全て払った。
「これで邪魔する物一切無し!」
二人はそれぞれ目標の足に向かって走り出した。
「面白い!」
地面から土属性の魔力!
「下から攻撃が来るぞ!」
「わかっとるわ!」
「古より無数にそびえ立つ岩の塔よ今ここに現れ我を守りたまえ!」
しかも詠唱してやがる!
「岩の塔!」
天山が詠唱すると地面から無数の岩の塔が突き出してきた。
だが夜真砥は斬ってそれを対処したそれに対して葉月は跳び蹴りをして全て貫き天山の右足を蹴飛ばした。
「痛くないな」
「化け物が」
いや、岩を跳び蹴りだけで壊していく葉月に化け物って言われたくないだろ。
「はっ!てえやぁぁぁ!!」
葉月は天山の右足を駆け回りダメージを与えていく。
(軽い!でも今まで使ってきたどんな武器より威力はあるし使いやすい!)
「小娘め!調子に乗るなよ!」
天山が右拳を落とす!
だが!
「乗らせてやれよ!」
夜真砥が風撃を右拳に当てて防いだ。
「葉月、競争だ!」
夜真砥も天山の左足にたどり着いた。
「負けたら何かおごれよ!」
「じゃあお前も何かおごれ!」
「茶総!」
天山は茶総に助けを求めた。
「無理じゃ!この精霊、強い!今まで戦ってきた誰よりも!」
「年上、なめんなよ坊主!」
月夜が茶総を引きつけている。
今ならこいつを倒せる!
「木霊流剣技奥義神風縛龍走!」
「月影流剣技奥義神速黒龍星!」
葉月が放った剣技神風縛流走とは神風のような速さで天を駆ける龍のように敵を高速で斬りつけ呪いにより動きを封じる木霊家の奥義。
それに対して夜真砥が放った剣技神速黒龍星とは暗闇を黒き龍が一筋でその細い体で星を描くように敵の周りを駆ける月影家の奥義、この剣技で最も大きな利点は敵の周りに五芒星つまり魔族に最も有効的な結界を斬りつけるたびに何度も張ることにより敵の動きを封じ込め斬りつけずともダメージを与えることができる超攻撃的な奥義である。
ただしこれは武器に付与している属性を角に行くたびに切り替えなければならないこの奥義は人の域を越えているまさに神速。
「ぬあぁぁぁ!!」
「どうだ!一歩でも動かせたら誉めてやるよ!」
「あんた、速すぎやろ!」
「葉月もな!」
「「速度強化!」」
二人はさらに速度を上げた。
遠くから見ればそれはまるで流星のようだ。
そしてついに天山の靱帯を完全に斬った!
「ぐあぁぁぁぁ!!」
天山は膝を地面につけた。
「デカ物、人間なめんなよ!」
「次は腕の靱帯か」
「いや、樹縛より強めの奴で縛ってくれ」
「わかった」
そう言って葉月は俺を縛った。
「俺じゃねぇよ!天山を縛れ!」
「冗談だろ。木霊流魔術奥義呪霊樹」
呪霊樹、木霊家の奥義、丈夫な樹木で敵を縛り付ける魔法、縛り付けた瞬間、それはより強固な物になり離れようとはしない。
一説によると人の顔のように見える樹木は全て太古の昔にこの魔法で殺された者の末路だと言われている。
「何だこれは!」
「で、どうするの?」
「桜を咲かせる」
夜真砥は天山の頭の上に乗った。
「日の本の光が見えるな…見渡す限り全員、小さい」
「そうだろここからの眺めは最高だ。誰もが小さくなり俺が強く思える、そんな奴らを踏み潰すことがなんと快感なことか」
「外道が…でもそんな外道でも綺麗な花を咲かすことができる」
「何を言ってるんだ」
「一歩踏み外せば花は枯れて終わりへと進む。足を洗って人のために尽くさないか?」
「断る!なぜ俺が弱き人間のために働かなければならない!」
「そうか…ならその命、散れ」
夜真砥は静かにそう言うと飛び降りた。
「月影流剣技奥義」
刀で天山を斬りつけながら。
それを見ていた茶総は背筋に悪寒が走った。
(あの動き、一見、ふさげているように見えるが違う!わずかに切り傷を付けている、そんなんじゃあ致命傷にはならない。となると…奴ら!)
「天山、動くな!」
夜真砥は着地した。
「奥義?どこが奥義だ!俺は死んでいないぞ!」
「気づいていないだけだ、葉月やれ」
「あんた終わったよ」
葉月は呪霊樹でより強く天山を絞めた。
すると天山の切り傷が開きだし血が吹き出した。
「月影流剣技奥義鬼畜外道血桜、派手に散れ!」
夜真砥が鞘に刀をしまったと同時に天山の切り傷から血が勢い良く噴出した。
まるで血で花を咲かすように。
鬼畜外道血桜、敵に小さな切り傷をつけて何らかの攻撃で敵を絞めることによりその切り傷から血を勢い良く噴出させる奥義。
初めてこの奥義が使われた時に木霊家が樹縛で絞めてたため鬼畜外道血桜と呼ばれるようになった。
ずいぶんとグロテスクな奥義を開発してくれたもんだな。
俺の子孫達は。
「天山!」
「黄泉神幹部大壁天山、討ち取ったり!残りはお前だけだ!」
「天山…口はうるさかったが儂の良き相棒じゃった…それを貴様らはよくも」
茶総の周囲の魔力がおかしい!
「天月夜剣、装備!」
夜真砥は天月夜剣を装備した。
「あの煙草爺、何をしたの!」
「さあな!とりあえずわかってることはあの爺、ヤバい!」
「何かする前にぶん殴る!」
連華が山砕をぶつける。
だが!
「消えた!?」
茶総はその場から消えた。
「消えてなどおらんよ」
茶総は連華の背中を斬った。
「ここまで…かよ」
連華はその場に倒れた。
「何だあの動きは!」
「ぬらりひょんは人の感覚を狂わすと言われてるけどあれがその攻撃!?」
「また消えた!」
「天山の仇じゃ!」
まずい斬られる!
夜真砥は茶総に斬られるかと思われたしかし、何者かの助けにより茶総の攻撃は防がれた。
「悟道!」
「今日からあんたらの敵だから!」
元黄泉神最高幹部である悟道心が茶総の攻撃を受け止めたのであった。
「心、あれは何だ!」
「茶総の家は代々、対象の感覚を狂わすことができるユニークスキルを身につけて生まれてくる。奴はその中で最強クラスのスキルを持って生まれてきたその名も感覚遮断、またの名をゼロの暗殺者!」
皆さんも悔いのない人生を過ごしてますか?
泣いて死ぬより笑って死ぬ方が良いですよね!
さて、次回は黄泉神幹部草煙茶総戦!
ちなみに感覚遮断はぬらりひょんの特性である家から追い出そうとしてもその家の主人だと思ってしまうことから取っています。
それではまた次回の話で!