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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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三十七話 復興作業と温泉ハプニング

久々に本編で~す!

とりあえず復興作業します!

アンド温泉ハプニング!

まあ、お決まりの展開です!

 黄泉戦の襲撃から一週間経ち、黄泉戦の残党がいなく安全だと判断されて国民は自分の家に帰って行った。

 なお、王族である俺はは復興作業を手伝っている例の魔法抜きで。

 その間に神威が雷音寺家の次期当主という発表が正式に行われた。

 つまり閃は四天王家であるが普通の女の子に戻ったというわけだ。

 そして今は休憩中だ。


 「お疲れさん!」


 突然誰かに背中を叩かれた。

 こういう場合あいつだ


 「何だ連華か、悪いなウチの馬鹿が派手に仏塔などもろもろ壊してしまって」


 なので咲夜には拳骨を落としてから復興作業を手伝わせた。

 ((おもり)背負わせて)


 「いいって!どうせ今年に修理する予定だったし。しかし、一人で家屋を二十戸直すなんて」

  

 「踏み台にしたからな。適当に召喚獣出して手伝ってもらった」


 「あたいにも召喚獣くれない?」


 「下級契約召喚魔法陣なら書けるが、何が出てくるか俺にもわからんぞ。例えばゴブリンとか」

  

 これ前にも言ったな。

 その時は契約召喚魔法陣なんて書いてないが。

 契約召喚魔法陣とは出てきた召喚獣とその場で契約して召喚獣を召喚石にする事ができる魔法陣である。

 普通のは契約した後、魔法陣の中に入って元居た場所に戻るか、 契約しないで召喚されて戦いになるかのどちらか。

 なので超上級召喚魔法陣があってもむやみに魔力を注いではいけないのだ。

 だってかなりの確率で契約できないから。


 「ゴブリンは勘弁だが…頼みます!」


 「そこまで言うなら仕方がない…ほれ、これに魔力を注げ」

 

 俺は近くに置いてあった小さな板に契約召喚魔法陣を書いた。


 「魔力注げば契約完了なのか?」


 「そうそう、後は実力と召喚された奴の気分次第だ」


 たまに我儘な召喚獣がいるんだよなぁ。


 「よっしゃ!あたいの召喚獣来い!」


 連華が契約召喚魔法陣に魔力を注ぐと魔法陣が光って板の上に工具を背中に担いだネズミが出てきた。


 「ネズミ?」


 「ネズミじゃない異国の妖精、グレムリンだ。機械作業とかそういうのが得意だから戦闘には向いていない。飴玉やれば喜ぶぞ」


 「へーっ」


 「おい!俺を召喚したのはお前か!」


 「喋った!」


 そら、喋るだろ妖精なんだから。


 「飴玉あげるから契約して」


 「いいぜ!」


 単純な奴で良かったな。

 連華とそっくりだ。


 「早速、作業に取りかかろう!」


 「あたぼうよ!」


 こいつは元から日の本に居たのか!?

 あたぼうって言葉、どこで学んだ!


 「マスター!休憩終わりだ!」


 「おう!」


 復興作業は夕方には全て終わった。

 そして俺は、


 「夜真砥、生きますか~」


 「悪いが俺はあと何年も生きる気でいるぞ」


 疲れが溜まって畳にうつぶせで転がっていた。


 「言われたことちゃんとやったか?」


 ティナに復興作業を手伝わせると変なことになりそうだから課題を出して城に置いてきた。


 「やりましたよ!魔力、切れかけです!」


 「兄上?」


 念のために暇そうにしていた兄上を見張りにつけた。


 「やってたよ~。…爆発しまくってたけど」


 うん、三十回以上爆発した。

 二つの属性の同時使用とか難しすぎでしょ!

 

 「まあまあだな」


 「咲夜は?」


 そういえば咲夜さんが見当たらない。


 「自分の部屋で懺悔している」


  何があったの…。


 「夜真砥、ご飯食べた?」 


 「帰りに台所寄って食ってきた」


 「そうかぁ、兄ちゃんご飯、食べにいくからね」


 「おう」


 終夜は一階に下りていった。


 「ソフトクリーム」


 今日こそ食べるんだ!

 日の本に来てから一回も食べてない! 


 「さっきから落雁(らくがん)、バリバリ食べてるくせに甘いもんまだ食いたいのか?糖尿病になるぞ」


 「…それは嫌です」


 「じゃあ我慢しろ」


 「起きたらどうですか?」


 それもそうだな…疲れたし、


 「風呂、入ってくるわ」


 「私も行きます!…飛び降りるんですか」


 夜真砥は窓の外に足を置いていた。


 「来たいなら掴まれ」


 「いやです!」


 「じゃあお先に」


 夜真砥は風呂場近くの庭に着陸した。


 「…月夜、忘れてきた」


 「居ます」


 ああ、居たのか。


 「女湯はあっちですね」


 「出たらそこで待っとれ」

 

 夜真砥は月夜と廊下で別れた。

 一方、その頃、咲夜は、


 「作戦成功!お兄様、今度こそ観念してもらいますわ!」


 咲夜はある物の位置を変えた。

 そして置いてかれたティナは、


 「風牙さん!」


 「ティナ坊か」


 「ティナ坊?」


 「俺なりのお前の呼び方だ。兄貴は?」


 「風呂です…風牙さんも風呂ですか?」


 「見回りの報告しに行ったら陛下に『風呂使っていいぞ』と言われたのでな」


 夜真砥のお父さん、太っ腹だなぁ。


 「そうなんだ…ここですね」


 話をしているうちに女湯の前に着いた。


 「男湯はこの先か、じゃあな!」


 一方、男湯の夜真砥は、


 「あぁ~、魔力がガンガン回復している~」


 なるべく全回復させておきたいなぁ~。


 「残りの幹部はあと何人いるんだろうか…黄泉の国ごと吹き飛ばしてもいいんだが、無関係の奴も巻き込むしな」


 …やはり、黄泉の国の方からとんでもない殺気が飛んできてるんだよなぁ…誰かに恨みでもあるのか?

 どうせ俺だろ。


 「あれ?誰か入ってるのかな?」


 誰か来たようだ。

 しかし、この声はどう考えても、いや、気のせいだろう。


 「幻聴、聞こえてくるとかそろそろヤバいな」


 だが、俺の予想は当たり脱衣場からよく知る人物が出てきた。

 詳しく言うと最近ずっと俺の近くに居る奴だ。

 ティナである。


 「ややややややや」


 ナイスボディー…じゃねぇーよ!

 何で男湯に入ってきてんだ!

 

 「変態!出てけド変態師匠おおぉぉぉぉぉぉ!!」


 ティナがお湯を氷付けにした。


 「殺す気か!」


 俺は間一髪、天井にへばりついた。


 「死ねぇぇ!」


 一方、女湯では、


 「あの~月夜の姉貴、ここって男湯では」


 月夜が自分の周りに剣を六本出していた。

 第二形態、黒弔である。


 「言いたいことはそれだけかぁ~」


 「いえ、なぜ男湯に姉貴が?」


 「ここは女湯だ!くたばりなさいエロ鼬!」


 そして二人の男は追い出されたのであった。


 「風牙か…何で女湯に入ってんだ」


 「男湯の暖簾(のれん)かけてありますよ。兄貴こそ何で女湯に?」

 

 確かに暖簾が入れ替わってるな。

 こんなことをするのはあいつしかいないな。


 「ほう…風牙、そこの物陰に隠れるぞ」


 「なぜ?」


 「いいから隠れろ」


 しばらくして咲夜がスキップをしながら風呂場にやってきた。

 

 「今日こそお兄様と」

 

 「俺が何だって」


 夜真砥は憤怒の表情を浮かべた不動明王のような形相をして咲夜の後ろに立っていた。


 「げっ!」


 「風呂掃除、咲夜一人で一週間やれよ」

  

 そして笑みを浮かべながら罰の内容を言った。


 「拷問室行きじゃないだけありがたいと思えよ」


 「はい…」


 その後、誤解は解かれてティナは土下座して赤面して女湯に行った。

 一方、咲夜は月夜に説教されたあと、天井から吊された。


 「ホントすみませんでした」


 「いや、逆に誉めてもいいぐらいだぞ」


 「私の裸見れたから?」


 あ~何考えてんだこいつ。


 「お湯を氷付けにしただろ。威力が上がってきている証拠だ」


 「喜んで良いのですか?」


 「喜べ喜べ!」


 「はい!」


 さて、何か全速力でこっちに飛んできてるな。

 対処するか。


 「後ろに隠れろ。こい月夜」


 何でだろうもしかして!


 「黄泉戦ですか!」


 「違うな。前世での相棒だ!」


 夜真砥が刀を振るうと飛んできた者は爪を使って攻撃を防いだ。


 「我が一代目の主の力返してもらうぞ!」


 虎?


 「雷虎、その一代目が俺だ!」


 「嘘を申すな!一代目の左目は戦により潰れておるぞ!貴様はあるではないか!」


 これは何を言っても聞いてくれないな。


 雷虎は前世で俺の召喚獣として仕えていた。

 遺言で当時仲のよかった雷音寺家に仕えるように命令したんだ。


 「なら来い!その身で月影一族、二代目当主、月影夜暁の力味わうがよい!」


 「我が主の名を汚れたその声で語るなぁぁぁぁ!!」


 雷虎は電撃をまもって突進してきた。

 夜真砥は下から天月夜剣を全力で振り上げた。


 「月影二代目奥義!黒龍天昇(こくりゅうてんしょう)!」


 天月夜剣から黒い龍の姿をした闇が出現して雷虎の腹に当たり打ち上げた。

 黒龍天昇、夜真砥が前世に作り出した奥義の一つである。

 全力で闇をまとった剣を振り上げ剣先が触れた瞬間、闇を解き放ち敵にぶつけて天高く打ち上げる剣技である。


 「これでわかったか?」


 「この技は書物には残してないはず!」


 「だから思い出すのに苦労したぜ。他にも黒星(こくせい)とか双龍斬(そうりゅうざん)もできるけど、受けてみるか?」


 どれもこれも俺しか使えない技である。

 書物にも載っていない。


 「大変失礼なことをしました!しかしなぜそのような姿に?」


 「ああ、あれと戦って死んだ後、いろいろあって転生したんだ。今は夜真砥って名前だ」


 雷虎が俺の前で座り頭を垂れた。


 「夜真砥様、どうか我と再度契約を」


 何を言うのかわかっていたが、再度契約とは。


 「バカかお前は!今の主を裏切って俺と再度契約とかふざけてんのか!」


 「いえ!ふさげてなどおりませぬ!あの時、我は夜真砥様を護れませんでした!なので今、その失態を取り戻そうと!」


 「失態を取り戻そうとするだけで今の主を裏切っていい理由にはならん!」


 虎さんは黙ってしまった。

 夜真砥は虎さんに近づいて頭を撫でた。


 「お前が今仕えている神威は俺が鍛えた侍だ。あいつは強くなるぞ」


 「わかりました。この雷虎、次期雷音寺家当主神威様にいっそうの忠誠を誓います」


 「ああ、ありがとう。心配かけたな再びお前と会えて良かった。ただいま」


 「はい…夜真砥様、お帰りなさいませ」


 時を越えた主従関係を目撃してしまった…何か私の立場が一瞬だけ無くなった気がします。


 「ゼェハァ夜真砥…雷虎ハァ…こっちに…ゼェ飛んできなかったか」


 神威が息を切らして俺の部屋にやってきた。


 「ほら、次期当主様が汗だくで迎えにきたぞ」


 「はい、夜暁様そっくりです」


 確かに契約した当時は弟のように可愛がっていたからな。


 「何してたんだ?」


 「昔の友に会ってました」


 雷虎が月夜の方を首で指した。


 「ああ、月夜はお前と同じ時代を生きてたんだっけ」


 「乗りますか?」


 「頼む~」


 神威は雷虎にまたがって城下に飛び降りていった。


 「夜真砥、天井に穴、空いてますよ」


 「咲夜に修理させるか」


 この兄、最低だ!


 「ところで私とあの虎、どっちが大切なの?」


 「どっちかっていうと今の相棒である月夜の方が大切だな!」


 夜真砥は月夜の頭を撫でながら言った。


 「あああああ」


 月夜の顔が一瞬で赤くなった。


 「今頃、のぼせてきたのか?」


 「そうみたい夜風に当たってくる~」


 変な奴だな。


 


二話ほど日常の話をしたいと思います!

次回はあるキャラの意外な一面が明らかになります!

それではまた次回の話で!

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