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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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過去語り 日本泥猫煌狗純愛物語 ブライド

タイトルの横にブライドつまり花嫁そう結婚式です!

これにて過去語り終了!

ていうか終夜、夜真砥、咲夜がいるんだから結婚しないとおかしいですね。

結婚しないとパラレルワールドだわσ(^_^;

 今、私の頭の中は雪原のように真っ白になってます。

 それに対して顔は紅葉のように真っ赤になってます。

 仕方がありません。

 私、今、初恋の人につき合ってもないのに結婚の申し込みをされました。

 夢ですか夢ですか何かヤバいです。


 「考えさせてください」


 「アホかー!」


 月夜は鈴音に怒鳴った。


 「ここでひいてどうするの!あんたの初恋でしよ!」


 「そうだけど」


 「だったら手を取って『不束者ですがよろしくお願いします!』って言いなさいよ!このへたれ!」


 「…一生、離れるなよ。離れることは許さんからなお前は護衛対象だからな」


 「それって」


 夜叉はゆっくりと顔を上げた。


 「不束者ですがよろしくお願いします!」

 

 鈴音は夜叉に少し照れながら微笑んだ。


 やべえまた惚れた。


 「…よつしゃー!」


 「夜叉、大好きだ二度と離さん!」


 鈴音は泣きながら夜叉に抱きついた。

 

 「…離すかよ日の本一の美人を」


 夜叉はそっと鈴音の頭を撫でた。

 一方、それを見ていた月夜と和尚は


 「…和尚さん和尚さん」


 「何ですか精霊さん」


 「退却します?」


 「しますか」


 月夜と和尚はその場をいったん離れた。

 その後、二人は手をつないで未来の話をしながら城に戻った。

 月夜はおじゃま虫になると思い先に帰ったのであった。


 「マジで?」


 「ああ」


 「幸せにするのよ夜叉」


 「はい!」


 「瓦版まいてこい!見出しは『月影夜叉、護衛の娘と身分の垣根を越えて結婚!』ってな!」


 あっさりと私と夜叉の結婚は国王陛下と王妃に認められた。

 二人は『そのうちそうなると思ってた』と言ってくれた。

 結婚式の形式は白夜様…いや、お義父様から異国式の形式にしようと提案されそれにした。

 なんと式場は岬らしい。

 結婚式の準備は進められ結婚式当日、水無月に私達は結婚式を行った。

 世間で言うところのジューンブライドである。


 「緊張してきた~」


 鈴音は異国から輸入された純白のドレスを着ている。


 「リラックスですよ鈴音様」

 

 鈴音様かぁ…違和感しかないな。


 「ふーん、馬子にも衣装とはこういうことね」


 「月夜!…その服、子供用じゃない?」


 「これしかなかった」


 相変わらずちっちぇー。


 「夢、叶った…ありがとう」

 

 「どういたしましてお姫様」


 「お時間になりました!」


 もう、時間か…よし!


 鈴音は気合いを入れて一生の恋人のいる岬に向かった。


 「鈴ねぇ、綺麗」


 ドレスの裾の持つ係は寺のチビどもだ。


 「ありがとうなチビども」

 

 「これからは王妃だな。会えるよな?」


 「何言ってんの?会えるに決まってるじゃない」


 さてと一生に一度きりの晴れ舞台に行くとしますか!

 一方その頃、岬では、


 「着物みたいに緩くできないのか?」


 息が詰まる。


 「我慢しろ夜叉、似合ってるぞ」


 さり気なく親父も輸入した服着てるし。


 「新婦入場です!」


 「へまするなよ」


 「するかよ」


 一生に一度きりの晴れ舞台でへましてたまるか。


 大理石で作られた階段を鈴音がゆっくりと上がってきた。


 「待たせたな夜叉」


 「超綺麗だ」


 「それしか言えんのか」


 「率直な感想だ」


 その後、異国から呼ばれた神父という者が何か呪文のようなものを言い出した。

 私達は『誓います!』と最後にそれだけを言うだけだ。

 

 「長いな」


 「仕方がないだろ決まり文句みたいなものなんだし」


 「それでは指輪の交換を」


 「もう俺達、渡してるからこれでいいか?」


 夜叉は帯刀してた刀を上げた。

 

 「それも良いでしょう…それでは刀の交換を」


 「夜叉、刀は?」


 鈴音は刀を差し出したが夜叉は刀をさしださなかった。


 「剣形態(ブレードモード)、ほい」

 

 月夜は剣となり夜叉の右手に握られた。


 「アホかー!何渡そうとしてんのよ!契約破棄しようとするな!」


 「冗談だよ」


 「冗談抜きでやりなさいよ」 


 月夜は剣から精霊の姿に戻った。


 「ちょっと照れ臭くてな。ほい」


 夜叉は鈴音に刀ではなく包丁を渡した。


 「うまい飯作ってくれよ」


 「期待はするなよ」


 二人は渡し終えた。


 「それでは誓いのキスを」


 キス!?

 そういえばキスなんて私達!


 鈴音は顔を真っ赤にして両手を頬に当てた。


 「鈴音」


 「何?うっ!」


 夜叉は鈴音の隙をついて唇にキスをした。

 それと同時に夕日が二人の顔の後ろに止まりキスを終えると地平線の下に入っていった。


 「…バカ」


 「隙があったら何度だって奪ってやるよ」


 その後、結婚式は終わって月影城で宴会が行われた。


 「酔い醒ましか?」


 夜叉は鈴音が少し休憩している最上階に上がってきた。


 「いや、月下美人を見ようと」


 「何それ…花火綺麗だな」


 日の本全土で花火が上がっている。

 

 「たまやー!ふふっ」


 「かぎやー!お前の方が綺麗だけど」


 「お前少しおかしいぞ」


 「酔っ払ってるか浮かれてるかのどちらかだ」


 「どっちもだ」


 特大の花火が二つ上がった。


 「すげーな」


 「夜叉」


 「何だ?」


 「絶対、私を離すんじゃねぇぞ」


 「そんな事しねぇよ」


 河原に捨てられていた一匹の汚れた野良猫、自分の存在理由を探すため暴れ周りある日、偶然にも黄金のように煌めく一匹の高貴な狗と出会いその狗が主催した大会で狗のそばにいる権利を得ることができた。

 野良猫は初め狗と好きなときに戦うことができる権限と思い狗のことを全く意識しなかった。

 やがて時は流れて野良猫は知らぬ間に狗に恋心を抱き始めたそしてある日、ひょんなことから狗が親から譲り受けた縁結びの精霊と出会い自分の心に気づいた。

 野良猫は努力した苦手な事にも積極的に取り組み狗の心を掴もうとしただが、狗は全く見向きもしなかった。

 でもそれは野良猫の勘違いだった狗は野良猫に恋心を抱き始めて野良猫の好意に照れ臭くなっていたのだ。

 さらに時は流れ狗が野良猫を避け始めたそれは前からだった狗がどこに行ってるのか気になり野良猫は縁結びの精霊と狗を尾行した。

 なんと狗は自分の住んでいた寺のハゲ猿のところに行っていたのだその時、野良猫は寺の宝を狗が受け取る話をしてるのかと思っていた。

 だけどそれは違ったハゲ猿の宝というのは野良猫のことだったのだ。

 狗は野良猫をお嫁に迎えるためハゲ猿のところに二年も通い続けて自分の野良猫に対する想いを話しに行っていたのだ。

 そして狗の想いはハゲ猿に届いた。

 狗は隠れて見ていた野良猫に愛の告白をした。

 もちろん、野良猫はそれを受け止め微笑んで『不束者ですがよろしくお願いします』と言ったのだった。

 やがて二人は結婚、野良猫の純粋な愛が叶ったのであった。

 この話は歌舞伎や浄瑠璃の題材によく使われるようになった。

 タイトルは日本泥猫煌狗ひのもとでいびょうこうく純愛物語(じゅんあいものがたり)である。

 ガラスの靴は無いが身分の垣根を越えて二人は幸せになったのであった。

 この話からわかることは身分や境遇は違うけれど恋にそのような境界は無いということだ。

 これがあってから日の本の国では政略結婚がほとんど無くなったのであった。

 この物語はまだ続いているこの先もずっとずっと永遠にだってこれは、


 「「永遠に愛し合う二人の物語、やがて誰かの身にも起こる物語だから」」 


 

 ハッピーエンド

 

締め方に結構、自信があります。

誰かの身に起こる物語ということは何かの伏線なのか?

もしかしてティナと夜真砥のこと?

さあ、どうでしょうか。

それではまた次回の話で!

次回から本編に戻りま~す。

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