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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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過去語り 一匹の野良猫のシンデレラストーリー④

次回でいよいよフィナーレ!

前半はバトルo(`ω´*)o

後半はラブラブ展開(≧∀≦)

なお、本編のフィナーレは程遠いです。

 戦いが始まって十分は経過したと思う。

 夜叉は敵をおしているが何か様子がおかしい。

 敵だって幹部だそう簡単にやられるわけない。

 動きだってぎこちない何かをかばってるようだ。


 「後ろの小娘を見捨てないのか?」


 「論外だな」


 鈴音をここから退散させたいが扉が閉まってるからな。


 「夜叉、さっさとけりを付けろ!」


 「無理言うな幹部だぞ!」


 刀を振るう速度が尋常じゃないな。

 

 「首もとがお留守だぞ!」


 「結界!」


 後数秒、間に合わなかったら首飛んでた!


 「援護するか」


 「なら目の前に氷の壁出してくれ!」


 「わかった!氷壁(アイスウォール)!」


 夜叉の目の前に氷の壁が出現した。


 奴の視界を遮断できた!

 

 「今すぐここら去れ!」


 私に言ってるのか?


 「早く去れ!」


 「何をするかと思ったら私の進路の遮断か」


 斬られる前に斬る!


 「おぉぉぉおおお!」


 夜叉は氷の壁を斬って禍闇に飛ばした。


 「しかし、夜叉が!」


 「俺なら大丈夫だ!」


 「やはりあの小娘はそれほど大事なものか!」


 禍闇は鈴音に斬りかかろうとした。

 だが、夜叉がそれを受け止めた。


 「かかったな!吹き飛べ風弾(ふうだん)!」


 夜叉は風の塊を受けて廃工場の外に吹き飛ばされた。


 「ぐっ!」


 夜叉は天月夜剣を地面に突き刺して勢いを止めた。


 下駄じゃなくて良かった。

 もし下駄だったら止まれなかった。


 「夜叉!」


 「お前、後ろ!」


 鈴音は夜叉に気を取られ禍闇の存在を一瞬だけ忘れてしまった。

 禍闇はその隙をついて鈴音の首を狙った。


 「終わりだ」


 鈴音はとっさに懐から包丁を出して攻撃を防いだ。


 「包丁!?」


 「台所に戻すの忘れてて良かった!」


 「まともに料理ができないのに何で包丁を常に持ってるのかしら」


 「護身用じゃね?」


 そんなことより今だ!


 「鈴音、押さえてろよ!」


 夜叉は立ち上がり突っ走った。

 そして、


 「ついでに肩貸せ!」


 「えっ!」


 鈴音の肩に足を置いて飛び上がった。


 「往生せえやぁぁぁぁ!!」


 そして禍闇の額から垂直に武器を振り下ろし斬った。


 「ぐあああぁぁぁぁ!!」


 「退くぞ!」


 「倒したのか?」


 倒したと思いたいが様子から演技だろ。


 「なんてな」


 やっぱり。


 「本体を潰すしかないわね」


 「あいつみたいに俺に乗り移れないか?」


 「何を考えてるの!精霊にそんなことできるわけないでしょ!」


 俺の心配じゃないのね。


 「何か変な音しない?ごうごうって」


 「…ふっ、はははは!俺の勝ちだ禍闇!」


 「あまりにも不利な状況で気が狂ったか?」


 私もそう思う。

 夜叉の頭のネジが飛んだ。


 「詰みだ」


 夜叉は火の玉を上空に飛ばした。


 「紫電、火焔、やれ!」


 あの二人はここに居ないけど。


 「ここで問題、日の本に住んでいる妖怪には何の術式が組み込まれている?」


 「あぁ?」


 「鈴音、答えは?」


 「結界耐性の術式、そんなことよりさっさと何か打開策考えろ!」


 「それではなぜ結界耐性の術式が組み込まれているのか?」


 「間違って攻撃しないためでしょ?」


 結界は対象を囲ってダメージを与えたりすることができるから間違って攻撃してしまった時の保険とかでしょ。


 「それもある。だが今の場合の答えはこっちだ。ある超特大範囲の攻撃から身を守るため」


 「超特大範囲の攻撃?そんなの今からどうやるんだよ」


 「すでに仕掛けてある。さあ、答え合わせの時間だ!」


 壁の上から火の玉が上がった。


 「敵は俺だけじゃないんだぜ!」


 夜叉が指を鳴らすと日の本全土の地面が光った。


 「何だこれは!体が重い!」


 「日の本の国にはあちこちに水路が通っている。物資の運搬、生活水の配給など、様々な用途に使われる。だが、黄泉の国の兵が侵入してきた場合こんな使い方をする。水路の水をせき止めて巨大な一筋書きの星を作る」


 「テメェ!」


 「ご名答、水路をせき止めて超特大の五芒星の結界を作り一網打尽にするのさ。終わりだ」


 「だからあの時!」


 「それも当たり、俺達は遊んでいたんじゃないんだぜ!」


 大福を持って行ったとき夜叉は遊んでいたのかと思った。

 だけど違ったんだ夜叉はあの二人と幹部を倒すための作戦を考えていたんだ!

 あの火の玉は合図だったんだ!

 これがこの国の次期国王の考えた作戦。


 「手紙をよこさず堂々と攻めていればこんなことにはならなかっただろうな!」


 「俺の名前は出してないはずだ!」


 「何となくだよ保険はかけておくべきたろ」

 

 「水路さえ壊せば!」


 禍闇は廃工場の背後にある水路を壊すため力を振り絞り走り出した。


 「主、倒すなら今よ!」


 「当然!こんなチャンス逃してたまるか!月影流忍術」


 夜叉が忍術を発動しようとすると夜叉を中心に闇が広がり禍闇を包み込んだ。


 「この闇は何だ!」


 「お前の棺だよ!」


 「月影夜叉!」


 闇の中には夜叉が居た。


 「墓から出てくるなよ!安息の闇(あんそくのやみ)!」


 「貴様ぁぁぁぁぁ!!」


 「はーっ!」

 

 夜叉は妖刀禍闇を斬った。

 それと同時に闇は晴れた。


 「…まだまだ修行が足りないな」

 

 「夜叉、無事か?」


 「おう!五体満足、かすり傷しかありません!」


 「良かった」


 その後、騒ぎに気づいた白夜様が兵を率いて廃工場にやってきた。

 そして勝手に作戦を実行した夜叉と紫電、火焔を叱りそして褒め称えた。

 時は経ち早くも黄泉神幹部襲撃事件から三ヶ月がすぎた。


 「進展ありますか~」


 「全く無い…正直言って皆無だ!」


 (ありゃりゃ)


 やはりあの時、さっさと逃げなかったことが夜叉に迷惑になってしまった。

 最近ではなぜか避けられてるように思うしやっぱり私って夜叉に嫌われて…。


 「ああぁぁぁ!!私の初恋終わった~!」


 嘆いてると戸を叩く音と夜叉の声が聞こえた。


 「鈴音、居るか?」


 「なっ何でしょうか!」


 「お前の住んでた寺ってどこにあるっけ?」

 

 「不知火邸に一番近い河川のすぐ近くにあります」


 何でこんなこと聞くんだ?

 まさか…。


 「わかったありがとう。外出するけど付いてくるなよ」


 やっぱり~!


 「月夜様」


 「あんたが様付けなんて珍しいわね。何よ」

 

 「私、処分されるんじゃ」


 「さすがに主でもそれは…可能性あるかも」


 「私の人生奈落に落ちた~」


 (あの野良猫がこんなこと言うとは世界も変わったものよね)


 そんな事が長く続き私は処分されず二年が経過して夜叉は元服した。

 そして、


 「付いてくるなよ」


 また、私を置いてどこかに行った。


 「月夜様~」


 「二年間ずっとあんたに様付けで呼ばれてるんたけど」


 「だって~」


 「泣くな!…よし!尾行しよう!」


 「尾行?」


 「あんた、だって気になるでしょ!もしかしたら主は愛人と密会してるのかもしれないわ!」


 愛人と密会!?


 「尾行します!」


 かくして鈴音と月夜は夜叉を尾行するのであった。


 「ここ見覚えあるのだが」

 

 「知ってる場所?止まって!主、寺で密会とは大胆な!」


 夜叉は寺の中に入っていった。


 間違いないあの寺は!


 「入るよ」


 「はい」


 月夜と鈴音も夜叉に続き寺の中に入り庭の茂みに隠れた。

 

 「何で私の居た寺なんかに」


 あ、ハゲと話してる。

 何を話してるんだ?

 

 「夜叉様、いい加減あきらめてください。二年間もこんなことをして」


 「あきらめません!どうかこの通り!」


 夜叉がハゲに土下座した!?


 「無理なものは無理だ!」


 「あなたの大切なものだということは十分承知しております!」


 何かをハゲからもらうのか?


 「自信はあるのか?」


 ちょっと聞き取れなかった。


 「あります!」


 「わかっておると思いますが身分の差が」


 「身分の差など関係ありません!身内が反対するのなら私は王族の身分を捨てます!」


 「その心は誠か?」


 「二年間揺るいだことはありません!」


 「大切に幸せにしろよ。俺の命より大事な宝だからな」


 「…ありがとうございます!」


 夜叉は顔を上げて少し涙目になった。


 「正し!それが守れなかったらただじゃおかねぇ!殺すからな」


 「武士として男としてその約束は必ずお守りします!」


 何ヤバいこと契約してんの!

 この寺そんなにすごい宝あるの!?


 (主、もしかして)


 「鈴音、良かったな」


 え?

 まさかハゲ、私の存在に気づいてる?

  

 「鈴音!?」


 鈴音と月夜は茂みから出た。


 「いつから気づいてた!」


 「お前が寺の前に来てから」


 そんな前から…うん? 

 

 「夜叉、何で顔、赤くしてんだ?」


 夜叉は茹でダコのように顔を赤くしていた。


 「当たり前だろ!」


 「あんた自覚無いの?」


 自覚?


 「夜叉様、チャンスですぞ」


 チャンス?

 

 落ち着け俺の心…深呼吸だ。


 「はーーーっふぅーーー」


 「夜叉?」


 やべえ鈴音の顔見たら余計に心音速くなった!

 まあいい人生一度きりの大勝負!

 当たって砕けろ!


 「鈴音!」


 「はい?」


 「俺の一生の恋人になってくれ!」


 夜叉は鈴音に礼をして右手を出した。


 「はい?」


 恋人って一生するもんじゃないだろ?

 うん…恋人!?


 「夜叉様、このトンチンカンは全く気づいていませんぞ」


 何だよ!

 俺の渾身のあれに気づかないのか!


 「つまり…だな…俺と」


 「俺と?」


 男、夜叉勝負に出る!


 「結婚してください!!」


 結婚…それって夫婦になるっていうあれのこと?

 夜叉と私が!?


 「あわわわわわ」


 鈴音は顔を真っ赤に染め上げた。


 「茹でダコ、二つできあがりました!」


 「うまい!」


 

 

次は同時更新した日本泥猫煌狗純愛物語に!

江戸時代風のタイトルにしようとしたらこうなりました…誰の必殺技やねん。

一生の恋人つまり夜叉は『俺の嫁になってくれ!』と言ったのです。



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