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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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過去語り 一匹の野良猫のシンデレラストーリー②

シンデレラと言えば舞踏会…しかしこっちの場合文字が違います!

武道です!

とりあえず鈴音、無双します!

 「何でこうなったんだ?」

 

 鈴音は着慣れない服を着て花を生けている。


 「女として当然のことを身に付けるためですよ。世間では女子力と呼ぶらしいです」


 「めんどくせ~」


 なぜこうなっているのかというと、時は少し戻り昼前の月影城、そこでは超超超超超重要な会議が行われていたそれは、


 「お前の護衛どうする夜叉」


 月影家にはたいてい護衛がいる。


 超どうでもいい~


 「知るか」


 「なら俺が適当に決めるぞ」


 適当ってそんなので大丈夫なのか?

 後継ぎ俺だけだぞ。


 「いや、ちょっと待って」


 「誰かいい奴がいるのか?」


 いい奴というかな…ほとんど四天王家の後継ぎだし…他にいい奴は…


 「あ!」


 「誰かいたのか?」


 いや待てあいつは強いが下民だぞ。

 王族の護衛は法律で下民は無理だ。

 法律を変えるか?

 無理だな、なら別の奴を…別の?

 そうか!

 

 「いないけど、いい方法がある」


 「方法とは?」


 「大会を開いて一番強い奴を決めるんだ!」


 「なるほど…大会の瓦版をを作りまいてこい!」


 そして正午になり鈴音が住んでいるお寺では、


 「鈴ねぇ!…和尚、鈴ねぇどうしたの?」


 鈴音は河原の出来事からずっと和室でボーッとしながら寝転がっている。

 何かを考えているわけでもない。

 

 「さあな…鈴音、どうかしたか?」


 「なんも~」


 あぁ~何かやる気が出ないな~。

 なんかさ心が締め付けられる感じがするんだよなぁ。

 チビはうるさいし。

 何か面白いことないかな?


 「おい、その瓦版どうした?」


 寺の坊主がまかれた瓦版を持ってお使いから帰ってきた。


 「ああ、何か夜叉様の護衛を決める大会を開くらしいよ」


 あいつの護衛?

 あれに護衛とかいるのかよ。


 「ほう、男女身分関係なく誰でも参加可能か」


 興味ねぇ~。

 しかし、護衛ねぇ…護衛になったらあいつのそばに四六時中ずっといるのか…待てよ四六時中ずっと?

 そうかあれに優勝すればあいつと好きなときにチャンバラできるじゃん!


 「あたしそれに参加する!」


 「鈴ねぇがこれに?無理だろ大人も出るよ」


 「私を誰だと思ってるんだチビガキ、睾丸引っこ抜くぞ」


 鈴音は少し怒り気味でチビを脅した。


 「これ!止めんか!…しかし、チビの言うとおりお前さんにもきついのでは?」


 「あぁ!頭だけではなく全身の毛も抜いてほしいのか!クソハゲ!」


 「やってみろ!全身ツルツルの坊主をお前は見たいのか?」


 「さすがにそれはキモイ」


 時は過ぎ大会当日


 「暇だ…暴れたい!観戦するだでは物足りない!」


 大会が開かれる場所は鬼神邸の闘技場である。


 「夜叉、少しは静かにしろ」


 大会参加者は総勢三百人、王族しかも次期国王専門の護衛となると給料や待遇がものすごく大きい。

 しかもエリート街道まっしぐらだ。

 そのため大会参加者はとてつもない人数になった。


 「だってよぉ~」


 ああ暇だ~!

 あいつは参加したかな?


 「それでは選手入場です!」


 大会参加者が次々と門から闘技場内に現れた。


 あれは!


 「何で野良猫が参加してんだ?」


 「お前ら暇人か!」


 気がついたら夜叉の周りに紫電、風竜、氷兵衛、火焔が居たそして、


 「私が呼んだんだ。別にいいだろ私の敷地なんだし」


 この白髪で角を生やした少女は鬼神銀(きがみぎん)、鬼神家次期頭首であり後の朧の母親である。 

 この時代では、17歳、夜叉より年上である。


 「やっぱりお前の仕業か」


 「裏方組は家の手伝いで無理だとさ」


 「あっそ」


 こうしている間にも試合は始まった。

 全員一斉に試合を行い最後まで立っていた者が夜叉の護衛になる。


 「おい、嬢ちゃんここはお子様の遊び場じゃないぞ。さっさと帰りな」


 参加者の中で最もデカい男が鈴音に話しかけていた。

 夜叉はこう思った。


 あいつ死んだな。


 「まあ、そう言わずに」


 鈴音は男の腹に右手を当てた。


 「何か付いてるのか?」


 「お前こそ帰ってママのおっぱいでもしゃぶってろ!はっ!」


 鈴音は右手に力を入れて男の腹を押した。

 男は衝撃に耐えられなくなり昼に食べたであろうものを吐き出し勢い良く壁に吹き飛んだ。


 さすが野良猫。


 「うっひょ~!何あの女の子!」


 「黙れ風竜、一度見たことある。あれが野良猫だ」


 鈴音の住んでいるお寺は不知火家の近くにあるので火焔が鈴音を目撃していてもおかしくない。


 「汚い女だな」


 「氷兵衛あんたもっと言葉を考えて言えよ」


 女子である銀が氷兵衛の言い方に反論した。


 「ふん」


 鈴音の攻撃により会場は少し静まった。

 だが、大会参加者は鈴音を標的と捉えて襲いかかった。


 「むさ苦しくなるな。氷河期(アイスエイジ)


 鈴音は襲いかかってきた大会参加者の下半身を凍らせた。


 「おい、すぐに溶かしてやれ何日も下痢になるぞ!」


 夜叉が部下に救出作業の命令を出した。


 「しかし」


 「敵の区別ぐらいできるだろ」


 なに月影の精鋭部隊が小さな女の子にビビっているんだよ。

 しかし、まだあんな手があったとは。

 

 その後、野良猫は片っ端から木刀や魔法でなぎ倒していき最終的に最後の一人となった。


 「弱すぎ」


 まさか、本当に勝つとわ。


 「お嬢さん名前は?」


 大会管理員が鈴音に近づく。


 「野良猫」


 「へっ?」


 「コォラアァァァァ!!お前にはちゃんと名前があるだろうか!」


 あん時、野良猫を捕まえにきた坊さんだ。


 「へいへい、鈴音だ」 


 「苗字は?」


 「…無い」


 鈴音は苗字が無いと言ったそれにより会場がざわついた。

 なぜなら、苗字が無いということはあることを示すからだ。

 それは捨て子。

 

 「さっさと遊びに来たと言ってここから立ち去れ貴様のような捨て子を夜叉様に近づけるわけにはいかないんだよ」


 大会管理員は小声で鈴音にそう言った。


 「なあそこのカス。それはねぇんじゃないかな?」


 夜叉が闘技場に降りてきた。


 「あいついつの間に!」


 「夜叉様!?」


 「丸聞こえだっつーの。俺の地獄耳なめんな」


 「下駄野郎」

 

 「こいつは大会に優勝した。それで十分だろ。捨て子とかそんなの関係ない男女身分平等って書いてあるだろ」


 「それでも!」


 「あぁ?俺に口答えするのか!お前の首飛ばしてもいいんだぞ」


 王子特権ここで発動!


 「わかりました。優勝は鈴音!」


 鈴音は大会に優勝した。

 一方、観客席の和尚は。


 「鈴ねぇ本当に優勝しちゃったね」


 「まあ、奴ならやると思ってたがな」

 

 少し誇らしげな表情をしていた。

 

 大会に優勝した鈴音は月影城に招待された。

 招待といっても護衛の説明とかである。


 「お前いつもこんな広い所で寝てるのか?」


 「俺の部屋はもっと広いぞ」

 

 マジかよ!


 「…やはりいけませんね」

 

 「母上、文句あるの?」


 「ありません。しかし、その態度、口調、その他もろもろ直さなければいけません!」

 

 ああ、そういうこと。

 確かに野良猫はずっと胡座(あぐら)をかいてるな。


 「なのでちょっとした花嫁修行をしてもらいます!」


 「花嫁修行!?」


 そして、時は戻り今のこの現状となっている。


 「足、痺れてきた~」


 「頑張れ~」


 本当に女子がする事を全くしていなかったんだな。

 それにしても何で花嫁修行なんだ?

 こいつは護衛だぞ。

 

 「何で護衛がこんな事を」


 「護衛と言っても、夜叉、付き付きの護衛つまり夜叉の行くところ全てについて行かなければなりません。このような品格の無い行動をされれば夜叉に迷惑がかかります。なので一からあなたに教養を身に付けてもらいます」


 マジかよ~。

 そんな事、一度もしてないのに~!

 とりあえず、


 「できたぞ!生け花というもの!」


 「…空き地に生えてるものをお手本にしましたか?」


 ホンマだな。

 空き地でようこんな風に生えてる花見たことあるわ。


 ちなみに夜叉は勉強をサボるため鈴音の花嫁修行を見ている。

 

 「次は料理をしてみましょう」


 三人は台所に移動した。


 「それ人を刺す持ち方な」


 「包丁は持ったことない!」


 もはや男だな。


 「こう持つのです。魚の塩焼きでも作りましょう」

  

 「魚なら焼きたことあるぞ!」


 でも、包丁持ったことないって言ったよな?

 内臓ごと焼いたのか?

 

 「池ごと」


 その方法止めろ!

 台所が火事になる!


 「私の真似をしてください。まずは内臓を取り出します」


 初は魚の腹に包丁を入れて開き内臓を取り出した。


 「おぇ~気持ちわり~」


 「生き物に失礼です。さあ、やりなさい」


 「…こうか?」


 鈴音は上手に魚の内臓を取り出した。


 「上手ですよ」


 「そういえばオバサンは何で料理ができるんだ?」


 「たまに夫に作るためです。それと私はまだオバサンという歳ではありません!」


 私より上だったら十分オバサンだ。


 「次は焼きます。そこの窯で焼いてください」


 「おう」


 えっと…塩は確かハゲが白いヤツだと言ってたからこれだな。


 数分後、魚は焼き上がった。


 「お前の魚、何か液体が付いてないか?」

 

 しかもドロドロしてるぞ。


 「塩も溶けるらしいからな。大丈夫だろ!」


 鈴音は自分の焼いた魚を食べた。


 「あっまぁぁぁぁぁ!!塩って甘いヤツだったのか!?」


 多分それ砂糖だな。

 何で母上、教えなかったんだろ?

 

 夜叉はチラッと初の方を向いた。


 うわっ、笑ってるよ。

 あれはわざとだな。


 その後、鈴音の護衛修行は夜まで続いた。


 「疲れた~!」


 「お疲れさん。風呂下にあるから入ってこい」


 「覗く気だろ」


 「覗くか!」


 そして睡眠前、


 「マジでデケー!」


 いくら護衛だからといって俺の部屋に寝るさせるとかねぇだろ!


 「お前そこで寝ろ」


 「何で隅っこ?」


 「寝相で蹴られたらたまんねぇからな」


 「そんなに悪くねぇよ睾丸引っこ抜くぞ」


 「蹴られる方がましだ!」


 「じゃあ蹴るか?」


 「蹴るな!」

 

 こいつ寺でもそんな感じなのか?

 …やべえ、次々と悪いことしている様子しか浮かばねえ。


 「ところで何でお前は私のこと嫌わないんだ?周りの大人はたいてい嫌な目で見てくる」


 「だって俺とお前は同じ人間だろ?」


 「そんだけの理由か?」


 「うん、それとお前と呼ぶな苗字か名前で呼べ」


 仮にも俺は王子だぞ。


 「じゃあ、月影も私のことお前と呼ぶな」


 「わかった鈴音」


 「何で名前!?」


 「お前、苗字無いんだろ」


 「確かにそうだけど…じゃあ私も夜叉と呼ぶ!」


 「好きにしろそれと外では様付けな」


 あぁ~眠い。


 「変な奴だな」


 私も寝るか。

 あいつら何してんだろ。


 こうして二人は寝静まった。

 一方、寺では


 「はっくしょん!」


 「和尚、寝たら?」


 「儂は寝んぞ!鈴音が帰ってくるまで儂は寝んぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


 その翌日、和尚はとてつもない眠気と闘い、近所からの苦情にひたすら頭を下げていたとさ。

 原因は昨日の和尚の遠吠えらしい。 


次回の話は二年ほど飛びますε=┌( ・_・)┘

そろそろ恋物語始まります!

あと二話ぐらいやるかな(-"-;)"

それではまた次の話で!

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