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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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三十六話 狐と魔王の娘

一様、ティナは出てきますがほとんど戦いません!

ある人物が無双します!

 「ふーっやっと着いた」


 月影城に飛んできたティナは真っ先に城内に居る白夜のもとに飛んでいった。


 「大門が開いてるだと!?」


 とりあえず事の顛末(てんまつ)を最上階に居る白夜に説明した。

 ちなみに夜真砥の母、鈴音も居る。


 「はい、今、咲夜さんが閉じにいっています」


 「…鈴音」


 「はい、お義父様」


 「お前に閉門の命令を下したはずだが?」


 何かピリピリしてるな。


 「言われたとおりに女官に閉門の命令を伝えました」


 「…伝えた奴は?」


 「最近女官になった…まさか!」


 「狐につままれたようだな」


 狐?


 「女官共を集めろ!」


 「はっ!」


 鈴音は急いで五階にある広間に女官達を集めた。


 「この中に裏切り者、いや、忍びが居る!」


 この中に敵の忍びが居るんだ…えっ!敵の忍び!? 

 何でこんなとこに居るの!


 「それはあなたですよね。尾上稲荷(おがみいなり)さん」


 名前を呼ばれた女官の方を一斉に女官達が見つめた。


 「その通り、でもただの忍びではない!九尾狐、黄泉神幹部の一人よ!」


 九尾狐特有の変化を解いてその正体を現した。


 「まさか戦いの前から仕組まれていたとわ!」


 「不覚でした」


 「まあよい!月影家元当主の力見せてやるわ!」


 おお!白夜さんが戦うんだ!


 「月影白夜、あなたはここで始末します」


 「自惚れるなよ牝狐!月影流忍術!」


 やったー!

 これで幹部一人倒される!

 てか、幹部って何?


 「ゴキ!」


 ゴキ?


 「おっお~腰が~」


 えっ?

 白夜さんどうしたの腰なんか押さえて。


 「無理するからです。皆さん白夜様を避難所に運んでください」


 「はい!」


 女官達が白夜を担架に乗せて運んでいった。


 「あれ何ですか?」


 「ぎっくり腰です」


 あれがぎっくり腰…。


 「…気が抜けますわ。で、どちらがお相手に?」


 「私、月影鈴音がお相手いたします。血はつながっていなくても私は夜叉様に迎え入れられ月影一族になった。一族の名誉にかけてあなたを倒します!」

 

 鈴音は近くに置いてあった薙刀を持ち着物を引き締めた。


 「私も戦います!夜真砥のお母さん!」


 「では鎧に着替えてください。いくら何でも魔族とはいえ九尾狐を相手をするのに鎧無しでは無理があります」


 鎧なんてあったっけ?

 …そういえば夜真砥に剣と一緒にもらってた!


 「着替えてきます!」


 「二対一とは不公平では?」


 「いえ、あの子が来るまでに決着をつけます!」


 「ナメられては困ります!…氷?」


 広間に突如として氷の塊が複数出現した。


 「氷河期(アイスエイジ)!」


 そして氷の塊は弾け飛び広間全体を氷付けにした。


 (間一髪避けられた。しかし、この魔力は四天王に匹敵している!)


 「鈴音様、元の姓は何かしら?」


 「名も無き孤児です。それと尊敬もしていない相手を様付けするのはよしてください。吐き気がします」


 鈴音は日の本の国の河川敷にに捨てられていた孤児だった現在はそのような風習はない。

 名前や苗字が無く周りから野良猫と呼ばれていた。

 その事は今度語るとしよう。


 「着替えてきました!…さむ~!」


 ティナが鎧を装備して戻ってきた。


 「ティナさん、鎧多分、前後ろ反対だと思いますよ」


 「ほんとだ!通りで胸が苦しいと思った!」


 ティナは急いで鎧の向きを変えた。


 「何なのですこの子」


 「ウチの子の弟子」


 「この小娘が…全身アダマンタイト製の防具と武器!?」


 ああ、そういえば夜真砥があの大会の賞品で作ったんだった。


 「夜真砥にもらった!」


 「情報通りぶっ飛んでるわね」


 「ティナさん、防いで!」


 稲荷は懐から針を数本出してティナの鎧の隙間に向け投げた。


 「やっ!」


 ティナは剣を振るって防いだ。


 「さすが序列一位の弟子だけはあるわね」


 たまたま防げた~!


 「大爆発(エクスプローション)!」


「結界」


 五階全体が爆発し吹き飛んだ。

 柱には耐久性のある魔法をかけてあるためそう簡単には崩れない。


 「あわわ、壁が無くなった~」


 「…威力は四天王クラス」


 「これでも四天王の子供達は倒せますので」


 「狐火(きつねび)!」


 稲荷の周りに炎が複数出現した。


 「水の球体(アクアスフィア)


 だが、鈴音が水の球体(アクアスフィア)でそれを稲荷ごと包み込み消し止めた。

  

 「ゴボボ!!」


 「すぐ楽にしてあげます。雷属性付与(エンチャントサンダー)


 薙刀に雷属性を付与してその先を水の球体(アクアスフィア)に触れさせた。


 「合技感電球(かんでんきゅう)


 「ゴボォォォ!!」


 この戦い私っているの? 


 「ハァッハァッハァッ」

 

 球体が割れて稲荷が解放された。


 「さすが妖怪、氷河期(アイスエイジ)


 鈴音は稲荷を氷付けにした。


 「終わったんですか?」


 「ええ、避難所に行きましょ。危ない!」


 ティナが居たところを炎の光線が通過した。

 間一髪、鈴音がティナを押してなんとかそれを避けた。


 「そういえば九尾狐は変化が得意でしたね」


 「死んだふりですわ」


 「やっ!…あれ?」


 ティナは剣を振り下ろしたが斬ったのは柱だった。


 「逃げられたわね」


 「…?」


 「狐につままれたような顔してるわね。それが九尾狐の得意技、化かし変化(ばかしへんげ)よ」


 トリックゴブリンの魔法に似ているなぁ。

 聞いてみよう。


 「奇妙な奇術(トリックストレンジ)の事ですか?」


 「異国ではそう呼ばれているわね」


 「どうしますか?」


 逃げだのなら追わなきゃいけないよな。 


 「…行き場所なら知っている。夜真砥の部屋」


 「何で?」


 「一時期、夜真砥の部屋には世界中の遺跡から集められた兵器があったから今は無いけど」


 えーーーーーっ!!

 なに物騒なもん集めてんのよ!

 そんな事よりそれ今どこにあるの!


 「残り二階…もう、着いてるかしら?」


 「急いで行きましょう!」


 その頃、稲荷は、


 「…くっそ!まさかあれほどの力とは」


 稲荷はすでに七階に到着していた。


 「でも、この部屋にある魔導書を使えば」


 女官達は掃除をする際には夜真砥の部屋にある宝物室には決して入ってはいけないルールがある理由は単純、高価な物が無数にあるから。

 そして宝物室にある格子の隙間から覗くと中央の台に本が置いてある。

 それも分厚く表紙が豪華な装飾がしており五芒星の結界が張ってある噂では『世界一の古代魔法が習得できる魔導書なのではないか?』と言われている。

 古代魔法は主に古代の魔導書で習得する事ができる、現代で作られている魔導書は下級魔法を覚えるための魔導書だけである。

 なのでこういった古代の魔導書は貴重なのだ。

 

 「これで月影家は終わり。えいやっ!」


 稲荷は刀で台を斬り結界を破って本を手に取った。

  

 「いったい何が書かれて…なっ!家族写真!?」


 本には昔の文字もましてや今の文字すら書かれていなかったあったのは敷き詰められた家族写真だった。


 「驚いたでしょ。まさかこんなに大切にされている本が魔導書ではなくアルバムだなんて」


 「鈴音!」


 やっと追いついた鈴音さん速い!


 「夜真砥に聞いてみたの何でアルバムをこんなに大事に飾るのかってそしたら何て言ったと思う?」


 「知るかそんなの!」

 

 …アルバム自体が魔導書とか?


 「『どんなに高価な宝石や宝でもこいつの前ではガラクタ同然、もし誰かに世界一大事な物を渡せと言われたら真っ先にこれを渡す。俺にとって家族との思い出は世界一いや、宇宙一の宝だ。だからこの宝石箱(アルバム)を大切にする、たったそれだけのことだ』ってね」


 家族との思い出が一番の宝かぁ…何か夜真砥らしくて良いと思う!


 「その本ではあなたは魔法を撃てないわ。私達、家族にだけ撃てる愛っていう名の魔法が」

 

 「だが月影夜真砥はあなた達をそうとう恨んでるはず!それは復讐を誓うための本では!」


 「夜真砥はこの国を去る際にこう言った『僕はあなた達を全く恨んでいない。一歩ずつ一歩ずつでいいから僕に歩み寄ってほしい。そしていつか家族集まって食卓を囲もう』と。まるで子供じゃないみたい」


 うん、子供じゃないですよ。

 多分、実年齢、鈴音さんより上です。


 「そして私にはこんなことを言ってくれた『この世界は広く美しく楽しいことでいっぱいだと知れた。母上、僕を生んでくれてありがとう生まれてきて幸せです!』とね。ずっと私は夜真砥のことを自分の子供とは思わず軽蔑し愛情を注がなかった。そんな私にありがとうと言ってくれた。私は感動と自分のだらしなさに涙を流した復讐の言葉ではなくただありがとうと」


 産んでくれてありがとう、そう簡単に言えることではないと思う。

そしてそれは子供が親に対する最大の感謝だと私は思う。

 孤児でも捨て子でも幸せになればいつかは生みの親に感謝すると思う。

 なぜなら生まれてこなければその幸せにたどり着けないからだ。

 私はお母さんの顔は知らないけれどありがとうの感謝を伝えたい。


 「だから私はあの日誓った。夜真砥に十年分の愛を注ぎすべての事を応援する事を。その思い出に触れたあなたは決して許さない!」


 「こんなの燃やしてやる!」


 稲荷は手に炎を出した。

 だがその時!


 「それは困るな!二度と作れない物だしよぉ」


 窓際からとても殺気のある声が聞こえた。


 「夜真砥!」


 夜真砥が窓際の壁にもたれていた。


 「遅れてすまんな!ティナ…で、幹部になったばかりの雑魚が何のようだ?」


 「嘘…月影夜真砥…ヤダヤダヤダ!!死にたくない!」


 稲荷はアルバムを落として窓から飛び出した。


 「逃がすか!俺の思い出に触れたこと後悔させてやる!」


 夜真砥の前に特大の魔法陣が出現した。


 「まさか城下に魔法を叩き落とすつもり?」


 「んなわけねぇだろ。月夜、手を貸せ」

 

 「了解」


月夜は剣の姿になった。

 一方、全力逃走している稲荷は、


 「あんなのと戦ったら確実に死ぬ!逃げなきゃ逃げなきゃ!」


 稲荷は高速移動をして壁の上に到達した。


「やっと壁に上ったか。ロックオン完了戻ってこい一瞬の捕縛(スピードロック)


 壁の上に居た稲荷はなんと夜真砥の目の前に現れた。

 この魔法は二つの魔法陣を同時に使い発動する魔法。

 仕組みはこうだ一つの魔法陣を好きな場所にセット、もう一方をその捕縛した相手を出したい場所にセットするただそれだけ。

 ワープに似ているが魔力消費はそれほど無く自分は通れず、ワープした人は鎖で縛られて現れるのだ。

 夜真砥はそれを抜刀の風圧で吹き飛ばし遙か彼方に居る稲荷に当てここにワープさせたのだ。


 「ひっ!」


 「わかったか、これが古代魔法だ」 


 「死にたくない死にたくない!!」

 

「俺に慈悲を求めても無駄だ。死神の子守歌(デスゴッドララバイ)!」


 死神の子守歌(デスゴッドララバイ)、発動して一秒以内に倒したい相手の左胸つまり心臓のある部分の皮膚に触れると一撃で相手を葬り去る事ができる闇属性かつ古代魔法である。

 一日に一回だけ使用できるが魔力消費が半端ない!

 夜真砥は宝物室から持ち出したタダ剣(ただけん)で発動させた。


 「あっ…」


 稲荷は倒される窓から地面に落ちる。 


 「半端者は戦場に出てくるな」


 「お疲れ様、夜真砥」

 

 「母上、ティナを守っていてくれてありがとう」


 「ブォォォォ!!」


 おっやっと終わったのか。 


 「何ですかこの音」


「ホラ貝だ。黄泉戦を撤退した、一様、一時中断だ」


 じゃあまだ続くんだ。

 

 日の本合戦は一時中断された。

 日の本の国は大勝利を収めた。

   

今度、更新するときに鈴音の過去語りも同時に更新するかそれだけ更新します!

まあ、ロマンチックな話となっております!

とりあえず次回の話は一時休戦してるので日常の話をします!

それではまた次回の話で!

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