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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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三十一話 童は懸想したおなごを守るときは天下無双になる

 今回は魔力が全く無い神威と紅葉の妹、椿が敵と戦います!

 そして神威に異変が起きます!

 夜真砥が風牙を救出しに北西の森に入った同じ時刻壁の上で異変が起ころうとしていた。


 「はぁ~」


 「どうしました神威殿」


 「いや、夜叉様達が『民を避難させるので壁の守護はお主に任せた』と言って城下に戻っていったのでどうせなら誰か四天王の当主を残していってほしかったなぁと」


 「ですが黄泉戦は全く攻めてきませんけどね」


 黄泉戦は現在終夜の軍が足止めしている。


 「そういう時こそ敵は攻めてくるって夜真砥が言ってたぞ」


 「夜真砥様はそんなこと言ってたの神威?」


 神威の横に椿が現れた。


 「げっ!椿らお前火焔様と城下に戻ったんじゃないのか!?」


 「神威が心配で戻ってきた!」


 「俺の心配しないで自分の心配しろ」


 「だって神威弱いもん!」


 「うぐっ!」


 神威のガラスのようなハートに椿が発した一言が刺さった。


 「それは言わないでくれぇ~」


 「神威」


 「今度はどうした?」


 「魔法の才能開花した?」


 「うぐっ!」


 また神威のガラスのようなハートに椿が発した一言が刺さった。


 「してないから」


 「じゃあ、あの雨雲なに?」


 「雨雲?」


 神威は空を見上げたすると快晴のはずの夜空に雨雲が浮いていたそれも壁の上空だけに。


 「…マズい…ここから全員離れろ!」


 神威が退却命令を出したそのとき雨雲から雷が落ち壁の上に直撃した。


 「椿ー!」


 「私なら大丈夫だけど?」


 「良かった~」


 「ド派手に登場してやったぜ日の本の侍達よ!」


 雷が直撃した場所から槍を持ち鎧を着た妖怪が出てきた。


 「雷と共に現れ前脚が二本、後ろ脚が四本そして尻尾が二本で雷をまとってる…まさか雷獣(らいじゅう)?!」


 「その通り我は雷獣そして黄泉神幹部万雷楽吉(ばんらいらくきち)とは俺のことよ!」


 現れたのは黄泉神幹部だった。


 「ところであんた四本も足あって気にならないの?はっきり言って立ってると変よ」


 「…これは体毛だ」


 「体毛なのそれ!」


 「ほれ、散り散りになるだろ」


 そう言って楽助は足に見えた体毛を散り散りにさせた。


 「あら、ほんと」

 

 「そんなことより椿、黄泉神幹部だぞ!」


 「そうねぇ…私が時間を稼ぐから全員逃げて!それと父上を呼んできて!」


 壁の上にいた兵が階段を急いで降りて城下に逃げていった。


 「神威も早く!」


 「ああ…」


 神威は戸惑いながら階段を降りようとしただが、その時スキル、クロノスタシスを発動できないのにまるで時間がゆっくりと進むように感じた。

  

 (俺はこのまま逃げていいのか…このまま椿だけに戦わせていいのか…俺は男だぞ。それに俺は椿より3歳も年上だ。なのに逃げていいのか…そんなのそんなの)


 そして神威は壁の上で夜真砥に耳元で言われたことを思い出した。


 『なぁ神威、お前椿のことが好きだろ?』

  

 『なっ!


 『黙って聞けこれは俺からお前にある言葉を授ける強くなるための呪文みたいなもんだ…守りたい人がいるなら歯を食いしばって守れ…守れなかった時の方が必ず心が傷むぞ…男なら刀を抜きどんと構え敵を睨んで愛する人を守ってみろ!それができねぇ奴はその女に首っ丈ってねぇ証拠だ!』


 神威は方向転換して刀を抜いて歯を食いしばりどんと構えて楽吉を睨んで階段を駆け上り楽吉の腹に刀の先をぶつけ楽吉を後方に飛ばした。

  

 「神威逃げたんじゃないの!?」


 「守ってやる…」


 『惚れた女を守るために自分の我儘を貫きその女の勇者になれ!さすれば一皮むけてお前は強くなる!』


 神威は剣先を楽吉に向けた。


 「俺の名は神威、四天王雷音寺家の息子、黄泉神幹部万雷楽吉お前に一騎打ちを申し込む!」


 「魔力が無いガキが!でしゃばってくるな!」


 世界にはまだ解明されていない不思議があるそれは魔力が無い子供が産まれてくることである。

 魔力が無いと死ぬと言われているがその子供は魔力が無くても天寿をまっとうするまで生きることができるのだ。

 実験で魔力回復薬をその子供に飲ませても魔力が回復しなかったというデータがあるその魔力がどこにいったのかもわかっていない。

 だがその子供達にはある特徴があるそれは魔力を消滅させる魔法を魔力無しで放つことができる。

 だがそれすらできない子供がいるその代表例が夜真砥そして神威である。

 夜真砥は魔力を幼少期に魔眼に凝縮していたことが原因だが神威は魔眼が発動せず他のところに魔力を凝縮してないし魔力消滅魔法を発動できない神威がなぜ魔力が無いのか全く不明である。


 「そうよ神威逃げて!」


 「何が何でも逃げない!」


 「逃げなかったことあの世で後悔するんだな!」


 楽吉は神威に槍を突きつけるだが神威はそれを交わした。


 (夜真砥の言うとおりだ槍は真っ直ぐ突いてくることがあるから横に体を向けて避ければいい)


 「交わしただと!」


 (だが槍に触れてはいけない槍先にだけ付与(エンチャント)されていれば問題ないが槍全体に付与(エンチャント)されている。しかも雷属性触れたら即感電する狙うところは一つ)


 「そこだぁぁぁ!!」


 神威は楽吉の右肩にできた鎧の隙間に刀を突き刺した。

 

 「このガキ!」


 (勢い余って上半身をガードできないだろ!)


 神威は首を狙わなかった理由は一つ首に鎧を付けていたからだ。 だが肩の鎧にできた隙間に刀を刺すことができたのだ。


 「すごい…神威スゴいよ!」

 

 「ああ、スゴいな…だがそれは俺が本気ではなかったらの話だがな!」


 楽吉は雷をまとい始めた。

 神威はすぐにそれに気づき刀を抜いて後ろに下がった。


 「これが俺の力、全身に雷をまとい敵にダメージを与える。名付けて雷雲の衣(らいうんのころも)


 「火炎大蛇(かえんおろち)!」


 「効かんわ!」


 楽吉は雷を放電させ火炎大蛇(かえんおろち)を消した。


 「隙ができれば十分なのよ。神威!」


 「落ちろ!」

 

 神威は両端に重りが付いた縄を投げて楽吉を壁から落とした。


 「このクソガキがぁぁぁ!!」


 「今うちに逃げるぞ」


 「なんちゃってね」


 楽吉は壁を蹴って上に戻ってきたそして神威を左手で押さえ込んだ。


 「神威!」


 「死ねや!」


 楽吉は容赦なく神威に電流を流すだが神威は笑ってる。


 「姉貴の心配性が役に立ったな」


 「何で電撃を喰らわねぇ…まさか!」


 「そのまさかだ!木霊家特製のアイテム雷守の御守り(らいしゅのおまもり)


 神威は懐から雷属性の攻撃を防ぐ雷守の御守り(らいしゅのおまもり)を取り出した。

 木霊家は御守りも作ってる。


 「不知火流忍術花火(はなび)!」


 椿は後ろから不知火流忍術花火(はなび)をぶつけた。

 花火(はなび)は相手にぶつけると大爆発する小さい玉である。

 日の本の国では夏になるとこの玉を夜空に打ち上げて花火大会という行事をする。


 「だから効かねえって」


 その隙に神威は脱出した。


 「でも、互角に戦えてるぞ」


 「先も言ったよな…俺が本気ではなかったらの話って」


 「まだ本気じゃないの!」


 「その通り!今からが本気だ!雷雲の衣(らいうんのころも)!」


 楽吉はさらに雷をまとった。

 あふれた雷はあちらこちらに放電している。

 もはや衣ではない雷雲そのものになっている。


 「椿あれ倒せるか」


 「無理言わないでよ…今でも震えが止まらないわ」


 「別れ話は終わったか?頑張って耐えてみろよ…雷の光線(サンダーレイ)!」


 楽吉は凝縮した雷の光線を放った。


 「終わりだクソガキども!」

 

 二人に光線は直撃するかと思ったその時、椿が光線に突っ込んだ。


 「椿!」


 「ごめんね神威」


 光線は椿に直撃して大爆発した。


 「うわぁぁぁぁぁ!!」


 「ハッハッハ!死んだなこれは」


 「俺のバカヤロー!」


 神威は夜空に向かって叫んだ。


「今度はお前だ」


神威が夜空に向かって叫び楽吉が神威に雷を放とうとしたその時、上空に突如、雷雲が現れ神威に落ちた。 


 「俺いつの間に雷雲出したんだ。ラッキーこれで日の本に攻めれるわ」


 その落雷は遠方からも目撃されていた。


 「お父様あの雷雲は!」


 避難誘導していた閃と紫電が目撃していたのだ。


 「…雷神は神威を選んだか…神威、時期当主はお前だ…お前ら!ちんたらしとらんと早く避難場所に入れ!」


 避難場所とされているのは日の本の国中心にある五芒星の間(ごぼうせいのま)であるこのエリアは巨大な結界になっている。

 五芒星(ごぼうせい)というのは五つの角を持つ星のことで時計回りに水、木、火、土、金の五行説の五大要素を置く。

 日の本の国ではこれを陰陽道を使う天津風家が使い結界を作る際はそれぞれの角に巨大な属性石を置く水は水属性、木は風属性、火は炎属性、土は土属性、金は代用として雷属性を置いているこれにより巨大な結界を作ることができる代用としてそれぞれの角にその属性が得意な人を配置するとこのような結界を作ることが可能だ。

 ゆえに四天王は土属性を除くこの四つの属性で構成されている。

 なお、ほとんど内部からの破壊でしか壊すことができないので世界最強の結界とも言われているので魔力消費量も半端ないのだ!

 という長い説明はさておき壁の上に戻ろう。


 「ごめんは俺だよ椿」


 「あの落雷を受けて生きてるのか!」


 「男である俺がお前に守られてよぉ」


 「今度こそ死ねや!」


 まだ煙の晴れないところに楽吉は斬りかかるだが雷が落ちてそれを拒んだ。


 「黄泉神幹部万雷楽吉、お前は俺が必ず倒す!」


 「何なんだその姿は!」


 煙が晴れて神威が出てきた。

 だがその姿は先ほどのとは全く違った。

 静電気により黄色い髪の毛が逆立ち先ほどまで着物だったのに雷をまとう鎧を着てきて両手には使っていた刀とはデザインが全然違う刀が握られていた。

 鎧の左の部分には鷹のデザイン、右の部分には隼のデザインが今にも翼を羽ばたかせ飛び立とうとしているように見える。

 右手の刀の柄は気高き獅子の装飾が左手の刀には荒れ狂う竜の装飾がしており両刃はまるでダイヤモンドのような輝きを放っている。 

 そして最も特徴的なのは、


 「その虎は召喚獣か!」


 神威の横に雷をまとう白い虎がいた。


 「我は雷虎(らいこ)雷音寺家の当主を守護する者なり!」


 「俺が当主?」


 「はい」


 雷虎は神威にひざまづいた。


 「そうか…これか書物にしるされている雷音寺家の真の当主のもとに現れる神器…この鎧が雷鳥の両翼らいちょうのりょうよく右手の刀が獅子金剛刀(ししこんごうとう)左手の刀が紫電龍王刀(しでんりゅうおうとう)…負ける気がしない!いくぞ雷虎!」


 「はっ!我が意志は主と共に!」


 「面白くなってきたぁぁぉ!!良いぜクソガキかかってこいや!」


 夜空に星が瞬く時、大切な人を傷つけられた無力な少年は遂に真の力に目覚めた!

 雷音寺家次期当主雷音寺神威、遂にに覚醒!

  

次回は覚醒した神威と楽吉が激突します!

フルボッコタイム突入?

それではまた次回の話で!

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