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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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過去語り  斬崎風牙

今回は風牙の過去を語ります。

悲しき親子の過去をどうぞごらんあれ 

 今回は夜真砥の弟分、斬崎風牙について語ろうとしよう。

 グロリア暦三千七百二十四年(今はグロリア暦三千七百五十年である)黄泉の国の西の森にある少し裕福な道場をやっている家庭に彼は産まれた。

 産まれた時から風属性魔法の才能があり将来は黄泉神幹部候補だった魔法の才能が開花したのは彼が五歳の頃。


 「すごいね!風牙こんな魔法が使えるなんて」


 この女の鎌鼬は風牙の母親の(なぎ)つまり悪賂刺の妻である。


 「僕大きくなったらお父さんと一緒に戦うんだ!」


 「そうか風牙は父さんと一緒に戦いたいのか!でも、あと百年早い!」


 「だったら百年分修行する!」


 「よし!なら今から父さんと修行するぞ!」


 「うん!」


 「あなた、風牙に怪我させないでよ」


 「おう!わかってるって!」


 この頃から悪賂刺は黄泉神幹部であった。

 そして風牙が魔法の才能を開花させたこの日から風牙と悪賂刺の修行が始まった。

 そして四年の月日がたった。


 「どうした風牙その構えは」


 「我流です!…ダメですか?」


 「ハッハッハ!良いじゃないか!さあ!かかってきなさい!」


 日に日に成長する風牙を見るのが悪賂刺の楽しみでもあった。

 そして一年後斬崎家に異変が起こった。


 「母さん…母さん!」


 母親が家事の途中で倒れたのだ。

 医者に診てもらったがただ疲れが溜まっているそれだけと言われた。

 だが悪賂刺だけは違った。


 「先生」


 悪賂刺は一人で妻を診せた病院に行って担当した医者にあることを聞きにいった。


 「何ですか悪賂刺さん」


 「妻は呪いを受けているのではないでしょうか?」


 医者は少し黙り口を開いた。

 

 「ああ、そうだよ!テメェらが不審な動きをしているから黄泉神様、自らこの私にあの女に呪いをかけろと命じてくださったのだ!ざまぁみやがれ今度何かしたらお前の息子の番だ」

  

 悪賂刺は思い当たる節を探した。


 「バレていたのか…」

 

 「バレバレだよ」


 悪賂刺は近々家族と門下生とともに黄泉の国を脱出する計画を考えていたそれが黄泉神にバレていたのだ。


 「せいぜい妻が死ぬのを待つんだな!」


 悪賂刺は絶望を味わいながら家に帰っていった。


 「あなたどうしたの?」


 ベッドで顔色を悪くした凪が寝ていた。


 「…すまない…お前のそれは呪いなんだ…私達の作戦がバレてたんだ」


 悪賂刺は泣きながら妻に謝っただが妻は、


 「知ってますよそんなの。あなた、私が死んだらあの子をよろしくね」


 「そんなことさせるか!俺が必ずお前の呪いを解いてみせる!」


 「そう」


 だが悪賂刺の努力は実らず凪はその六ヶ月後、呪いにより亡くなった世間では衰弱死とされている。


 「母さん!母さん!」


 悪賂刺は妻に言われたことを思い出していた。


 (風牙は必ず俺が守る…だが黄泉神のことだ俺達が何もしなくても風牙に呪いをかけるだろう。そうならないようにこの子だけでも外の世界に逃がさなければ)


 悪賂刺は心にそう誓った。


 「風牙、もしも父さんと離れることになったらどうする?」


 「父さんに一緒ついて行く」


 「そうだよなぁ」


 風牙は父である悪賂刺のことが大好きであったため悪賂刺のそばを離れようとしなかったそれはつまり一緒離れることはないということだ。

 そしてその日の夜、


 「凪、俺は風牙に嫌われることにするよ…それしかあの子を守ることができない」


 その日の翌日から悪賂刺の態度は一変した。


 「何なんだその剣術は!さっさと元に戻せ!」


 稽古中に悪賂刺は常に風牙を怒鳴り散らしていた。


 「この剣術は父さんが誉めてくれた」


「そんなの覚えてない」


 悪賂刺は風牙の頭を力強くつかみながら脅した。


 「とっ父さん…」

  

 次に魔法の稽古に移った。

 風牙はこの魔法は怒られないと思っていただが、


 「何なんだ!お前はこんな魔法しかできないのか!酷いしうっとうしい!」


 「でもこれは父さんが誉めてくれた」


 「また俺が誉めてくれただと?そんなの覚えてない!お前は一緒魔法を使うな!」


 日に日に悪賂刺の怒りはエスカレートしていった。


 「そこに突っ立っとれ!」


 ある日は木刀すら持たさずずっと立たせていたり。


 「父さん!聞いてよ!」


 ずっと無視したりしていたそれでもしつこい場合は、


 「目障りだとっとと失せろ!」

 

 風牙の腹などを蹴飛ばした。


 風牙は腹を押さえて泣いた。

 だがそれでも風牙が悪賂刺に対する尊敬の念は消えようとしなかった。


 「師範代…いくら何でも嫌われるためにやっているからってやりすぎでは?」


 「こうもしないと風牙は俺の元を離れない…俺は不器用な妖怪なんだよ…やりたくなかったがあれをするしかない」


 そして翌日、風牙追放まで残り三日この日に悪賂刺が発した言葉が風牙が悪賂刺に抱く恨みを生んだ。


 「なぜまだなおらない!お前は馬鹿なのか!」


 「何が何でもなおさない!これは母さんが誉めてくれた!」


 「…ああ、あんな奴のことまだ覚えていたのか」


 「あんな奴…」


 「やはり選ぶ女を間違えたか良い女を選んでいたらもっとましな息子がいただろうにな」


 「…あんたなんて大嫌いだ!その顔を俺の前に出すな!」


 風牙は道場から出て行った。


 「くっ…」


 悪賂刺は風牙が出て行ったあと泣き崩れた。


 「師範代…」


 「すまないな凪、俺とうとう嫌われたわ」


 風牙は悪賂刺と口を聞かないまま三日過ぎていった。


 「おい、風牙、国から出ていけ」


  風牙は少し黙り口を開いた。


 「良いぜ出ていってやるよ」


 「二度と帰ってくるな」

 

 風牙は近くの海岸に行って門下生が用意した小舟に乗った。


 「さっさと出ていけ」


 「言われなくてもそうするさ」

 

 風牙は小舟を出し沖に出て行きついに見えなくなった。

 風牙16歳の頃であった。


 「強くなれよ風牙、悪かったな」


 いったいなぜこのようなタイミングで悪賂刺は風牙を国外追放したのか?

 それは簡単な話だついに風牙が呪いを受ける番になったのだ。


 「おいおい、悪賂刺やってくれたな!」


 風牙を見送った悪賂刺と門下生の後ろにあの時に凪を診た医者と黄泉戦が立っていた。


 「何のことやらさっぱり」


 「ありがたく思え死刑執行だ」


 「おい、お前ら腹くくっているよな?」


 「当たり前です師範代!」


 「風牙坊ちゃんを守ることが俺達の役目ですから!」


 「…こんな親バカについてきてくれ感謝する…テメェらここでドデカい花咲かせるぞ!」


 「おおおぉぉぉぉ!!」


 悪賂刺達は黄泉戦に立ち向かった。

 悪賂刺と門下生合わせて十七人に対して黄泉戦は医者を合わせて五十人、力の差は歴然である。


 「我が愛しき妻、凪の仇とらせてもらったぞ!」


 悪賂刺は医者の首をはねた。

 そう悪賂刺達は戦いに勝ったのだ。

 

 「これからどうしますか師範代」


 「日の本の国に向かうぞ」


 悪賂刺達は日の本の国の方角に走ろうとした次の瞬間、悪賂刺の横にいた七人の門下生の体がバラバラにされた後ろからの魔法による攻撃である。


 「ん~やっぱりダメだったかぁ」

 

 悪賂刺はこの気配に見覚えがあったなんせ戦の作戦会議の際に必ず会う相手だからだ。


 「黄泉神…出てきやがったか」


 そこには全身不気味なオーラで覆われた大男が立っていた。


 「師範代どうしますかあいつ!」


 「お前らは下がってろ…あいつは俺が」


 大男は右腕を振ったすると今度は悪賂刺の前にいた三人を木っ端みじんにした。


 「貴様ぁー!」


 「良いねぇ!私はその顔が見たかったのだよ!」


 大男は次に左腕を振ったそして残りの門下生までも殺した。


 「はぁっ!!」


 悪賂刺が雄叫びを上げて斬りかかる。


 「生き物は散り際が一番美しい」


 大男は真っ直ぐ正拳突きをし悪賂刺の腹に風穴を開けた。

 拳は悪賂刺に一切当たってないのに。


 「…化け物が」


 悪賂刺はそう言うと地面に倒れていった。


 (成長したお前に会って謝りたかったよ風牙)


 悪賂刺は息を引き取った。


 「…君この鎌鼬に死霊術かけてくれない?」

 

 大男は自分の影に話しかけたするとそこからもう一人男が出てきた。

 彼は死霊術師(ネクロマンサー)で黄泉神幹部である。


 「わかりました…けど何故?」


 「親子で殺し合いをさせるためじゃないか」


 そして十年の月日をえて親子は戦場で悲しき対決をした。

 さて、ここらへんで終えるとしよう次は誰の過去を語ろうかな?

 それではまた次の過去語りで


 

 




またどこかで誰かの過去を語ります。

一様ほとんどの登場人物には過去設定があります。

 それではまた次回の話で! 

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