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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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二十九話  悲しき親子

夜真砥VS悪賂刺一話で完結!

だが最後に悲しきことが起こります!

涙腺崩壊に注意してください。  

 日の本の国から約20キロの北西の森にある廃屋で黄泉神幹部の悪賂刺と夜真砥は戦っていた。


 「ほらどうした!キレがないぞゴミ王子!」


 「外道にゴミ呼ばわりはされたくないな!」


 でも外道だがかなりの鎌の使い手だ。

 俺が斬りかかる時に見事に凪払われているこれじゃあこいつにダメージが与えられないさすが黄泉神の幹部だな。

 それと風牙と剣術が全く違う風牙の剣術はやはり我流かこれじゃあジリ貧だなぁ…いったん距離をとるか。


 「大地の壁(ガイアウォール)!」


 それにしても何か臭いな。

 うん?…ひび割れ?


 「兄貴!刀構えて!」


 悪賂刺は刀で大地の壁(ガイアウォール)を斬った。


 「切れ味すご!」


 厚さ三十センチだぞ!

 何で斬れるんだよ! 


 「甘いわ!」


 「次は辛口にするからさっさとくたばれ!」


 あの刀アダマンタイト使ってないなかなり熟練の鍛冶師がいるのか。

 ああ、めんどくさい…おっと危ねぇ!


 「真空斬(しんくうざん)!」


 悪賂刺は天井に真空斬(しんくうざん)を放った。


 「どこに撃ってんだ?」


 「ここがどこだか忘れたか?」


 ああ~なるほどねぇ。


 「月夜~風牙守って外に出ろ~…崩れるぞ~」


 夜真砥は天月夜剣で戦っていない普通の刀二本で戦っている。

  

 「マスターもそんな悠長にしとらず逃げてください!」


 「俺逃げたらお前ら斬られるだろ」

  

 「よき考えだ!」


 月夜は風牙を連れて廃屋の外に出たそして脱出した次の瞬間廃屋は崩れた。

  

 「つぶれたか!…待っとれ風牙すぐに殺してやるぞ」


 悪賂刺は風牙を殺すために風牙向かって鎌を投げた。

 だが鎌は何者かの攻撃により跳ね返され悪賂刺の手元に戻った。

 

 「おいおい俺はまだ生きてるぞ」


 「だろうな」


 右に跳ね返したつもりだが手元に戻るような仕掛けをしていたか…ありゃ厄介だな。


 「ジョブチェンジ銃士(じゅうし)


 夜真砥は収納箱(ボックス)に刀をしまってL字に曲がった武器を二個取り出した。

 銃士(じゅうし)とは銃という飛び道具で戦う遠距離戦を得意としている職種で銃から魔法も撃てる。

 なお、近距離戦はむちゃくちゃ弱いだが夜真砥はそれさえも克服している。


 「なんだそれは」

 

 「銃という名前のかっちょい~武器」

 

 夜真砥は引き金を引くと筒の穴から弾が発射された。


 「ぬっ!何だ今のスピードは!」


 「うっそう…あれ避けるの?」


 不意打ちで初めて避けられたなぁさすが鎌鼬動きが速い速い。


 「なるほど弾を魔力で発射する武器かぁ…面白い!」


 「なお日の本の国にも輸入されております!」


 「二個買った!」


 「敵に売るかバーカ!それと数え方は丁だ」


 「そうかなら奪うか」


 夜真砥と悪賂刺はしばらく銃について話し合いをし始めた。


 「あんたのクソ親父武器コレクターなの?」 


 「部屋に行くと壁にいろんな武器がかけてあった…それより今は戦闘中だぞ!」


 夜真砥と悪賂刺は戦闘中だと気づき武器を構えた。


 「銃、なんとロマンがあふれる武器なんだ!」


 「外の世界では二丁拳銃は男のロマンと言っている!」


 「かぁーっ!やってみてぇ!」


 「さっさと再開しやんか武器バカども!」


 月夜がいらだち叫んだ。


 おお怖い怖いさっさと再開しよっとだが武器コレクターなら銃を知ってると思うんだがな。

 まあ、さすがに連続では避けきれないよな!


 夜真砥は連続で引き金を引いた。


 「なるほど風ね!」


 弾丸は空中で止められた。

 悪賂刺が風をまとい始めたからだ。


 「飛び道具など鎌鼬相手には論外だ!」


 「スピード上げれば問題無いだろ!」


 夜真砥は銃にスピード強化を付与して引き金を引いただが。


 「ありゃ?…弾切れだ」


 「…死ねぇ!」


 悪賂刺は夜真砥に斬りかかった。

 夜真砥は軽々しく避ける。


 「遠距離から攻撃できるのはいいけどやっぱ使いずれー!」


 改良が必要だな。

 てか、使い始めたばかりだし。


 夜真砥は必死に悪賂刺の攻撃を避ける。


 「おらおら!逃げでばっかじゃ死ぬぞおい!」


 「風牙、自分の身ぐらい自分で守れるよな!」


 「もちろんです!」


 「ならよし!ジョブチェンジ魔剣士(まけんし)!こい月夜第二形態黒弔!風牙好きなタイミングで参加しろよ!」

  

 夜真砥の頭上に六本の剣が現れた。


 「わかりました!」


「精霊剣かまた面白い武器がきたな!」


 悪賂刺は刀に持ち替え斬りかかってきた。 


 「マスター早速ですが」


 夜真砥は目の前に火柱を出して悪賂刺を退かせた。


 「なんだ怖じ気ついたか?」


 「いえ…黒弔も飛び道具ですけど」


 「…だな」

 

 黒弔は風で後ろに飛ばされた。


 「アホー!さっさと第一形態に戻せ馬鹿マスター!」


 夜真砥は月夜を受け取るために銃をしまった。


 「悪い!第一形態天月夜剣!」


 飛ばされた月夜は第一形態天月夜剣となり夜真砥の手元に戻った。


 「くたばれ!」


 「断る!」


 それぞれの剣がぶつかり合い火花が散ったそして押し合い状態になった。 


 「ガキのくせに力あるじゃないか!」


 「ガキの頃から筋トレしてたもんでね!」


 夜真砥は刀身に力を込め悪賂刺を弾き飛ばした。


 「今んとこ両者ダメージゼロかな?」

 

 「そうですねバカな話し合いしてましたからね」


 「ロマンあふれる話だ」


 「頭打って死ねばいいのに」


 「なんかお前機嫌悪いな」

 

 「マスターが単にふざけているだけです」


 それもそうだそれにさっさと戦いを終わらせて国に戻らなきゃいけないからな。

 ティナのことが心配だしあいつ戦闘してなきゃいいんだけど。


 「それはそうと風のバリアどう攻略しますか?」


 「…考えがある…戻れ月夜」


 「時間稼ぎしますか?」


 「離れてろ」


 夜真砥は再び銃を取り出した。


 「だから飛び道具は無駄だって言っとるだろ!」

  

 悪賂刺が再び夜真砥に襲いかかる。


 「スキル、クロノスタシス発動!」


 十秒あれば十分だ…あそことあそこそれにそこの四カ所あともう少し情報が欲しいが距離的に無理だな。

 夜真砥は銃弾を乱れ撃ちした。


 「どこ狙ってんだよ!」


 「いや狙い通りだ!跳ね返れ跳弾(ちょうだん)!」


 弾丸は岩や瓦礫にぶつかり跳ね返って四方八方から悪賂刺に襲いかかった。

 

 「なに!だが風の威力を高めれば問題ない!」 


 悪賂刺は弾丸を防ぐため風の威力を上げた。

 だが夜真砥はまるでそれも狙っていたのかのようにニヤリと笑った。


 「残念だがそれは普通の弾じゃないんだぜ!」


 弾丸は風に巻き込まれると燃えた。


 「全て火炎弾だ…いわゆる燃える弾」


 火炎弾によって生み出された炎が悪賂刺がまとってる風にのり炎の竜巻を残した。

 

 「ああぁぁぁぁ!!」 


 悪賂刺は苦しみもがく。


 「倒し方エグいっすね」


 「これぐらいしか思いつかなかった」


「終わったことだし戻りましょ」

 

 三人はこれで一件落着かと思っていたが火だるまになり黒こげとなった悪賂刺が動き始めた。


 「おいおい、あれで生きてるとか…ないよな」


 夜真砥はすぐに異変に気づいた。


 「月夜、あいつから生命エネルギー感じるか?」


 「そんなの生きてるし感じる…生命エネルギーが無い?」


 「どういうことですか兄貴」


 「いつからか知らないが悪賂刺はすでに死んでいる…死霊術の類だ」


 死霊術は死人を蘇らせることができるしかし、もうすでに死んでいるため生命エネルギーがない。

 なお近くに死霊術師(ネクロマンサー)がいなければ今死んだ奴を蘇らせることはできない。


 「たち悪いの出てきたな…光属性付与(エンチャントホーリー)


 夜真砥は刀に光属性を付与した。

 死霊術で蘇った者は光属性魔法などで倒すことができる。


 「ちゃんと付与できてる?」 


 「なんとかな」


 血筋関係で昔っから光属性魔法は少し苦手なんだよなぁ…さっさと終わらせるか。


 「天津風流魔術改良型疾風(はやて)!」


 一様通り際に十回斬ってやったぞ…これでまだ動くならたいしたものだ。

  

 「…まだ動くのか…天津風流魔術改良型疾風(はやて)!」


夜真砥は再び疾風(はやて)を使い元の位置に戻ってきた。


 「冗談だろ?!」


 悪賂刺はまだ動いていた。


 「マスターの付与があまいのでは?」


 「なら触るか?」


 「…付与されてるわね」


 だとしたらあれしかないな。


 「風牙…風牙」


 悪賂刺は風牙の名前を呼びながら近づいてきた。


「風牙お前が追放された理由もう一度言え」


 「俺の剣術と魔法がムカつくそれだけです」


 「普通それだけで追放するか?仮に嫌だったとしても家を継ぐ子供だぞ追放される前に何かあったか?」


 「母が不審な死をとげました」


 …やはりあれしか考えられない。

 だとしたらあいつは外道じゃない最高の父親だ。


 「風牙弔ってやれ…お前の父さんお前と戦ってみたいんだよ」


 「それってどういうことだ?」

 

 「理由は分からないがおそらくお前を何かから守るために追放したんだと思う…そして悪賂刺はその後、始末された…そして今成長した息子と戦いたいという気持ちがある」

 

 「はぁ?何でそんなこと言えんだよ」


 「死霊術で蘇った死体に光属性魔法が効かないのならそいつは何らかしらの思いによって突き動かされているだから光属性魔法は効かない…だからお前しか弔えれないんだ」、


 「風牙…風牙…大きく…なっ…たな」


 「少なくとも優しかった時期はあるんだろ?」


 風牙は少しだけ記憶の底にある悪賂刺との思い出をあさった。

確かに自分の剣術、魔法を誉めてくれて笑顔を絶やさなかった それだけしか思い出せなかった。


 「何でだよ…お前は俺を嫌ってたのじゃないのかよ」


 風牙は刀を引き抜いた。


 「時間が…ない…刀…取れ…お前の…成長…父さんに…見せてくれ」


 「早くしないと心のない生きる屍になるぞ」

 

 「勝負だ…クソ親父」


 風牙は父に侮辱され続けられていた剣術の構えを取った。

 それを見ると悪賂刺は笑い剣を構えた。


 「月影の…王子…感謝…す…る」


 「心の束縛か?それと気づいてやれなくて悪かったな」


 悪賂刺はコクリとうなずいたそして首を横に振った。

 死霊術には蘇らせた死体の気持ちを束縛する術があるそれをすることによって死体の勝手な行動を止めさせることができる。

 だが悪賂刺にかけられた死霊術は解けそうになっている少ししたら元に戻るが今の悪賂刺の感情は戻ることはない一時的に心の束縛が解けているだけだ。 


 「あの親子悲しいわね」


 刀を抜き取った親子はしばらく対峙した。


 「息子を守るために嫌われ役を買って出て愛故に息子を追放した父だがそれを知らずに父を嫌い倒すためだけに生きてきた息子…たが今は違う死んだが蘇り追放した息子の成長をみたい父そしてその父を弔うために刀を抜く息子…妖怪の神様がいるならこんなこと二度としないでくれ」


 「いくぞ…我流剣技嵐斬り(らんぎり)…あんたがほめてくれた剣技の改良版だ」


 この剣技は刀に風をまとわせ刀を振るう瞬間そのまとった風を追い風にして振るう速度を速めものスゴい勢いで相手を斬り裂く剣技である風を操ることにより目にも留まらぬ動きで斬りつけ嵐のように見えるため嵐斬り(らんぎり)と名付けられている。

 なら向かい風を起こした場合どうなるのか?

 相手の武器とぶつかる瞬間に向かい風を起こし刀を後ろに引き相手の攻撃をかわすそして次にまとってる風を追い風にして相手に斬りつけることもできるこれは攻防一体の剣技である。

 

 「うおぉぉぉ!!」


 刀と刀が連続でぶつかり合い火花が散る。


 「いい…太刀筋だ…風牙」


 風牙は攻撃を入れながら涙を流した。


 「ありがとよ親父愛してくれて」


 風牙は力を振り絞り刀を振るった悪賂刺の刀は弾き飛ばされ風牙の攻撃が悪賂刺の肌をかすった。

 息子の成長を見れた悪賂刺は笑みを浮かべ地面に倒れる。


 「親父!」


 倒れた悪賂刺に風牙が近づく。


 「本当に強くなったな」


 「死ぬな死ぬなよ!俺はまだあんたに聞きたいことが沢山」


 「…そうだな俺もお前に聞きたいことが沢山あるだけどもう無理だ」


 「勝手すぎんだろ」


 「…月影の王子…息子を頼んだ」


 俺は少し黙って口を開いた。


 「突撃するときに言ったとおり俺は風牙の兄貴だ。弟分を守れないなら兄貴とは語らんよ」


 それを聞いてほっとしたのか悪賂刺は再び笑みを浮かべた。


 「風牙この刀を受け取れ父さんからの形見だ」


 「ああ」


 風牙は刀を受け取りまた涙を流した。


 「マスター」

 

 「何だ?」

 

 「この世界は理不尽なことばかりですね」

  

 「お天道様が決めたことだからな」


 「そんな神様死ねばいいのに」


 「ほんといたら慈悲深い神様に変わってほしいぜ」


 天使もいるんだし神様もいるだろう。

 てか、月夜よ。

 お前、元は神様の剣だろ。


 「そろそろ時間らしい…最後にお前に会えて良かった強くなれよ」


 「これからも見守っていてくれ」


 「子供じゃあるまい」


 「俺はずっとあんたの子供だ…一度たりともあんたの大人になったつもりはない」


 「それもそうだな…愛してる産まれてきてくれてありがとう」

 

 そう言い終わると悪賂刺は永遠の眠りについた。

 苦しまずただ笑みを浮かべて。


 「…兄貴、日の本の国の墓場に埋めていいですか」


「ああ…黄泉の国にある母親の遺骨と一緒にな」


 三人は遺体を馬車の荷台に乗せて日の本の国に戻っていった。

  

 


 

 次回は皆さん忘れてませんか?

 終夜VS餓車野六助です!

 この調子でどんどん戦闘シーン出てきます!

 それではまた次の話で!

 同時更新した過去語りもぜひ読んでくださいm(_ _)m

 

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