二十七話 敵本陣に突撃します!
敵本陣に突撃します!
そして夜真砥無双します!
まあ戦争状態なんでバトルしまくりです!
夜真砥隊は敵本陣を壊滅させるため現在戦闘中の真横の森を猛スピードで走っていた。
「疲れたか?」
「まだ大丈夫です!」
紅葉、風牙は枝の上を雫と夜真砥が前方を月夜とティナが後方を走ってている。
「マズい!紅葉、流れ弾来るぞ!」
「対処します!」
紅葉は枝から飛び降り飛んできた数発の流れ弾を真っ二つにした。
あんなに速い弾を真っ二つにできるんだぁ…。
「兄貴、敵の別働隊発見しました!」
風牙が数メートル先の敵の別働隊を発見した。
「規模は!」
「二十人です!」
「雫、斬り捨てるぞ!」
夜真砥は月夜を剣に戻した。
「了解」
雫と夜真砥はスピードを上げ敵の別働隊に突撃した。
「なんだお前ら!」
「今から死ぬ奴に名乗る必要はない!」
夜真砥は一気に十人を斬りつけ雫は確実に五人を倒し残った兵を風牙が上から斬った。
「何なのこの人たち」
ティナは後ろで唖然としている。
「マスターさっさと拭き取って」
「はいはい」
夜真砥は水属性魔法で天月夜剣に付いた血を流した。
精霊剣なのでさびない。
「さっぱりした」
変な言い方だな。
「今斬ったの魔族ですか?」
「魔族だ。敵の構成は全て魔族、他の種族がいたら救出対処だ」
黄泉の国には魔族つまり妖怪しかいない。
日の本の国がある島にいる種族の半分が魔族だ。
島というより小さな大陸ほどの面積をもっている。
「魔族にみえませんでしたけど?」
「魔族にもいろいろとあるからな。それより大丈夫か?」
「疲れました!」
「正直でよろしい!」
夜真砥はティナを抱きかかえ召喚石から出した闇炎馬に乗せた。
「手綱をちゃんと握っとれよ!」
「わかりました!」
てか、この人たち馬と同じ速さで走ってる!
「月夜、魔力を感じるか?」
「あと数キロほど先です!」
月夜は精霊のため魔力を感じやすい。
魔力を感じにくい精霊もいるらしい。
「止まれ!」
夜真砥が全員を止めた。
「急いでるのになんなのあれ!」
「敵の進行遅い」
目の前には黄泉戦がまだ進軍している最中の道があった。
「過ぎるまで待つぞ…親父黄泉戦の援軍がそっちに向かってる」
夜真砥は伝達で夜叉に援軍が向かっていることを伝えた。
そして約三時間後黄泉戦の援軍は道を通り過ぎていった。
「時間くったスピード上げるぞ!」
それにしても何か違和感があったな。
夜真砥はさらにスピードを上げた。
魔力で速さを強化してあるので馬のような速さで走ることができる。
「敵本陣まであと約八百メートルです!」
月夜は夜真砥に敵本陣までの距離をしらせた。
「止まれ!」
夜真砥は再び全員を止めた。
「ここで日が沈むまで待つ」
「でた月影家の十八番夜戦」
「夜戦に特化した一族だからな」
月影家は夜戦を得意としている。
闇魔法を使ったりするので夜戦と相性がいいのだ。
そのため古くから服の色がほとんど黒に近い色である。
「日没までなん時間あるんですか?」
「ざっと…五時間あたり」
長すぎ!
「ほらこれ食べとけ」
夜真砥は収納箱からおにぎりを出してティナに渡した。
「ありがとうございます…すっぱ!」
「梅干し入りだそれとあんまり大きな声出すなよ」
敵本陣から約800メートルも離れているとはいえ声を出したらさすがにバレてしまう。
夜真砥たちが五時間待つまで戦場の方を見てみましょう。
「夜真砥が連絡したとおり援軍が来たな…火焔ここは任せたぞ!」
夜叉は黒い馬にまたがった。
「夜叉まさか敵軍に突撃するのか!」
「その通りだ!行くぞ黒帝!」
黒帝とは夜叉の愛馬の名前である。
そして夜叉は敵軍に突撃しにいった。
「どうせなら俺も連れてけ…そこ守りが薄いぞ!」
夜叉は黒帝をどんどん進ませ敵軍の中央に着いた。
「大将首だ!打ち取れ!」
黄泉戦が夜叉に斬りかかる。
「勇ましくてよろしい!月影流忍術安息の闇!」
夜叉の周りに黒いもやがかかったそしてそれは夜叉に斬りかかろうとしていた魔族を全て包み込んだ。
黒いもやが晴れ夜叉だけが生きて姿を現した。
包み込まれた魔族はバラバラになっていた。
「どうなってんだ!?」
「気になるのなら確かめるがいい!さあ!かかってこい侵略者!」
そして夜叉が先ほどまでいた陣
「火焔様!これ以上は抑えられません!」
黄泉戦の一部が壁を登り始めた。
「情けない!退きたまえ」
火焔は右腕を高く上げ振り下ろし地面を殴った。
「不知火流忍術火岸…燃え尽きろクズども」
壁の下の大地が燃えて壁に近かった魔族が全て燃えつきた。
「ついでに…不知火流忍術火槍!」
火焔の頭上に炎属性の魔法陣が出現してそこから燃えている槍が現れ数メートル先の黄泉戦に当たり周りを燃やした。
「しばらく安全だろ」
そしてこちらは別の壁
「ハッハッハ!俺の出番はないのか!」
この壁は風竜が守っている。
「風竜様!砲撃がきます!」
黄泉戦が丘の上で風竜がいる壁に向かって大砲の弾を打った。
「跳ね返してやろう!天津風流魔術風壁」
風竜は魔力を込めた護符を投げたすると強い追い風が吹いた。
浄化もされているため魔族に少しダメージをあたえることができる一様、結界だ。
「我々を守りたまえ急急如律令ってか!」
砲弾は跳ね返され丘の上にいた魔族に命中した。
「破れるものなら破ってみろ!ハッハッハ!」
魔法消滅が風壁に命中した。
「ありゃ?」
遅れて砲弾も飛んできた。
「ちょっと!風竜様!」
「バカかお前は!」
風竜の後ろから紫電が飛び出してきた。
「出でよ!雷獅子!」
紫電は召喚石を二つ叩き割ったすると雷をまとう全長8メートルもある獅子が出現した。
この獅子は雷音寺家の当主に仕える召喚獣である。
出現した召喚獣は砲弾を全て雷で撃ち落とした。
「ハッハッハ!助かったぞ紫電!」
「笑っとらんとさっさと結界を張れ!」
そして夜叉の近くの戦場では氷兵衛が黄泉戦に囲まれていた。
「相変わらずどいつもこいつも醜いものばかりですな…凍りつきなさい叢雲流剣術氷華!」
氷兵衛は剣を鞘から抜き取りそして素早く収めた。
周りにいた黄泉戦は全て時間が止められたかのように凍りづけになった周りに咲いていた草や花も凍りついている名前の由来はここからきている。
「…やはり凍りついても醜いですね」
そろそろ夜真砥隊に戻します。
「残り一時間です」
突撃まで残り一時間となっていた。
「ギリギリまで近づくゆっくり歩け」
夜真砥隊は敵本陣の近くの崖の上にある茂みにやってきた。
敵本陣は周りが崖に囲まれた少しくぼんだ地形に陣を張っている。
崖といっても5メートルほどの高さしかない。
「人数はざっと…八十人ほどか」
本陣にしては少ないな。
「腹立つわね…あの真ん中で椅子に座ってる奴、絶対に大将だわ」
紅葉は中央の椅子に座ってる魔族を見ながら愚痴をもらした。
「黄泉の国の貴族です」
「そうなのか?」
「はい、そうです。ロクデナシのクズです」
なるほどなんかさっきの違和感の正体がわかった気がする。
「あの~さっきから私の方見てる妖怪がいるんですけど」
「お前だけバレてるからな」
「…え!?バレてるの!?」
さて、どうしようかな…そうだ!
「これ利用するぞ」
夜真砥はティナを指した。
「夜真砥あんた鬼?」
「でも成功率高い」
「兄貴…酷すぎます」
まあいろいろ言われたがやるとしますか!
「あとでソフトクリーム買ってやるから恨むなよ」
ソフトクリーム買ってやる?
まだこの国に来てから買ってくれてませんよ!
てか恨むなよってなに!
夜真砥はティナの背中を押して崖の下に落とした。
あっ…私死んだ。
「敵襲か!」
「何だ妖怪?」
だがティナが落とされた瞬間猛スピードで何かがティナそして黄泉戦の頭上を通過した。
そして大将の近くにいた妖怪が異変に気づいた。
赤い雨が上から降ってきたのだ。
「大将首もらい!」
夜真砥が地面を蹴り黄泉戦の頭上を通り過ぎると同時に大将の首をはねたのだ。
夜真砥の左手に大将首を持っている。
「…うわぁぁぁぁ!」
「敵襲だあぁぁぁ!!」
黄泉戦は取り乱し四方八方に散る。
だが周りを氷の壁で覆われた。
雫が作った氷だ。
夜真砥の突撃と同時に雫は敵陣中央に降りたち敵陣の周りに氷の壁を作ったのだ。
「寒獄…逃がすわけにはいかない」
「夜真砥、雫撤退して!」
紅葉が夜真砥と雫に撤退命令をだした。
夜真砥はティナを抱きかかえ二人は元いた場所に戻った。
「火岸!風牙やっちゃって!」
敵陣が炎に包まれる。
「竜巻!」
さらに風牙が竜巻を起こした。
「「合技業火の嵐!」」
敵陣は炎の竜巻に包まれ地獄絵図のようになった。
彼らが今まで行ってきた罪を裁くかのように。
炎の竜巻は数十分で消えた。
「これどうする?」
「持ってこないで!」
紅葉は大将首を燃やした。
「殺す気ですか!死ぬかと思いました!」
「ソフトクリーム買ってやるから」
「買ってやるからじゃない!買え!」
無茶苦茶、荒ぶってるな。
敬語じゃないし。
「さっさと日の本の国に戻るぞ」
「マスターゆっくり帰りましょうよ~何もしてないけど疲れました~」
朝に叩き起こしたせいかな?
「無理だ…敵の本隊が日の本の国に進軍している」
夜真砥はとんでもないことを言い出した。
今つぶしたのは敵の本陣のはずだ。
だから敵の本隊が他にあるはずがない。
「夜真砥それどういうこと」
「裏の裏をいかれた…敵には優秀な参謀がいるようだ」
夜真砥隊は急いで来た道を戻った。
そして同時刻日の本の国の壁の上では、
「終夜様!北西に黄泉戦の大軍が出現しました!」
日の本の国北西に黄泉戦の大軍総勢約十万の兵が出現した。
「…全軍に通達!北西に黄泉戦の大軍が出現した戦える者は俺についてこい!」
終夜は軍を率いて北西の壁に移動した。
「仏の顔も三度まで…お前らに現世でも地獄はあるってこと教えてやる」
現在夜の八時
黄泉戦約十万の軍勢が日の本の国北西に出現
戦場は刻一刻と最悪な方向に移り変わろうとしてた
次回、夜真砥の兄終夜が黄泉戦軍勢約十万の一部を率いてる大将と戦います!
そして緊急事態発生します!
そして夜真砥また無双します!
それではまた次回の話で!