二十三話 元許嫁は鬼っ娘
今回の話は夜真砥の元許嫁が出てきたり、夜真砥のすごい秘密がバレたりします!
「お久~」
「お久~じゃないわ!どうすんんじゃあれ!」
朧は俺たちの後ろを指差した。
「瓦がほとんどはがれておるぞ!」
おっとこれはやりすぎたな。
「夜真砥、いつも通りあれで直してよ」
こんなハリケーンが通ったような後夜真砥でも直せないでしょ。
「へいへいわかりやした」
えっ?!直せるの?
「災厄により崩れし者共よその姿再び我の前に現せ時間巻き戻し!」
夜真砥が両手に現れた魔法陣を合わせると一瞬にして崩れていた屋根が元に戻った。
「うっそーん」
「時間巻き戻し、災害復興魔法でありみての通りの効果だ。なお古代魔法だからほとんど使える奴はいない」
「しっ仕組みが知りたいんですけど…」
「古代魔法に仕組みとか関係ないぜ」
古代魔法って何でもありなのかなぁ?
腕も再生させているし。
「朧ちゃん庭借りるよ」
「好きにせい」
「ほどほどにしろよ」
「夜真砥、あんた来ないの?」
「みての通り古代魔法使って魔力がほとんど無いです」
うわっ!夜真砥からそんな言葉がでるんだ!
「あっそ」
四人はバトルするために朧の家の庭にいった。
「ティナ、紹介するこいつが俺の元許嫁の鬼神朧種族は魔人、俺が魔族慣れしているのはこいつのおかげだ」
「魔人って何ですか?」
「お前そんなことも知らねえのか!」
「知りませんよ!箱入り娘だったんで!」
「魔人というのはな魔族と人間のハーフの種族のことをそう呼ぶんだよ!」
「えーっ!この人半分魔族何ですか!」
「ああそうだよ!」
鬼神家、初代からずっと月影家と背中合わせで戦ってきた盟友。
驚くことに初代は人間ではなく鬼ということだ。
五代目あたりで一人の人間に恋をしてそして結婚そんで魔族と人間のハーフが産まれたってこと。
実力はこの国のナンバーツー人間離れした(まあ人間じゃないんだけど)スピードや攻撃力で戦闘するので敬意を表し戦場の覇王と呼んでいる。
鬼神家は日の本の国の昔からの敵である魔族共の裏切り者だ初代が魔族共のやり方が気にくわなかったらしく月影家とともに戦った光属性魔法が得意なのでそういうとこが正義感につながったのかもしれない。
そして今は六十九代目まで繁栄したなお、月影家も親父で六十九代目である。
「言い争いなんてしとらんと早よう中に入らんか」
「そうだな…お邪魔します」
「さっきから思ってたんですけど豪邸ですね」
そして家の敷地が月影城の次に広い。
「まあゆっくりしてけ」
朧に案内されて夜真砥達は朧の部屋にやってきた。
「なんか広くないですか」
朧の部屋は広いそして物が少しか無いので無駄に広く感じる。
「それは妾も同感じゃ」
さっきから気になっていたのかティナが俺に朧について聞いてきた。
「朧さんって何歳ですか?髪が白いし喋り方お年寄りぽいし…もしかして私みたいに100歳こえているんですか?」
「朧は17歳だ。喋り方は元からこういう奴だ。髪も元から」
「えっ!17歳!?」
私は驚いて声を上げたなんせ魔族と人間のハーフって聞いたからてっきり100歳をこえていると思ったから。
「そんなに驚かれては困るのう」
「魔族っていっても正式には鬼族、中身は人間とほぼ同じだ。変わっているところは馬鹿みたいな怪力と魔力ぐらいなのでハーフといっても見た目は変わらんそれと角がある」
角?そんなのどこにあるの?
「ほれこれじゃよ」
朧は自分の頭をさすり二本の角をだした。
「本当だ!」
「天井に引っかかると困るから普段は消してあるんじゃよ」
お前の身長で天井に引っかかるとか絶大ないだろ。
「私の翼みたいに?」
ティナは背中から翼を出した。
旅の途中で翼を自在に出せるようになったのでもう能力封じはかけていない。
「お前と朧とでは違う。魔族は普段から翼を隠せるが鬼族は角を常に出したままの者もおる。朧もその一人だ」
鬼族には角をしまえたりしまえない者がいる。
実際にしまえる奴を見たことがあるがかなり痛そうだった。
でも実際は痛くないらしい感覚でいうと蚊に刺された感じらしい。
蚊というのは日の本の国にいる虫で血を吸ってくるだけだがかなりウザいなんせその部分がかゆくなる今の時期はいない。
他の大陸で見たことあるが『刺されたら死ぬぞ』と現地の人に言われたので驚いた記憶がある。
「でもどうやって消しているんですか?」
「夜真砥が透明化という魔法を改良して角を隠せる上に存在しないようにすることが出来るようにしてくれたんじゃよ」
なんとなく予想してたけどやっぱり夜真砥の仕業か。
「名付けて蜃気楼姿を消す魔法」
「存在じたいはあるんですよね?」
「存在じたいはあるだが消えている。そこんとこがようわからんから蜃気楼と名付けている」
本当にそこんとこがようわからんいろんなことを試した結果こんな魔法ができた。
たまに自分が怖くなる。
「うん?始まったようじゃな」
庭の方で爆発が聞こえてきた。
魔力反応からして二対二をしているようだな。
閃と言葉ペア雫と紅葉ペアらしい。
家壊すなよ。
「ティナ、俺と勝負するか?」
「えっえっ!なっ何で!」
何でそんなことするんですか!
私に何か恨みでもあるんですか!
「月夜を貸してやるそれに俺今魔力ほとんど無いぞ」
「それでも嫌です!」
「ソフトクリーム買ってやる」
「やります!」
単純な奴だな。
「それでお主何をしに来たのじゃ?まさか勝負するために来たのか?」
「いや今の日の本の国の状況を聞きに来た」
鬼神家は日の本の国の状況をよく知っている家だ。
「なるほど理由はなんじゃ?」
「港に活気がないそして日の本の国の海域にストームサーペントの出現が異常すぎる」
「発端は約四ヶ月前」
四ヶ月も前からか。
「奴らが宣戦布告をしてきた。それにより一部の兵が負傷三十二名死亡した。奴らは昔から変わらんな」
「攻撃されたのはどこだ?」
「北北東の陣じゃ」
日の本の国は常に戦争状態なため壁の外に陣が無数に置いてある。
「その後どうなった?」
「終夜が全部蹴散らしていったまあ一部は逃げたがのう」
さすが兄上だな。
「で、お主どうするんじゃ?」
「ふん、俺の国に手を出した罪、冥土で償ってもらう」
「良かろう!兵の用意をしておく!」
え!?何の話しているの?
「そんじゃティナ勝負するぞ!」
「はい!…ところで剣に成った月夜さんはどこに?」
「さっきかは朧の頭の上に乗っているぞ」
そう夜真砥に言われ私は朧さんの頭の上を見たすると本当に月夜さんが乗っていた何でさっきまで気づかなかったんだろう。
いや待ってください…
「何でそんなとこにいるんですか!」
「いつものことよ。朧はねMなの」
「えっM?」
「つまり月夜と相性抜群」
「いやいや!そこ相性抜群ダメでしょ!」
「朧は昔っからこうだからな!まあMではない時もあるけど」
朧がMではない時それは戦闘中、会議中などのちゃんとしなければならないときはMではない。
何というか虐げられたいらしい。
マジで変わってる。
「ほら月夜もっとちゃんと踏まんか!」
うわーっイメージがガラッと変わったんですけど…
「はいはい」
「良いぞ良いぞその調子じゃ!」
「そろそろ止めろ」
「承知しましたマスター」
月夜は朧から降りた。
「さっきから気になっていたんですけど『昔から』とか『俺の国に』とか言ってますけど夜真砥と朧さんって昔と言うほど年取ってませんよね?それに夜真砥国王じゃないでしょ?」
しまった!朧と月夜と俺だけの秘密がバレた!
無駄に勘が良いな。
「話して良いか?」
「どうせ後々、知ることとなるじゃろう。話してやれ」
何か知っちゃダメなことだった?
「朧と俺、実年齢何歳だと思う?」
「そんなの夜真砥が20歳で朧さんが17歳でしょ!今更何言ってんですか」
「残念正解は…俺死んだ時、何歳だった?」
はい?
死んだ時????
「確か、マスターはあの時28でM鬼は29でした」
この人達何言ってんの??
「つまり妾は46で夜真砥が48じゃ」
だから何言ってんの??
「俺達はいわゆる転生者だ」
「転生者って何ですか?さっきから頭の中ハテナで埋め尽くされているんですけど?」
「転生者っていうのは生まれ変わりをした者のことだ。俺と朧は初代月影家と鬼神家の子供の転生者だ」
「何となくわかりましたが…そんなこと実際にあるんですか?」
「実際に禁止されているが輪廻転生っていう魔法がある。俺達は死ぬ際に魔法陣がいろいろと交わった結果たまたま転生する事ができた」
俺達は最も古い時代にあった大戦でともに戦い勝利た。
だがその時に倒した敵の親玉と相打ちとなり死んだ。
「えっと…昔の名前とか覚えているんですか?」
「ええ、転生者は記憶だけ引き継ぐことができる。妾の昔の名前は鬼神百姫」
「俺の昔の名前は月影夜暁…二代英雄と呼ばれ今もなお語り継がれている」
すごい!
夜真砥って夜真砥じゃなかった時も強かったんだ!
夜真砥じゃなかった時も?何か変だな。
てか私まだあんまし理解してないんだけど。
「それみんなに話しているんですか!」
「言ってない言ってない。言ってもアホかって言われるだけだ。だから誰にも言うなよ」
「はい!もちろんです!」
やった!また夜真砥のこと一つ知れた!
「よし、じゃあ外に出るぞ」
「えっと…やっぱり勝負するんですか?」
「当たり前だろ」
「はぁ~」
ため息つくな!
四人は紅葉達が勝負している庭に出た。
鬼神家の庭は闘技場みたいになっていて年に一回そこで兵がどれだけ強くなったかアピールするための戦いをする。
もちろん、王族、四天王、裏方、盟友も参加する。
なので耐久性が高い遠慮なく大暴れできる。
「まだやってやがる」
「本当ですね」
中央で紅葉達がまだ戦っていた。
「不知火流忍術朱雀!」
紅葉が雫に朱雀を放った。
「叢雲流剣技登龍門!」
だが雫は刀を抜いて竜の形をした水の塊、登龍門で朱雀を切り裂いた。
一方言葉と閃は、
「天津風流魔術神風!」
神風、強力な風で相手を切り裂いたり吹き飛ばす魔法。
「雷音寺流魔術爆雷!」
爆雷、爆発と雷を起こす魔法で攻撃もできるし防御もできる。
それぞれの魔法がぶつかり相殺された。
「その辺で止めたらどうだ?」
長くなりそうだったのできりのいいところで止めさせた。
「そうね終わりましょうか」
四人は中央に集まり一礼をした。
「ねえ夜真砥!言葉と勝負しよ!」
「今からティナと勝負するまた今度な」
「え~っ…じゃあ頑張れ!」
「さてティナさっさと準備しろ。控え室にある木刀でやれよ」
やっぱりやるんだ。
あのまま言葉さんの勝負受ければよかったのに。
「月夜、遠慮なくかかってこい!」
「ええ、もちろんズタズタにしてさしあげますわ。いろんな恨みを込めて」
「ズタズタって怖いな」
「でも手加減するとマスター怒るでしょ?」
「そうだな…じゃあ準備してくる!」
数分後、夜真砥とティナ月夜ペアはフィールドに現れた。
「それでは試合を開始する。礼!」
夜真砥は初代月影の息子の転生者でした!
そりゃあ強いはずですよね!
まあ今回の章はコレがキーになってきます!
それではまた次回の話で!