二十二話 四天王の娘とお見合い・・・いやいや!俺会ったことあるしお見合いじゃなくね?再開じゃね?てか俺まだ結婚しないし!
初っぱなから夜真砥さんむちゃくちゃ戸惑っていますね。
というわけで今回の話は夜真砥のお見合い!
四天王の娘登場します!
「それでは夜真砥のお見合いを始める!」
現在夜真砥毎年恒例のお見合い中
「ちょっと良いか?俺まだ結婚したくないんだけど」
「それでは始める!」
毎年恒例の無視された。
「やはり夜真砥様とお似合いは吾が輩の娘紅葉しかおりません!」
初めに話し出したのは紅葉の父親で不知火家六十二代目当主不知火焔はっきり言って超熱血男である。
日の本の国は二千何やら年ほど前からあるので六十何代ぐらいまで歴史がある家系がようある。
月影、四天王もそのうちの一つだ。
「いえ!そんな暑苦しい小娘なんかよりお淑やかな雫のほうがお似合いです!」
そしてこちらが先ほど天守閣の最上階で一人でポツンといたやたら気品のある男が叢雲家六十一代目当主叢雲氷兵衛。
横でまんじゅうを静かに食べている叢雲雫の父親である。
なお、雫は一人っ子である。
「女など活発なほうがいいであろう!お前は引っ込んどれ!」
「女性はお淑やかさが大事です!貴殿こそ引っ込んでください!」
そして炎属性、水属性と相性の違いか良い意味この家は仲が悪い。
「嫁にとるなら言葉が良いだろ!」
こちらの少し深緑の髪をした男は天津風風竜天津風家六十三代目当主である。
天津風家は風属性魔法が得意で陰陽師というティナの国でいうところの祓魔師みたいな家系の一族である。
なお、風属性魔法が得意なせいか空気が読めない。
ほらこのように、
「うんうん!言葉も夜真砥が婿なら大歓迎だよ!」
天津風言葉、天津風家の娘でこいつも雫と同じ一人っ子である。
昔からこいつは結構テンションが高い。
「俺らのことを忘れちゃあ困る!豪快さは閃も負けんぞ!」
この黄色いバサバサな髪をした男は雷音寺紫電雷音寺家六十五代目当主である。
雷音寺家は代々公家の一族だが戦闘面にでも四天王で一、二を争う家だ。
なお、雷属性魔法が得意である結構豪快な攻撃をしてくる。
公家というと蹴鞠をしているイメージがあるがこの家はどちらかというと侍という言葉がお似合いな家だ。
「お父様!今は豪快さで争っているのではありません!それに私はそんなに凶暴ではありません!」
そしてこちらが娘の雷音寺閃、本人はそんなに凶暴ではないと言っているがずいぶん強力な魔法をぶっ放してくる。
長女で下に神威という弟がいるけっこう生意気である。
まあ、こんな感じで他に土、木、無、特殊またの名を古代、闇、光と属性がある。
土属性と木属性が得意な家はあるが四天王と呼ばずに裏方と呼んでいる。
簡単に言うと産業面でこの国を支えている。
光属性が得意な家もあるが四天王とも裏方とも呼ばずに盟友と呼んでいる理由は月影家と背中合わせで戦ってきた家だからだ。
月影の血が途絶えたらこの家が国王になる。
無と特殊は魔法の都合上いない。
「父上、俺はまだ結婚したくないんだけど」
「許嫁ぐらい決めても良かろう!」
許嫁ぐらいってなんだ!
結婚する事に変わりはねぇじゃないか!
「あんたは幸せね。こんな美人を嫁にもらえて」
紅葉が小声で話しかけてきた。
「どこが、単に恐ろしいだけだろ」
まあ、確かに美人だけど。
「あんた後で顔貸しなさい」
やなこった~!
「夜真砥、まんじゅう食べる?美味しいよ」
雫がお盆に置いてあったまんじゅうを差し出してきた。
「いらん。そこの障子の隙間からこそこそ覗いているバカにあげろ」
「うん、わかった」
雫は勢い良く障子の隙間にまんじゅうを投げたそして見事ティナの顔面に命中した。
「さすがマスターバレてましたか」
何か飛んできたんですけど!
うん?でも、
「甘い!」
「それまんじゅうよ」
美味しい!後でヤマトに食べたいって頼も!
「雫さん!食べ物を投げてはいけません!」
雫は閃にもまんじゅうを投げた。
「何をするんですか!」
「閃も食べたいのかな?と思って」
「公家になんたることを!覚悟は出来ているんでしょうねぇ…」
この家も属性の相性のせいか良い意味で仲が悪い。
「怒ると寿命縮まるよ」
「誰のせいでこうなったと思っているんですか!」
それにしても親どもは娘の喧嘩を気にせず話をしているなぁ。
そうだ!
「その喧嘩どうせなら決闘で勝敗を決めたらどうだ?」
乗ってくれ~。
「良いわ!公家の力見せてやるわ!」
「夜真砥がそう言うなら私も」
よっしゃ!
「アハハハ紅葉ちゃんなんかすごいことになってきたね!」
「そうね私も観戦しようしら。父上、というわけで席を外します」
「おう!どうせならお前も暴れてこい!」
親は了承しているな。
「なら言葉も観戦する!バイバイとっちゃん!」
「楽しんでこいよ!」
子は親に似るというが本当にこの親子はよく似ているな。
むちゃくちゃ気軽なところが。
「それじゃあ俺も席外すわ」
「久しぶりに街をぶらついてこい!」
「元からそのつもりだよ」
五人は別館の外に出て行った。
「皆さん出て行っちゃいましたね」
「私達もマスターのところに戻りましょうか」
ティナ達は夜真砥のところに戻った。
「何で覗き見してたのかなぁ~」
戻るなりティナは夜真砥にこめかみを拳でこすりつけられた。
「痛い痛い!興味があったから~」
月夜が逃げる準備をしていたので捕まえた。
「な、何の…用ですかマスター?」
「毎年毎年覗き見してんなー!」
そして月夜のこめかみにも拳をこすりつけた。
「すっすみませ~ん!ていうか前からバレてたんですね」
「気づいていないとでも思っていのかー!」
俺はこすりつけるスピードを速めた。
「痛い痛い!」
「この子がティナちゃん?すっごーい!本当に魔族だー!」
この人テンション高いなぁ。
「はい、そうですけど」
「私、言葉!これからお友達!」
「はいよろしくお願いします」
ティナは言葉と会って一秒で友達になった。
「そういえばあの二人どうするの?今にもおっぱじめそうな雰囲気なんだけど。私は席を外したかったから言い訳して外に出たんだけど…」
そうだな、被害を出されたら困るし。
「朧のところ行くぞ!そこで喧嘩しろ」
「確かに朧さんのところなら被害は出ないわね」
「うん、賛成」
「朧って誰?」
「俺の家の大親友」
へーっそんな家あるんだ。
その後、七人は城下に出た。
王子と四天王の娘がそろえば無論こうなる。
「道をあけろ!王子と四天王が通るぞ!」
「おぉ!なんと気品のある歩き方だ」
「ありがたや~ありがたや」
たまにお年寄りに拝まれることがある。
「なんか拝まれてますよ」
「ほっとけたまにあることだ」
なんか神様みたいだなぁ。
「朧ちゃんの家遠いよ~!」
言葉がだだを始めた。
「ねぇ?走らない?」
「それこそ被害が出るおそれがあります」
何で走るだけで被害が出るの?
「屋根の上を走れば問題ないよ?」
「じゃあ朧の家まで競争!」
夜真砥は不意をついてティナを抱きかかえ屋根の上に乗った。
「全力疾走するから動くなよ!」
「普通に下で走れば良いじゃないですか!」
「上を走らなきゃいけない理由が今にもわかるわよ」
六人は屋根から屋根へと全力疾走したすると突風が起きた。
「何なんですかこれ!」
「ガキの頃から駆けっこしてたらこうなった!もちろん、俺は一番遅かった」
「仲良かったんですね」
よう聞こえないな。
「何だって?」
「仲良かったんですね!」
ようやく聞こえた。
「まあな、表では軽蔑され裏ではいつも一緒に遊ぶほぼ同年代で幼なじみだったからな!」
一様、お爺さん以外に味方はいたんだ。
「なにそれ?初耳ですよマスター!」
「お前がいないときに遊んでいたからな」
昼まで四人と遊んで昼から月夜のところで魔法や剣術を教えてもらっていた。
つまり、月夜は俺の最初の師匠だ。
本人は親父への恨みから俺を魔王にでもしようとしてきたらしい。
「なんか省かれた気分」
「なんか言ったか?」
「何でもありません!」
何で怒っているんだ?
「言葉、今一番!」
夜真砥は言葉に抜かれた。
「残念もう抜きました!」
あろうことか夜真砥は屋根を五つ飛ばした。
「ジャンプ力どんだけあるんですか!」
何か右側が熱いな。
ティナは右を向いたするとそこにはとゆでもないものが飛んでいた。
「何ですかあれー!」
紅葉が鳥の形をした炎の塊に乗っていたからだ。
「不知火流忍術朱雀だ。簡単に言うと炎を鳥の形にして操ることができる」
「おっさきー」
紅葉は夜真砥を抜かし一位になった。
「まだわたくしを抜かしていませんわよ!」
だか一位にいたのは閃だった。
「雷音寺流脚技疾風迅雷、ものすごいスピードで走れるようになる魔法だ。ほぼワープしているようにしか見えん!」
この国って常識はずれな人ばかりだな。
「そういえば雫さんは?」
「マスターそろそろ回避の準備を」
「ありがとさん。今にわかる」
夜真砥は少し左に避けたそして約五秒後に水の塊が横を通った。
「雫さん!?」
「叢雲流剣技鉄砲水、溜めた水属性の魔力を一気に放出し相手にぶっける剣術の応用でその上でサーフィンをするように乗ってきたんだ」
それぞれの家の魔法を使って三人は並んだ。
「みんなすごいねぇ!よーし言葉もいくよ!天津風流魔術ジェット気流!」
言葉が三人の前に出た。
「すごい風ですね!」
「ジェット気流、鉄砲水とほぼ同じ原理だ。水属性を風属性に変換するだけだ」
「マスター、今私達ドベですよ」
「ちょっこら本気出すか!てかいつの間に剣に戻っていたんだ?」
いつの間にか月夜は剣に戻っていた。
「走るのが疲れたので」
「あの~その本気ってどれぐらいの本気なんですか?」
「マジの奴だ舌噛むなよ!天津風流魔術改良型疾風!」
夜真砥は勢い良く踏み込み屋根をさっきの二倍飛び越した。
「なっなにが起きたんですか…」
「天津風流魔術疾風を改良して俺でも使えるようにした魔法だ」
「天津風家?月影家じゃなくて?」
「一様この国のトップの家の魔法のほとんどは使えるようにしてある」
なんせこの国のトップと二千年もの間に結婚して月影にもその血が流れているからな。
「それって結構すごいことですよね!」
「だいたい五年かかった!」
なんだたったの五年か。
どうせこいつ魔族単位で考えているんだろうな。
その後、夜真砥が一位のまま朧の家の前に到着した。
「天津風家の力使うとかズルい!」
「最初に魔法を使ったお前に言われたくないな!」
夜真砥と紅葉が言い争いしていると門が開いた。
「とんでもない魔力が近づいてきていると思ったらやはりお主か」
門が開くとそこには白い髪をした女の子が立っていた。
「ティナこいつが朧、俺の元許嫁だ」
えっ?!元許嫁!
何かいろいろとすごいことになってきたな。
夜真砥の元許嫁の朧登場!
二話ほどで裏方も登場させます。
皆さんは四人の中で誰をお嫁にとりたいですか?
それではまた次回の話で!