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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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二十一話 風剣の姫と操影の王子

 日の本の国で始まった夜真砥の休暇!

 夜真砥はゆっくり出来るんでしょうか?

 いえ!ゆっくり出来ません!

 さっそくある方が大暴れします!


 話が終わり私達はヤマトの部屋に行くことになった。

 なんとヤマトは七階の半分全てが自分の部屋らしいです!

 うらやましい~!

 でも、


 「降りるのに疲れた~!この城広すぎでしょ~!」


 月影城の天守閣は十五階建てである。

 今は十階である。


 「ちっせーころから思っていた」


 ちっさい頃はよく迷子になっていたものだ。

 まあ、誰も助けてくれなかったけど。


 「月夜、そろそろあれ準備しろ」

  

 「承知」


 うん?魔法陣展開させてなにしてんだろう?


 「何しているんですか?」


 「フィールド型魔法加速領域(かそくりょういき)、スピードがアップする魔法だ」

  

 「何で今更それを」


 「私達が使うんじゃないの」


 「じゃあ誰が?」


 「そのうちわかる」

  

 そろそろ飛んでくると思うんだけどな…この魔力反応来たな。


 「おーにー」


 夜真砥達が九階に降りようとしたとき何かが横を通過して窓を突き破り外に出た。


 「今の何!?」


 よし!引っかかった!


 「加速領域でスピードアップした咲夜」


 「あれは地上に落ちたわね」


 え!?地上に落ちた!?


 「ちょっ!それって大丈夫何ですか!」


 「ああ、大丈夫だ。ピンピンしてそのうち戻って来るぞ」


 なんかさすがヤマトの妹さんって感じがします。


 「あの窓直しといてくれ」


 「かしこまりました」


 夜真砥は近くにいた女官に窓を直しとくよう命じた。

 なお、月影城には女官が百人以上おりほとんどが魔物と戦えるほどの技量を持っている。


 そしてやっと七階に着いた。


 「何て書いてあるの?」


 襖という扉の上に何か文字が書いてあった。

 大昔にどっかの国から来た文字で『漢字』と言うらしい。

 

 「夜真砥の部屋って読む。つまり俺の部屋だ」


 「本当に七階の半分ヤマトの部屋だ」

 

 部屋の中に入るか。

 一年ぶりだからほこりが溜まっとらなきゃいいけど。


 夜真砥は襖を開けて部屋の中に入った。


 「広いし何か高級な宿屋にいるみたい!」


 部屋の襖には黒いドラゴン、虎、鳥の絵や夜空の絵など様々な高そうな絵が書いてあり柱や天井にも抜かりなく装飾が施されておりまさに王子様の部屋と思わせる一室である。


 「ところでヤマト」


 「何だ?」


 「何であそこだけ結界が張ってあるの?」


 ああ、あの金庫の代用として張ってある結界の事か。


 「マスターが世界各国の遺跡などで発掘した宝物や魔物のレアな素材があるからよ」


 「すごい見てみたい!」

 

 「暇ができたらな」


やったー! 


 「着替えるから襖、閉めるぞ。それとお前もさっき渡された着物に着替えろ。月夜、手伝ってやれ」


 さっき最上階の部屋から出るときに渡された服って着物って言うんだ。

 そういえばこんな服を街の人達は着ていたなぁ。 


「承知しました。行くわよゴミ」


 月夜がティナを襖で区切った部屋に連れて行き着物に着替えさせた。


 「似合ってんじゃん」


 「ありがとうございます!」


 ティナの着物は黒をベースとし黄色いで月や星の刺繍などを施してある。

 金髪だから黒い服が良く似合っている。


 「お前は相変わらず白い着物が似合うな」


 月夜の着物はティナと同じ黒色だが月や星の代わりに雪結晶のようや刺繍そして少し金の刺繍が施してある。

 

 「マスターはこれが見慣れているからでしょ」


 「そんな事はない良く似合っているぞ」


 「うっ!……あっありがとう」


 何かツンツンしてんなぁ。


 「それにしてもヤマトは着物まで黒いんですね」


 俺の着物は二人と同じく黒をベースとして背中に大きな三日月と雲の刺繍がしてあり懐のあたりには竜の刺繍がしてある。

 背中のヤツは家紋だ。


 「さすがお兄様良く似合っております!」


 「今回は戻ってくるの早かったな」


 本当だ!

 無傷で戻ってきている!


 「はい!お兄様のためなら火の中水の中黄泉の国だって行きます!」


 「黄泉の国にはついてくんなよ」


 さて、そろそろ逃げる準備するか。


 「ところでお兄様、ティナさんとは師弟としての関係だけですよねぇ」


 あれ?

 窓開いていないのに風が吹いている。


 「その通りだ」


 「でも、お兄様、女性の方とは旅をしないって約束しましたよね?」


 「天に誓ってそんな約束してない」


 ていうか実際にしていないし俺昔から記憶力良いし。


 「なら今すぐしてください!」


 いつも通り嫉妬が原因でキレた!


 「私、関係無いから逃げるわ」


 月夜が召喚魔法陣の中に逃げた。


 「おま!ズルいぞ!」


 「兄様、覚悟はよろしくて?」


 咲夜さんの周りに風が吹いている!


 「悪いティナしばらく我慢してくれ」


 夜真砥はティナをお姫様抱っこした。


 「ちょっ!何しているんですか!」


 「逃げるぞ!」


 夜真砥は魔法で襖を開けて廊下を走りだした。


 「逃がしません!」


 「何でいきなりこんな事したんですか!降ろしてください!」


 「ならあれに当たっても良いのか?」


 私はヤマトが指で指したた方を見たすると私の横を剣が通り過ぎた。


 「…何なんですかあれ!」

 

 「咲夜は生まれつき魔力の操作が得意でな!風で剣を自在に操ることが出来るんだよ!ほら、見てみろ収納箱(ボックス)からどんどん剣が出てくるぞ」


 「百本以上出てきていますけど!」


咲夜さんの周りを百本以上の剣がグルグル回っていた。


 「正確には千本だ!」


 「千本もー!」


 「絶対に当てて見せます!」


 咲夜が次々と剣を俺たちに飛ばしてくるたがほとんどが廊下に突き刺さったりしている。


 「名付けて」


 「我流剣技剣千本ぶっ刺しますつるぎせんぼんぶっさします!」


 咲夜が夜真砥に合わせて技の名前を言った。

 

 相変わらず物騒な名前だな!


 「教えてくれてありがとう咲夜!出来たら止めてくれー!」


 「お断りします!」


 そりゃそうか。

 おっと、危ない頭かすった。


 「今、足に当たりそうだったんですけど!」


 「足引っ込めろ!」


 うん?あの剣動きがおかしいな?


 「剣技剣戻し(リバースソード)!」


 げっ!戻ってきた!

 いつの間にあんな事出来るようになったのか!

 簡単にやらせるか!


 「風撃(ふうげき)!」


 風撃は強い風を当てる魔法である。


 「相殺して防ぎましたか」


 防いでいません!

 今かすりそうでした!


 「ちょっと動くなよ!十階に跳ぶ!」


 「どうやって!」


 「この先は四階から十階まで吹き抜けになっている空間があるんだよ」

 

 何か高いところに飛んでばかりなんですけど!


 「見えた!行くぞ!」


 夜真砥は柵を踏んで十階に飛び上がった。


 「うっ…吐きそう」


 頼むから吐くなよ。


 「これで逃げ切れると思ったんですか!」


 嘘!

 咲夜さんまで十階に飛んできての?!


 「逃げ切れてませんよ!」


 「目的地までもう少しだ!」


 目的地?


 夜真砥は辻を通りかかった時に何かを叫んだ。


 「兄上後は頼んだ!」


 「了解、咲そろそろ止めようか」


 襖から終夜が飛び出してきた。


 「げっ!終夜、お兄様!」


 「十階は兄上の部屋になっている」


 終夜さんに止められるの?


 「月影流忍術影縫い(かげぬい)!」


 襖の影が伸びて咲夜そして咲夜が操っていた剣を拘束した。


 「離してください!」


 「ダメ~」

 

 咲夜がジタバタしている。


 「影が伸びたー!」  


 「影縫い(かげぬい)、影を操って敵を拘束する忍術だ。なお、月影流忍術は一番上の兄弟しか使えないようになっている」

 

 「もう離すよ」


 「おう」


 終夜は影を戻して咲夜を解放した。


 「ところでお兄様」


 「何だ?」


 どうせまた変なことするんだろうなぁ。


 「クッキー作ったので食べてください!」


 クッキーか…。


 「兄上、リュリュどこに居る?」


 「さっき近くを飛んでいたよ」


 リュリュ?鳥でも飼っているのかなぁ?


 「おーいリュリュ!」


 夜真砥が外に向かって名を呼ぶと少し小さめの竜が城の中に入ってきた。


 「ドッドラゴン!」


 何でドラゴンなんて居るの!?


 「お兄様何を…」 


 「リュリュお座り」


 「グル」


 リュリュが床に座った。


 「リュリュお手」


 「グル」


 「おかわり」


 「グルル」


 「なぁ、咲夜」


 「なっ何でしょうか?」

  

 咲夜が動揺しているやっぱりな。

  

 「リュリュに一口あげるぞ」


 「それはダメです」


 「リュリュ良し」

  

 俺が命令するとリュリュはクッキーに食らいついたすると、


「お前、媚薬でも入れただろ」


 「すっすみませんでした~!」


 咲夜が逃げ虜になったリュリュがその後を追いかける。


 「懲りない奴だな」


 「夜真砥やること恐ろしいね」


 当然だろ。


 「そういえば父上が呼んでいたよ。別館に来いって」


 「クソ親父が?呼ばれたなら行くか」


 終夜さんと別れて私達は別館に行くことになったそれにしてもこの城の敷地広いなぁ。


 「ヤマトの味方って一人だけだったんですよねぇ?」


 「そうよ。たった一人だけ」


 いつの間にか月夜が召喚魔法陣から出ていた。


 「ならあの二人の誰が」 


 「味方だったのは爺ちゃんだ」

  

 え!?お爺さんが味方だったの!?


 「兄上は一族のために俺を始末しようとしたし、咲夜は俺を家族とも思っていなかった。唯一爺ちゃんだけが俺の味方だった」


 「今の感じでは考えられませんね」


 「そうだな。俺がこれからどう接したら良いか自分で考えろって言ったらああなった」


 まあ、咲夜はどこで狂ったのかブラコンみたいになったけどな。

 元から強い奴が好きだからその影響もあるけど。

 兄上は家族思いからなのか溺愛してくる。


 「着いたぞ」


 「大きい建物だなぁ…」


 別館、おもに宴会などで使われる。


 「お前らは外で待ってろ」

  

 「はーい」 


 ヤマトは別館の中に入っていった。


 「何の話でしょうか?」


 「お見合いよ」


 え!?何でお見合い?


 「隙間から見る?」


 うーん罪悪感があるけど… 


 「見たい!」


 「こっちよ」

  

 月夜とティナは別館の横に回り障子を少し開けた。

 ちょうど夜真砥が部屋に着いたところだった。

 

 「遅かったな」


 「いつも通り咲夜が暴れたので」


 「そうかいそうかい」


 いつも通り四天王が勢ぞろいしてんなぁ。

 四天王というのは月影一族に仕えている四つの家のことである。


 「それでは我が息子夜真砥のお見合いを始める!」


 さっさと終われ俺は全く興味ない。




 

 

 次回夜真砥のお見合い!

 なお、夜真砥は全く興味が無い模様です。

そして残りの四天王登場です!

 それではまた次の話しで!

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