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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第三章 日の本の国で波乱万丈大冒険!
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十九話 太陽に魅入られた者

 今回はストームサーペント戦そして少しヤマトの家系の話をします!

 最後にツクヨのツンデレいり!

 ストームサーペントはすぐに切り身を口から出した。

 

 「切り身吐かれました!」


 「構わん!その釣り竿は電磁砲になっている。ティナ、合図したら撃て!」


 「は、はい!」


 そういえば釣り竿じゃなくて大砲に見えるなぁ。


 「で?どうするのあれ」


 「斬れるか?」


 「堅さ次第」


 魔法が内部まで通るかわからないからなぁ…とりあえず、


 「試し切りする」

 

 「了解~」


 ツクヨは光の粒子になりヤマトの手で剣に成った。

 そして、ヤマトはストームサーペントの背中の上に降り立った。


 「安定感無いなぁ」


 「何で魔物に安定感なんて求めるのよ!」


 「それもそうだな」


 「グルル~」


 怒ってる怒ってる。

 さて、攻撃開始するか!


 「ちょっと!手荒な使い方止めてよ!」


 ヤマトは天月夜剣を勢い良くストームサーペントに突き刺した。


 「悪い!降りるぞ!」


 ヤマトは体重をかけて天月夜剣でストームサーペントの背中を突き刺したところから切り裂きながら海面に降り立った。


 「まだだ!豪火球(ごうかきゅう)!」


 そして海面を蹴って飛びストームサーペントに付いた傷に向かって魔法を放った。


 「エグいことするわね」


 「ダメージゼロだけとな」


 切り裂いてもすぐに再生するのか。


 ストームサーペントはヤマトの方を向いて水圧ブレスを放った。

 

 「ツクヨ、ガード」


 「もっとちゃんとした頼み方あるでしょう。まあ良いわ魔法消滅(マジックロスト)!」


 ツクヨはストームサーペントの水圧ブレスを消し去っただが風圧で船にツクヨだけ落下する。


 「ツクヨ!」


 幸いなことに何かの上に着地した。


 「あら、ちょうどいいクッションが」


 それクッションじゃないぞ。


 「重いです!退いてください!」


 ツクヨはティナの上に着地した。


 「私に踏んでもらえるなんて光栄に思いなさい」


 「思いませんよ!」


 「ティナ!そこのボタン押して電磁砲を撃て!」


 合図がきた!

 でもヤマトが巻き込まれるんじゃ!


 「反射障壁(リフレクトバリア)!さっさと撃て!」


 ヤマトはストームサーペントの後ろに巨大なバリアを張った。


 「さっさと撃ちなさいゴミ虫!あのバリアは遠距離攻撃を跳ね返すの!」


 そうなんだなら安心です!


 「電磁砲撃ちます!発射!」


 電磁砲の銃身が回転して電撃が発射されストームサーペントに直撃さらに後ろに張られたバリアにより当たらなかった電撃が跳ね返り後方からの攻撃もくらった。

 

 「よっしゃー!あいつらやりやがった!」


 海水が少し蒸発しストームサーペントが後ろに崩れ落ちた。


 「やったねヤマト!」


 「まだだ!」


 だがストームサーペントは再び起き上がった。


 「な、まだ起きあがるのかよ!」


 船員たちが驚く。


 「キシャー!」


 ストームサーペントが不気味な咆哮を上げて後方に下がる。

 だがその行動によりストームサーペントはある地雷を踏んだ。


 「離れなさいゴミ虫、マスターが切れるわよ」


 えっ何で?

 ストームサーペントを倒せなかったから?


 「倒す倒せないの問題じゃないのあのミミズはマスターの地雷を踏んだのよ」


 「ヤマトの地雷ってどういうことですか?」


 「あそこから日の本の国なの。マスターは自国を不届きな輩に侵入されるのが大嫌いなのよ!」


 ふーんなるほど確かに額に血管が浮き出てる。


 「おい、クソ野郎十秒以内にさっさとそこから立ち去れさもないと三途の川を見ることになるぞ」


 ヤマトはストームサーペントに殺気を放った。


 「10…9…8」


ストームサーペントは恐る恐る前進する。

 

 「7…6…5…4」


そして体のほとんどが日の本の国の領海から離れた。


 「3…2…1」


そしてヤマトのカウントダウンが終わった。


 「はい、お前地獄行き決定」 

 

 ストームサーペントはカウントダウンまでに尻尾の先端を日の本の国から離すことができなかった。


 「え!?たった1センチだけで!」


 「たった1センチでもマスターにとって侵入していると同じなのよ確実に死んだわね」


 ヤマトは収納箱(ボックス)から召喚石を取り出して看板に叩きつけた。


 「召喚骸大蛇(むくろのおろち)…全て食らいつくせ」


 骸大蛇(むくろのおろち)、生きた生物しか食べない怨念によって蘇った大蛇でヤマトがよく使う召喚獣である。

 見た目は骸骨となった大蛇である口からは怨念の炎を吐き骨は頑丈一体で頭は一つだがヤマトの骸大蛇は違う八岐大蛇という頭が八つある大蛇を骸大蛇としているため頭が八つある。


 「カタカタカタ」


 骸大蛇が骨を鳴らしながらストームサーペントに食らいつくだが堅い鱗で跳ね返される。


 「やはり跳ね返されるか…ならあれを使うか」


 「全員すぐに船内に入って!燃やされるわよ!」


 「どういうことだ精霊の嬢ちゃん!」


 プルースがツクヨに質問した。


 「太陽が昇る」


 「太陽?」


 ヤマトの周りに無数の炎属性の魔法陣が現れ炎を上げながら回転し始めた。


 「ドロドロに溶かしてやる」


 看板の上にいるヤマト以外の全員が船内に避難した。


 「何あれ!てかヤマト魔王みたいなんだけど」


 「マスターが私を召喚する際の詠唱には少し違う文がある。どこだかわかる?」


 「そんなのわかりませんよ」


 ヤマトしか知らないこと聞かれても答えれる訳ないでしょ!


 「しかし汝は月の化身、それすなわち矛盾なりそれは我が太陽であり汝が月であるから、汝、夜の加護の三文よ」


 「普通の文はどういう奴なんですか?」

 

 「しかし汝は月の化身の部分は汝、我と共」


 月の化身が無くなった。


 「それすなわち矛盾なりそれは我が太陽であり汝が月であるからの部分はこんなに長くはない普通のは我らは双月共に戦う者」


 かなり短い文に成った!


 「汝夜の加護は汝その力になるの」


 「短いしその文で言ったらどうなんですか?」


 「無理ね。マスターが普通の文で唱えても私は出てこれない」


 何で出てこれないの?


 「私は何を飲み込むのかしら?詠唱の中に出ているわよ」


 えっと確か…


 「太陽」


 「そう太陽よ」


 「太陽を飲み込むからってヤマトとどう関係があるんですか?」


 「マスターは太陽の加護を授かって産まれたから」


 「じゃあ本来は別の加護を授かって産まれたんですか?」


 「月の加護よ。代々マスターの家系月影一族は月の加護を授かって産まれてくる一族なの。ゆえに太陽の加護を授かって産まれてきたマスターは太陽に魅入られた者と呼ばれた」


 「別に月の加護じゃなくても良いんじゃないんですか?」


 ティナは当然の質問をしたよく何かしらの加護を授かって産まれてくる者がたまにいる加護を授かるのが確定している家系もあるその例えが月影一族でもある。

 だが月影一族は月の加護を必ず授かって産まれてくるだがまれにヤマトのように太陽の加護も授かって産まれてくる者がいる。

 そしてその者は太陽に魅入られた者と呼ばれる決して名誉ある呼び名ではないこの呼び名は、


 「太陽に魅入られた者は月影一族では軽蔑の対象あんた達で言うところのクズよ」


 「そんな!旦那はあんなにも強いんですよ!そんな言い方は」


 話を聞いていた船員が口を挟んだ。


 「黙りなさい虫、まだ続きがあるの」


 船員は黙った。


 「月影一族の中で太陽の加護を授かって産まれてきた者はその血筋により魔法の才能が皆無になる。だからクズ、最弱呼ばわりされるのだけど月影一族は誇りのある一族だから遠まわしに太陽に魅入られた者と呼ぶの」


 「でもそんなのその一族の勝手じゃないですか!」


 ティナが感情を高ぶられ大きな声を上げた。


 「そう、勝手よ。この一族は一族の中で産まれた弱者には決して見向きもしないクソったれ一族よ。ほんと都合の良いことしか取らないクソったれ一族だからマスターは常に一族おろか国の中から孤立していた一人を除いて」


 「そんな酷いですよ!一人しか味方がいないなんて」


 私なら耐えられなくて何かしていただろう。

 私の家は魔王の家系だけど一人娘だったから大切にされていた。


 「だからマスターは真っ向からそれに刃向かった。最弱でも努力次第で最強に成れるってそしてたった二十年でほぼ世界最強まで名を上げた」


 ヤマトはほとんど味方がいない中で誰よりも死ぬほど努力したそしてヤマト誕生から十年後ある出来事により一族いや、国中すべてに認められた。


 「マスターは十歳の時にある事件で先天性スキル魔眼(まがん)を発動させこれまでに凝縮されていた魔力そして努力の結晶をすべて解放させた。そして国中すべてに認められた。今は最弱から最強に成った弱者の英雄と謳われている」


 「つまりヤマトは」


 「誰よりも辛い逆境から最強に成り上がった。そしてある日気づいた一族の月の力そして太陽の加護があるのなら月の魔法、太陽の魔法が使えるんじゃないかって」


 「つまり嬢ちゃんが言いたいことは?」


 プルースがこれまでの流れの話の意図についてツクヨに質問した。


 「マスターは誰よりも強い私の生涯最高の主、そしてあの魔法が太陽の魔法よ!」


 ツクヨが長いヤマトの武勇伝を話してあるうちにヤマトが魔法を放つ体制になり詠唱を始めた。


 「天道に輝く炎よその力我に貸せ!紅蓮の炎よここに来たれ!我が敵を貫き灰燼にせよ!夜真砥(ヤマト)流極炎属性魔法紅炎(プロミネンス)!」


 ヤマトの周りにあった無数の炎属性の魔法陣から無数の太陽のようなマグマに近い炎の槍が放たれた。

 紅炎(プロミネンス)、ヤマトが作り上げた極炎属性の魔法つまり我流の魔法である。

 極とはその属性の魔法より遙かに強い魔法を指す言葉だいわゆる超上位魔法のことだ。

 放たれた槍はマグマのように熱く鱗なんて容易く溶かす。


 紅炎(プロミネンス)がストームサーペントの鱗を貫き内部に到達し消えた。

 ストームサーペントが苦しみの咆哮を上げる。


 「骸大蛇よ全てを食らいつくせ!」


 「グララララ!」


 骸大蛇が骨の音と咆哮を上げてストームサーペントの内部に潜り込み内部を食らいつくす。

 数分後、骸大蛇はストームサーペントの内部から戻って来た最後に戻って来た骸大蛇の口にはストームサーペントの魔石がくわえられていた。


 「良くやった。旨かったか?」


 「カタカタカタ」


 骸大蛇が嬉しそうに骨を鳴らす。


 「そうかそうか、もう戻って良いぞ」


 骸大蛇は召喚石に戻っていった。


 「本当に倒しやがった」


 「マスター、お疲れさまです」


 「ヤマト、あの皮どうするんですか?」


 ティナが指、指した方向には皮だけになったストームサーペントが海面に浮かんでいた。


 「ほっとけほっとけ、あんなの骸大蛇がほとんど食べていて何の素材にすらならん」


 骸大蛇あれ綺麗に食べたんだね。


 「お!晴れてきた!おい、他の船にも伝えろ日の本の国に行くぞ!」


 「あいあいさー!」 


 一人の船員が他の船に電話をしに行った。


 「俺、疲れたから寝るわ着いたら起こしてくれ」


 「わかりました」


 ヤマトは用意された部屋に行き寝床に着いた。


 「そうそう私、元はマスターを魔王にしようとしてたの」


 えーっ!?何でそんなことしようとしてたのよ!


 約二日後、船は日の本の国の港に着いた。


 「マスター、もしかしてあの子を弟子にした理由って」


 「ああ、俺と同じ最強になりたいという強い思いがあったから。そういえばお前ティナのことゴミ虫呼ばわりしないんだな」


 「別に良いじゃない…それにあいつをゴミ虫呼ばわりしてたらマスターに嫌われると思ったから」


 ツクヨは最後の言葉は小声で言った。


「何してんだ?さっさと行くぞ」


 「何でもありません!マスター死んじまえ!」


 「何で死ななきゃならないんだよ!」


 「知らないそんなの!」


 「おい!待てよ!」


 「待ちません~追いついてこーい!」


 ツクヨは、はしゃいで先に行ったティナの方に走っていった。


 (あの時はみんなの前で恥ずかしくて言えなかったけどヤマトは私を目覚めさした王子様よ。改めてありがとう宇宙一大好き!)        

 さてこれはツンデレなのか別デレなのか?

 いったい何デレなのか?

 次回はついに月影一族が出てきます!

 そうそう、ヤマトは漢字で書くと夜真砥となります。

 夜は月影一族で確定している漢字で真と砥は真の力を磨くまたは研ぐという意味を込めています。

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