百六十八話 魔弾の射手
タイトルはウィリアムのユニークスキルです!
まあ、有名ですよね魔弾の射手って。
ボルクスのユニークスキルにより、一応は互角に渡り合えるようになった。
何故、一応なのかと言うとベータが仕掛けてきた攻撃をボルクスが同等の威力で打ち消しているからだ。
しかし、ボルクスはベータの威力に合わせるために全力で攻撃しているため『一応』なのだ。
今は何とか防ぎきっているがボルクスが砕けるのも時間の問題である。
また、リアムも攻撃を仕掛けているが相手にされず容易に受け流されている。
だがそんな状況下でもウィリアムは冷静さを保っていた。
銃口に込めていた弾丸を別の弾丸に交換して、一呼吸してから元の位置に戻す。
「…お前さんに大した恨みはないんだが消えてもらうぜ」
ウィリアムはボルクスがベータから離れた瞬間に引き金を引いた。
そして銃口は発射の衝撃でゴミ同然の存在になってしまう。
それもその筈、ウィリアムが使った銃は一度、引き金を引くと銃口を取り替えなけばならない銃、塵滅砲銃だから。
要するにこの銃は発射の衝撃で銃口が使い物にのらなくなるので連射できなのだ。
また、発射された銃弾は着弾と同時に小規模の爆発を起こす爆裂弾、外部魔力に触れると爆発するという特性を持つ魔物の素材で作られた弾である。
しかし、その弾丸をまるで来るとわかっていたのかベータは軽々と交わした。
それでもウィリアムはまだ冷静さを保っている。
何故ならウィリアムもベータが避けるとわかっていたからだ。
「ああ、何度も目を合わせていれば交わすぐらいこっちだってわかるさ。けどよ汚い手だが使わせてもらう!ユニークスキル魔弾の射手発動!!」
魔弾の射手、全ての遠距離攻撃を意のままに操るユニークスキルだ。
標的さえ定めておけばどんな角度からでも当てられ、標的以外は回避する特性も付与できる。
どんな遠距離攻撃でも百発百中になるのでウィリアムが言うように姑息なやり方だ。
しかし、普段のウィリアムはこのユニークスキルを発動させていない。
何故ならこのユニークスキルが発現させたトリガーが妻を魔物に殺されたことによる怒りの感情だったからだ。
それ以降、ウィリアムは通常の狩人から魔物を狩る者になったとされる。
「障壁で防ぎやがったか」
とっさの判断で三重障壁を展開させたベータは無傷のまま、その場に立っていた。
そしてウィリアムが居る塔に飛び移る。
それでもなおウィリアムは判断力を有していた。
収納箱から二丁の拳銃を取り出して、両肩関節、両太股を撃ち抜いた。
「転移門!」
また、転移門を使ってアーサー達が居る塔に移動した。
転移門は転移の穴と違って、目視できる距離までなら転移できる。
遠距離攻撃を行う職業が使用する戦法の一種だ。
ウィリアムが転移門を通り抜けて直ぐにウィリアムが居た塔がベータを巻き込みながら爆発した。
去り際に爆弾を置いてきたのである。
「ウィリアムさん、容赦ねぇ…」
「今のうちに立て直すぞ。一応、両肩関節、両太股を撃ち抜いておいたが直ぐに治して戻ってくる」
「じゃあ、とりあえずこっから離れるぞウィリアムのおっさん!」
「あいよ!もう、狙撃には期待するなよ!」
四人はベータが立ち上がらないうちに別の階層に逃げ込んだ。
「ああ、あれで死ねないとは困ったなぁ。いつになったら死ねるのやら。もうちょっと手加減できないの?……そうですか無理ですよね。わかってましたよそんなの」
さてとそろそろベータが何でこんな意味のわからない言葉を言ってるのか説明しないと…。
それではまた次の話で!
予定では後五話ほどやります!