百五十二話 生産そして廃棄
少女に事情を訊く話です!
タイトル通り、少女は生産され廃棄されることになった子です。
「えっともう一回、言って」
「はい、製造番号三万千七百です」
うーん、ちょっと待てよ~。
それって製造された魔導具に不備とかで確認するために付けられる番号のことだよな?
…俺が知る限りそんな名前の人はこの世にいないぞ。
「ガハハハハハ!!小娘、変わった名前をしておるな!」
「んなわけないでしょ!ええっとあれだよねその製造番号ってあれだよね!」
そんなにあれあれ言われても伝わるか!
第一島民を発見したのはいいが言ってることがおかしいぞ。
まさかだと思うが…。
「つまり、君は造られた存在だとでも言うのか?」
「だからそんなわけ」
「はい、私は造られた存在です」
「マジで!」
少しは黙っていてくれ。
頭の中でいろいろと処理してんだよ。
…なるほど証拠と言える物はそろっているな。
先ほどから気になっていた首に付けられた番号、三万千七百あっている。
悪趣味な入れ墨と言えば片付くが…。
「答えろ。あのキメラはもしかして君を殺すために誰かが仕掛けたのか?」
「はい、あの製造番号五千万二千五十は私を処分するために仕掛けた個体です」
五千万二千五十はおそらくキメラの中での製造番号だろう。
…処分ってことは何か役割があったはずだな。
「私の役割は対象、デルタ様の魔力回路をサポートするために生産された部品です。しかし、δ様が魔力回路を維持できるようになったため私を含む製造番号三万五百から製造番号三万千七百までが処分されることになり私は施設から逃亡してきました。なぜ私はこの様なことをしてるのか理解不能です」
…よし、だいたいは理解できた。
つまり、この子はそのデルタっう糞野郎の魔力回路をサポートするための人柱だったってわけだ。
…目的ができた。
「いや、良く逃げてくれた。安心しろ俺達が守ってやる」
「考えは同じだな月影」
「ああ、糞野郎をぶん殴りに行くぞ」
「もちろん、俺も行きますよ!」
「それは不可能。デルタ様はあなた達より強い」
ほう、俺達より強いだと?
そんなの上等だ!
余計に気が昴るってものだ!
「月影、考えは同じか?」
「ああ」
「「楽しみだ!」」
「恐怖しないの?理解不能」
「こんな人達なんすよ」
さて、それじゃあ目的地も決まったことだし出発しますかね。 …デルタって奴の居場所がわからんな。
逃げ出してきたばかりで悪いが
「案内してくれるか?」
「…はい」
「それとその自動人形みたいな喋り方は止めろ。…それと番号じゃ呼びにくいし名前を付けてやるよ」
「名前?それは何?」
「その人の存在証明みたいな物で一言では語れないスゴいモノだよ」
けど、あんまし俺って名前を付けたことないんだよなぁ。
そのほとんどが生物名から由来してるし…。
月夜だってそのままだしな。
そのスタイルでやるとこの子の名前は…。
「ミイナだ」
「お、いいじゃん」
「ミイナ…。気に入った」
気に入ってくれたか。
それに口調も普通だ。
「じゃあ、自己紹介だ。俺はヤマト・ツキカゲ」
「俺はボルクス・リーグっす」
「我はガイア・ドレイクだ!」
「ヤマト、ボルクス、ガイア、よろしく頼む」
それじゃあさっそとぶっ飛ばしてこの子にこの島のことをゆっくり訊くとしますか!
次回は夜真砥達以外の三人の方のどちらかをやります。
やることは決まってますがまだ順番は決まっておりません(-ω-;)
それと夜真砥とガイアは考えて戦うか考えずに戦うかの違いでかなり性格が似ています。
夜真砥を狂戦士にしたのがガイア?みたいな感じです。
ああ、31700、ミ(3)イ(1)ナ(7)ってことです。
それではまた次の話で!




