百四十九話 天使と信者と鬼と無口
シエル組の話です。
転移した場所は女子が絶対に踏み込みたくない汚い場所です(;^∀^)
「あらあらずいぶんと汚い場所に飛ばされましたねぇ」
こちらは西側、ほぼ枯れ木となった森、足元のヘドロ、構成している物質が何なのかわからない煙や液体がそこら中から噴き出してるのが特徴のエリアである。
そんな汚い場所にソフィア、シエル、朧、雫は転移させられた。
確実に臭い匂いが服に付くだろう。
「…最悪、草鞋が汚れた。足袋もベタベタ」
「異国の靴なら日の本にもあるでしょ?ああ、あたしは靴の中に入ってきた~」
(何か悪寒がしたから飛んできたけど正解ね)
転移した直後から各々、西側の環境に襲われた。
まあ、最悪な環境である。
ソフィアは脳天気というかあまり気にしないタイプなので何も言っていないが朧と雫はヘドロが入ってきた感触で顔を歪めている。
そして飛んでいるシエルも翼が噴出物に当たらないように障壁を張って防いでいる。
「聖域ですわ」
さすがのソフィアも我慢の限界がきたのか聖域で周りの汚物を全て浄化させた。
「浄化させてもまだお汚いですね」
「リリムの地図によると島の西側、原生林が生い茂っており島の中で比較的に綺麗で純粋な魔素が満ち溢れている…。どこが!?全くの正反対でしょ!」
「時間が経てば地形は変わる」
雫は足袋を脱ぎながら指摘する。
「だけどこれはやりすぎでしょ!この島の島民は何やってるのよ!腐敗地帯じゃない!」
「とりあえずここから離れたい」
「そうですね…。この先に廃村があるらしいですのでそこに行きましょ~!」
ソフィアはニコニコと笑みを浮かべ聖域を発動させながら奥へと進んでいく。
それを見て朧は少し引き気味になりシエルに訊く。
「何であの聖女は笑ってるのよ」
「訊いた方が早いよ。ソフィア、楽しい?」
「ええ、そうですね。どちらかと言えば怒りの沸点が越えてますね。何でこの島の島民は緑豊かな原生林をこうも腐敗させたのでしょうか?それをとりあえず問いただして全力で殴ります。例え放置していてもそうなった答えても殴ります。自らそうしたと答えたら原型がなくなるほど殴ります。何でこう人はこうも主が創りだした世界を壊せるのでしょうか?ああ、そう思うと無性に腹立たしくなりますね。…という理由で虫の居所が悪いので喋りかけないでください」
ソフィア以外の序列一位から十位の者に『序列一位から十位の中で誰が一番怖い?』と訊くとおそらく『リアム、けどある意味、ソフィア』と返ってくる。
リアムは怒ると文字が乱れたり濃くなって激怒してるとわかりやすいがソフィアは激怒していても常に笑ってるので怒ってるか怒ってないのかわからない。
ティナを殴ろうとした時でさえ笑っていたぐらいだ。
なのでソフィアを絶対に怒らすなと皆が誓っている。
なのでティナを弟子にした時、夜真砥はソフィアの怒りを警戒していた。
「ね、わかったでしょ」
「葉月と同じ人種だ…」
ちなみに日の本の国の次期当主で一番怒らせてはいけないのは葉月である。
終夜などまだ優しいほうだ。
次回はティナ組!
ティナ組は南側です!
…要するにスタート地点の少し先ですね(ー_ー;)
それではまた次の話で!