百四十二話 師走みたいに忙しく
これから攻略作戦のための準備をしていきます!
夜真砥は鍛冶、ティナ達は観光です。
会議を終えて夜真砥はその場をすぐに立ち去って他の冒険家も夜真砥同様にその場をすぐに離れて各自準備をしに行きました。
私は歩きながら資料を読んでますが何て書いてあるかよくわかりません。
「…ダンジョン攻略をしに行くようなものですか?」
「まあ、そんな感じで捉えとけ」
というかさっきから夜真砥の周りを作業服を着た人がうろうろしてるんですけど何ですかこれ?
夜真砥もその人達に何か紙を渡したり話したりしている。
…何なんだろう。
「さて、俺は今から武器を作るから適当に国際ギルド内をうろついてろ。だがその前に朧と雫は来い」
「わかった。けど何で?」
「説明するよりやった方が早い。入れ」
「ああ、共有の工房ですね」
「何言ってんだ?俺専用の工房だ」
序列一位になると専用の工房がもらえるんだ。
というか扉の奥に五人ほど誰かいるよね?
もしかして弟子?
だったら斬るよ。
「ヤマト・ツキカゲ様!今日はご指導よろしくお願いいたします!」
うん?
弟子じゃないよね?
「ああ、緊張せずに精密に頼むぞ。今日、教える鍛冶師見習いだ。俺がここで鍛冶するなら数人ほどサポートとして見習いが呼ばれる仕組みだ」
そうなんだ。
確かに夜真砥って自分で武器を作ってるよね。
とすると夜真砥の鍛冶は鍛冶師からも認められるほどの実力なんだ。
「雫と朧はそこに置いてある籠の中から待ちやすい武器を選んでくれ。別に刀じゃなくてもいいぞ。それとこの用紙に武器の要望をよろしく。あと今、使ってる刀を置いといてくれ。刀じゃなくても刀は作るからよ」
「タダで?」
「タダに決まってんだろ」
さてさて、あの二本の刀も取り出さないと。
前々から二本とも限界が近づいてきてるんだよなぁ。
よく耐えてくれたほうだ。
今から新しく生まれ変わらせてやるから楽しみにしとけ。
夜真砥は収納箱から氷華水月と激炎破天刀を取り出した。
「書き終わった」
「あたしも」
予想以上に早いな。
どれどれ…作るのは二人とも刀で朧は空間を斬るためのサポートができる能力、雫が水属性の魔力をチャージしやすく鋭いか。
「承った。必ず最高の刀に仕上げてやる」
「よろしくね~。というかさ夜真砥がここで鍛冶するなら誰が国際ギルドを案内するの?」
「そこんとこは…起きろ月夜」
月夜、さっきからずっと寝てたんだ。
「うん?」
「国際ギルドを案内してやれ」
「うん。マスターは何するの?」
「見ての通り鍛冶です」
「あっそ頑張って~」
ほいほい頑張りますよ~。
さて、ティナ達は観光に行ったしこっちは集中して鉄とか叩きますかね。
次回からはティナ達の観光もしつつ鍛冶シーンを入れていく感じですかね。
それではまた次の話で!




