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百三十七話 序列六位

今回は序列六位が登場!

次回から次々と序列十位以上が出てきます!

 天十会議とは国際ギルドで年に二回程度で開かれる序列一から十位と一部のグランドマスターが集まり話し合いをする場のこと。

 主に話される内容は世界情勢や魔物の動き、ごくたまに魔王についてなど様々だ。

 今回はヴェリア島攻略作戦について話される。

 天十会議は勇者グロリアが魔王に挑む前に討伐作戦に参加する者と話し合いをしたのが原点となっている。

 名前の由来はギルドの頂点に届くほどの実力を持つ十人が話し合いすることから。

 とりあえずこの会議が行われる日には多くの観光客がその十人を見ようと国際ギルドに次々と集まってくる。

 そして序列一位である夜真砥も当然、天十会議に参加する。


「どんどんと上がっていく」


「何なのこの箱、何で上がってるの!?」


「雫、怖い」


 朧と雫は互いに身を寄せ合い抱きついている。

 どうやらこの魔導具が怖いらしい。

 紅葉、連華、言葉から聞いてないのか?

 あいつら職業柄、国外に行くし、紅葉は諜報活動、連華は外交、言葉は貿易で。


「大型の魔導具の地点高速移動装置ちてんこうそくいどうそうちだ。要するに超高速で縦横無尽に動く箱だ」


 この箱の名前ってそんな名前だったんだ。

 ジャックさんの会社に行ってから気になってた。


「手すり掴んどけ前に移動して再び上るから」


「「イヤだ~」」


 その後、何度か前に移動したり左右に移動した後に会議が行われる最上階に到着した。

 

「お疲れ様です夜真砥様」


 ちなみに本部で選ばれた職員が配置されている。

 役割は最上階に入る人の確認とちょっとした雑務や掃除とか。


「もう、誰か来ているか?」

 

「アーサー様が来られています。ですのでお静かにお入りください」

 

 ああ、アーサーの奴、寝ているんだ。

 多分、徹夜ぶっとうしで手術してたんだろうな。


「アーサーって今回の参加者の名前ですか?」


「そうだ。アーサー・キャベンディッシュ、序列は…今何位?」


 最近、何かいろいろと上位が変動したらしくて最近のは知らないんだよなぁ。


「今は序列六位です」


「ありがとう。序列六位で二つ名は医学の神童(アスクレピオス)、冒険者ギルドにも登録してるが商業ギルドにも登録してる。本業は医者だ」


 もしかして夜真砥が日の本の国で言ってた知り合いの医者ってこの人かな?


「基本的にやる気のない根暗だ。…後、見た目に驚くな」


「うん?見た目に驚くな?」


「鳥の仮面を被ってる。本人の趣味だ」


「はぁ」


 本人の趣味って言ってるけど夜真砥の黒服も趣味の一種だよね?

 今更だけど序列の高い人って個性的なのかな?


 一同は黄金の扉の前に行き静かに開けた。

 すると大きめの丸テーブルがあり鳥の仮面を被った白衣を来た誰かが寝ていた。

 アーサー・キャベンディッシュ、夜真砥の五つ上の先輩冒険者だ。

 夜真砥は言ってなかったが冒険者としての職業はヒーラー兼アーチャーだ。


「…ああ?何だ夜真砥か」


 男は物音で起きたのか仮面を外した。


「おう、徹夜お疲れ様」


「全くだ。ドラゴンに返り討ちにあった三流冒険者の手術をやらされた」


 おお、それはそれはアーサーが嫌いな仕事内容だな。

 アーサーはフリーの医者だ。


「で、助かったのか?」


「なめるな。五体満足で治したさ。けど冒険者として活動できるかは本人次第だな」

 

「まあ、五体満足ならマシだろ」


 しっかしドラゴンに返り討ちにされて生き残るとかどんな強運の持ち主だ?


「…弟子にしたのはその魔族か」


「初めましてティナ・キャロルです」


「気をつけろよ。今回のグランドマスターは南極大陸のグランドマスターだ」


 南極大陸のグランドマスターってことは種族天使のあの人か。

 性格は温厚だけど雰囲気が苦手なんだよなぁ。

 

「マジかよ。シエルの奴、ちゃんと説明してるだろうな?」


「…怪しいな」


「南極大陸って何?」


 質問してきたのは雫だ。

 そういえば日の本に大陸という概念が入ってきたのは最近だったな。


「南に行くと見えてくる馬鹿でかい大陸で様々な環境があって中央に監獄のタルタロスがある。なので危険エリアに指定されてる。で、今回のグランドマスターはその大陸の全責任を担ってるのさ」


「というのは怖いの?」


「…一言で言うなら下手に言葉を発するな後、考えるな」


 あれに何か知られたらお先真っ暗だと思ってもいい。


「ええ、何なのその人」


「人ではない天使、しかも大天使だ。要はシエルの上司に当たる存在だな」


「そろそろ席に座れ。ぞくぞく入ってくるぞ」


 そういえばもう会議が始まる時間になってきたな。

 ほとんどの奴、いないけど誰も遅刻しないだろうな?


 夜真砥はアーサーから五席空いたところに座った。


「…あたし達の席は?」


「ない。参加できるだけマシな方だ」


 じゃあ、何でここに連れてきたのかと私は心の中でそう思ったが怒られるのが嫌なので口には出さなかった。

ちなみにアーサーはアーサー・コナン・ドイルから取ってきました。

知ってると思いますがあの人、医者ですよ。

それではまた次の話で!

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