百二十八話 全ての万物は凍結する
タイトル通り、全ての物を氷付けにします!
対象はマグマです!
まあ、二人なら可能ですね。
おそらく、こいつらはちゃんと言われた通りに魔法は放ってくれると思う。
後は紙に書いたことを守ってもらうことだけだ。
まず、魔法は放つタイミングは敵の攻撃が二十メートル以内に迫った時であること。
次に一人、一回しか放ってはいけないのですぐに交代することだ。
教えたのはスキル、完全なる障壁と同じ効果を持つ魔法だ。
なので名前は同じ、完全なる障壁の根本的な仕組みをしていれば大量の魔力さえ使える。
だから実戦では不向きだ。
でも、今は役に立てる。
さて、俺は詠唱を開始するか。
「現世に生きし大罪人共よ。汝らに裁きを与える!」
「始まったぞ!」
ボートがヴォルカン島の怪物に近づくとバンはユニークスキルを解除した。
すると怪物は迫り来るボートに向けてマグマの塊を放った。
「完全なる障壁!!」
まずはマーシュが張る次にベルが張った。
二発の衝撃によりボートが揺れるが詠唱中の夜真砥が魔法で支える。
「地獄に繋がれし裁きの門は開かれた!地獄より出でるは汝らを凍結される絶対零度の冷気なり!」
「五発来た!」
「ルー、俺らで防ぐぞ!」
「了解!」
ルーとヴォルカンは二人で五発のマグマの塊を受け止めた。
まずは一発目をルーが受け止め衝撃でボートが後ろに下がり二発目は海に沈む。
最後にヴァルトが少し前方に張って四発目を防いで五発目を爆風でそらす。
三発目はルーがボートを止めて避けたのだ。
最後にヴァルトがボートを発進させる。
残りはエレンのみ。
「今、ここにおいて全ての万物を凍りつく!門より漏れるもがき苦しむ悲鳴に震え上がれ!」
「特大のマグマ来た!」
「完全なる障壁!!」
最大出力でエレンは特大のマグマの塊を防いだ。
それを見た謎のエルフは素早く転移の穴を出して生徒達を港に戻す。
そして夜真砥はヴォルカン島の怪物の頭上まで飛び上がる。
「全ての万物よ!抗う刹那もなく凍りつけ!極氷属性禁忌魔法!凍獄!!」
ヴォルカン島の怪物の周囲に出現した魔法陣から絶対零度の冷気が出てきた。
海は凍り始めるがこれしきのことでヴォルカン島の怪物は凍りつかない。
だからリリムがトドメを刺す!
「後は頼んだぞ!師匠!」
「了解!地獄の最奥に縛り付けられし魔王よ!この大罪人に冷酷な裁きを下せ!死すら許さぬ裁きの中、悠久の時間に閉じ込められろ!極氷属性禁忌魔法終わりなき魔王の裁き!!」
絶対零度の冷気で覆われた怪物の足元、つまり海底に巨大な魔法陣が出現して怪物の下から氷塊が現れ周りを覆う。
そして一瞬にして怪物は凍った。
凍獄、相手の周囲を絶対零度の冷気で覆う極氷属性の禁忌魔法。
下手をしたら自分も凍ってしまう。
一方で終わりなき魔王の裁きは凍結の速さを高めて氷をほぼ永遠に溶けない状態にする。
これら二つを合わせたのが
「「合技!万物は永遠に凍りつく!!」」
「スゴい…。マグマの魔物を氷付けにした…」
その光景は避難所からも見えており避難した人々は唖然としている。
「バン!」
「言われなくてもわかっておる!」
バンは正確に氷付けになったヴォルカン島の怪物を砕いて本体を外に放り出した。
「引きこもってないで表に出ろ。第二ラウンド開始だ」
次回!ヴォルカン島の怪物の本体と戦います!
一応、本体という表記になります。
それではまた次の話で!