百二十四話 まだ発展途上
バンVS夜真砥!決着です!
一応、決着ということで終わる回です。
そして最後に重大キャラ登場!
夜真砥を黒陽天蝕の剣先をバンに向ける。
「おいおい!近接攻撃でくるのか!」
「一つだけ言っておく。…死ぬなよ!聞きてぇことが山ほどあるからな!」
夜真砥はゆっくりと深呼吸をする。
そしてユニークスキルとスキルを発動させる。
「ユニークスキル、受け継がれる伝説発動。スキル、攻撃速度倍化、魔力吸収率強化、魔眼、観察眼発動」
そして発動と同時に真っ直ぐ突っ込んでいく。
(攻撃系のスキルをあまり発動してないな。炎属性耐性もなしかよ。魔力吸収率強化っつたら魔力を吸収する魔導士が使うスキルだろ?何で…まさか!あの剣って!)
バンは黒陽天蝕の能力を予測して回避行動を行う。
それに気づいた夜真砥は右に直角に曲がってさらにスキルを発動させる。
「疾風脚!空気抵抗低下!」
「さらに速くなった!」
「初めてユニークスキルを見た時よりも速いよ!」
ヴォルカン島の怪物の監視を忘れていてティナと朧は夜真砥の戦闘の感想を各々、言う。
(あの子達の言うとおり、スキルは累の時と同じだけど、さらに速くなってる!もしかしてマスターのユニークスキルが進化した!?)
「俺だってまだ発展途上だ!」
(見えなくなった!ユニークスキルを解除するか!?いや、解除したらそれ以上のダメージがくる!)
スピードでバンを翻弄させながら夜真砥は徐々に徐々にスピードを上げていく。
そしてタイミングを見計らって突撃する。
「神威流剣技奥義!」
(あのガキの技!?まさかあの位置から細かな動作が見えていたの!?)
「クトネシリカ!!」
殺さないように腹をぶつけてバンを港の端まで飛ばす!
「バン様!」
「野郎…やりやがったな!」
「魔力吸収完了だ」
天月夜剣第三形態黒陽天蝕の能力は相手の魔力を吸収して倍化する。
まさにカウンター技を行うための形態だ。
自分の魔力も吸収して倍化させることができるので大魔法を簡単に放てるが吸収したら十分間、吸収はできなくなる点が欠点である。
「詠唱にあった日蝕はこのことか!」
「正解だ!我は望むこの大地が海に飲み込まれることを!我は望む生命が母なる海に帰ることを!愛しき水の精霊が奏でるララバイを汝にも聞かせよう!大海が贈る子守歌!!」
夜真砥はバンから吸収し、倍化させた魔力で大海が贈る子守歌を放つ。
「…まあ、ここまでか」
大海が贈る子守歌はバンを飲み込んでそのまま海に流れていった。
「今のはさすがにヤバかったんじゃないの?」
防ぐよりも反らすことを選んだのか。
やったのはバンではないな。
新手か?
「ヤバくない。お前のように対処していた」
「なら、いいけどね。それより話し合いをしかいか?ヤマト・ツキカゲさん」
あの時のエルフ!?
なんとバンを助けたのは卒業対抗試合、第一試合の後に出会った社交的なエルフだった。
バンを助けたエルフはいったい誰だ!?
今更ですけどおそらく、種族エルフの初キャラですね。
それではまた次の話で!




