百二十二話 見返してやる!
少しスライムとの出会いをやってから再開します!
といってもこの話中に再開しますので!
夜真砥がこのスライムと出会ったのはリリムのもとを去ってから四年後のことだ。
夜真砥、十四歳、この時は月夜は使わずにサポートをしてもらっており、自分の実力を試すために他の武器で戦っていた。
そしてこのスライムと出会った場所はヴォルカン島、アルカデミア島を東に進んだら着く大陸、ザンリア大陸だ。
その大陸は北は銀世界、西側は砂漠や岩山、中央、東側は湿地帯や大草原といった多様な環境になっている。
その西側のある町で出会った。
このスライムは初めはティマーの魔物として使役されており、食べるものが鉱物であった。
最初は鉄鉱石で我慢してもらっていたが大事に保管していたアダマンタイトを食べてしまい捨てられたのだ。
その捨てられたスライムを鍛冶屋のゴミ置き場で見つけたのが夜真砥である。
最初は興味本位で拾った夜真砥だったがあることに気づく。
それはスライムが食べた鉱物の性質を獲得していることだ。
試しに武器になれるか試してみたら成功。
このスライムはどういった理由でかはわからないが突然変異したスライムだったのだ。
能力は二つ、食べた鉱物の性質を獲得できること食べた鉱物の性質を使い武器になれることだ。
要するにこのスライム、一匹だけで様々な武器を使えるのだ。
しかし、武器にするにはこのスライムの承諾がいる。
夜真砥は文字カードで聞いてみたらスライムはこう答えた。
『前の主人を見返してやりたい。だからお願い』と。
そして夜真砥は長い年月と努力と技術、ロックの協力を得て世界でたった一つの万能型の武器型生命体、オールラウンダーを完全させたのであった。
意識はあるので普段は普通のスライムや正方形の姿でいる。
夜真砥がタイプ番号を呼ぶとその武器の形となる。
武器の形は夜真砥が考えに考え抜いた形をしており、その型を作るために覚えさせるためにロックに預けていた。
時は経ち、このスライムの願いは成就した!
偶然にもアルカデミア島にいた元主人は口を開けて頭を抱えている。
あのスライムが序列一位の武器になっているなど想像になかったからだ。
「タイプ二!」
武器型生命体は大剣にして振ってバンを退かせる。
逃がすものか!
「タイプ四!」
(今度は槍か!)
夜真砥はバンを突き刺すように前進する。
槍は地面に突き刺さる。
その隙を見逃さないバンは近寄るが夜真砥は棒高跳びの要領で跳んでバンを蹴飛ばす。
「舐めんな!こいつはアダマンタイトよりも頑丈で豆腐よりも柔らけぇんだ!こんぐらいのことでは折れんよ!」
「少し侮っていたわ」
「タイプ十五!」
「モーニングスターだと!」
モーニングスター、鎖に棘のある鉄球がついている武器だ。
バンは投げられたモーニングスターを大剣で防いぐ。
しかし、思っていたよりも軽いことに気づいて前を向くがもう、遅い。
「タイプ十」
「魔力大砲!?」
魔力大砲、使用者の魔力を飛ばす武器だ。
使い方によっては魔法を飛ばすこともできる。
「ご名答!発射!」
魔力大砲から魔力の塊が発射された。
バンはそれを受けきることができずに飛ばされてしまう。
「タイプ十一!」
よし!弾を使わずに魔力を発射する銃だ!
緊急でロックに形状を変えさせたかいがある!
これであの時の問題、解決だな!
「終わりだ」
引き金が引かれ魔力の弾丸が発射された。
まるで時が止まったかのようにバンに迫る。
「舐めているのは貴様の方だ!ユニークスキル!」
ユニークスキルを発動させるのか!
でも、もう遅い!
…はぁ!?魔力の弾丸が消えた!?
魔力の弾丸だぞ!
なんで消えたんだ!
…バンの魔力に押し負けたのか?
ということはさっきまでのは本気じゃない!
「災厄は大地より出でる!!」
「あっつ!暑い!暑い!なんで急激に気温が上昇してんだよ!」
「第二ラウンドだ!火山より激熱なバトルをしてくれよ!」
確実にあいつのユニークスキルのせいだな。
…武器型生命体がビビっている。
こいつ万能といえば万能なんだか臆病者なんだよなぁ。
「いけるか?」
武器型生命体は銃の一部を元のスライムに戻してまるで嫌々と言ってるかのようにスライムボディーを振った。
「お疲れさん。また今度、頑張ろうな」
武器型生命体は元の姿となって収納箱の中に戻っていった。
次回!本気のバンVS本気の夜真砥!
まだデカ物の処理が終わってないのでさっさと終わらせます!
それではまた次の話で!