百二十一話 夜真砥VSバン
夜真砥VSバン!
ついに開幕!
そしてヴォルカン島で受け取った武器も登場!
俺は急いで港の方へと戻った。
そこに戻る途中で奇妙な光景を見ることになった。
あれは柘榴の炎竜団の団員か?
なぜ横列で盾を持って並んでいる?
まるでバリケードみたいだな。
「動きはあったか?」
「酒を飲んでるわ」
「酒を飲んでる?」
本当だ。
即興で酒の席を作って飲んでやがる。
舐めてかかってきてるのか?
というか老人じゃない。
「おいおい、どういうことだ!?俺の目の前では中年を過ぎた六十代手前ぐらいの騎士が酒を飲んでる風にしか見えねぇぞ!」
老人、この言葉を聞いてどんなことを思い浮かべるだろうか?
白髪頭、杖、しわくちゃの肌、海老のように曲がった腰など様々なことを思い浮かべるだろう。
しかし、バン・アリギエーテは全くそれに該当しない。
老人には着ることすら難しい鎧、地面に突き刺さった振るうことすら不可能な大剣、夕日のような赤毛など、まだ、老人と呼ぶには程遠い。
「行ってくる。何かあったら撤退しろ。月夜、ティナを守れ」
「了解。武器はどうするの?」
「こいつを使うよ」
夜真砥は収納箱からロックに仕上げてもらったモノを取り出した。
ロックさんから受け取ったヤツだ。
何なのこれ?
正方形だし武器じゃないよね?
「完成したんだ。マスターが考えた万能型の武器」
「えっ!?これって武器なんですか!?」
「武器っうよりかは生物だな。何だと思う?」
ティナでも一度は見たことあるはずだ。
「何ですか?」
「世界最強のスライム」
「はい?」
ティナの頭にハテナが大量に浮かんだ。
「に俺の考えた武器の形状を記憶させた武器形状記憶生命体」
「はぁ?」
「まあ、見てろって」
夜真砥は武器形状記憶生命体を魔法で浮かしてバンの近くに降りた。
「来たか」
「柘榴の炎竜団の団長、バン・アリギエーテとお見受けする。我と一騎打ちをしてくれないか?」
「事の顛末を説明しようと思っていたが良かろう!いい余興だ!」
「団長!時間がないんですよ!」
「死にたくなかったら下がっとれ。こっからは化け物の世界だ」
その通り、こっからは化け物以外は立ち入り禁止の領域だ。
戦いに身を投じてのめり込んでいった馬鹿だけのな。
バンは大剣を地面から引き抜いて突っ込んできた。
「武器型生命体!タイプ七!」
夜真砥が武器型生命体に触れて何かの命令を言うと武器型生命体はまるでスライムのようにグニャグニャになって大盾となって夜真砥を守った。
「…成功だ。よくやった!」
「何と珍妙な武器か…」
「一応、生命体で俺と契約してる魔物なんでそこんとこよろしくな」
次回!夜真砥とバンの戦いは意外な決着を向かえます!
早すぎ?ちょっとした理由があるのです。
それではまた次の話で!