百十六話 圧倒的戦術差
夜真砥が圧倒的戦術差を見せつけます!
今回は一話だけで終わります!
十人対五人、圧倒的にアルフェアン学園の方が不利だと観客は思っていた。
しかし、それは始まる前の話だ。
始まって数分経ったのに誰も倒れてない。
むしろフェイザース学園の選手が二人、倒れている。
まず夜真砥はこの地形に有利なヴァルトとルーに相手の陣地の周りを駆け抜けるよう命じた。
そこから場の流れは変わった。
ヴァルトとルーは駆け抜けながら周りの木々に煙幕を出す魔法を仕掛けていた。
それが発動して視界を奪い前に出すぎだ相手選手をエレンの超火力の魔法で倒したそれが今の流れだ。
(視界を奪って何をするつもりだ?私も奴もお互いの選手が見えなくなる。…待てよ。なぜ先ほど奴は攻撃命令を適切に下せた?…そういうことか!)
「私が戦闘をする際の心構えの一つにまずは敵の頭を潰せという考えがあります。大将ではありませんよ。頭脳のことつまり、軍師です。今回はフォクス学園長ですね。物理的に潰せないので視界を奪わせてもらいました」
「しかし、暁先生も彼らが見えないはずなのにエレン君に適切な攻撃命令を出せたのはなぜ?」
「私は魔力で彼らを見ています。幸いに彼らの種族はバラバラですからね」
別にこのやり方は珍しいものではない。
例えとしては盲目の剣士とかだな。
彼らは目が見えないので魔力の流れで相手を察知したりする。
これを常人が得ようとするのなら魔力をうまく捉える練習をしたらいい。
まあ、フェイザースの方も口だけじゃないようだな。
もう、魔力を見ている。
「作戦を第二段階に移行します!ヴァルト君、ベルさんは風属性魔法で煙幕を相手陣地に流してください!マーシュ君は相手陣地を覆う障壁を!最後に残った二人で炎属性魔法を発射です!」
「煙幕をこっちに飛ばす?魔力で見えているはず…まさか!お前ら!障壁を張れ!」
遅いよ。
俺が狙ったのは粉塵爆発だ。
煙幕は視界を奪うために出したものではない粉塵爆発を起こすためのカモフラージュ。
「「豪炎球!」」
エレンとルーが豪炎球を放って粉塵爆発を起こした。
障壁を張れなくて直撃し生徒三人が倒れた。
「何だよ今の!」
「一撃で三人も倒れたよ!」
これは狙ってなかったけど相手が混乱しだした。
これもありだな。
今度から取り入れるか。
「これで五人対六人です。まだ、やりますか?」
「黙ってろ!前衛の者は攻めろ!」
それって戦術か?
それと気をつけろ。
「そこトラップ魔法を仕掛けました」
「なに!?」
「体が痺れて…」
ちなみに仕掛けたのはちょっと電流を流し痺れさせてしばらく動けなくする電撃罠だ。
魔物に使う場合はもう少し威力を上げる必要がある。
「これで三人対五人ですね」
「棒のそばを離れるな!そこから魔法を放て!」
「障壁を展開してガード」
「近接攻撃…いや、遠距離のままだ!」
「エレン君、ルーさん、ヴァルト君で棒を攻撃」
「棒を守れ!」
フォクスは戸惑い始めた。
初めは優勢だったはずなのに今は劣勢。
そして二手三手先まで読まれている。
今の状況を例えるのならばフォクスはチェスのキングを必死で逃がしているチェックメイトはすぐそこだ。
「マーシュ君とベルさんで残りの三人を倒してください」
マーシュとベルは棒を守るため必死で防御している相手に近づいて魔法を放ち動けなくした。
守るものがいなくなった棒はすぐに倒れてしまった。
「チェックメイト」
「そんなバカな…。この私が育てた生徒が負けただと…」
「優勝はアルフェアン学園四組!」
「よっしゃ!優勝だあぁぁぁぁ!!」
アルフェアン学園は優勝そして卒業条件をクリアした。
それと同時に夜真砥は臨時担任を終えるのであった。
次回はフェイザース学園の学園長、フォクスがある行動を取ってそれにキレた夜真砥がフォクスと決闘をします!
ほとんど言ってしまった( ・_・)
それではまた次の話で!