百十四話 敗北
ヴォルカン島の怪物から逃げ出した夜真砥!
果たしてヴォルカン島の怪物との戦いはどうなるのか!?
章の最後に戦います(´-ω-`)
ティナの要請により演習用大森林にやってきた冒険家達に山頂で仰向けに倒れていた夜真砥は発見された。
要請によりやってきた冒険家は夜真砥が作った魔糸の縄で恐る恐る下に降りていったがそこにはもうヴォルカン島の怪物はいなかった。
夜真砥はギルドが運営している病院に搬送されたが命には別状はないと診断され医者が言うには精神がやられただけだと。
夜真砥は半日ほど寝ていた。
「マスター!」
「…あいつは!ヴォルカン島の怪物はどうなった!」
「逃げた」
「そうか良かった」
いや、良かったのか?
あんな奴を野放しにして何が良かっただ!
テメェはあの場から逃げたんだぞ!
少しは戦えよ!
「糞ったれ!」
「怖かったの?」
「いつも怖いさ。でも、あれは違う!俺達が刃向かっていいものではない!まるでこの星を相手してるようだった」
「そう…言ってくる。ギルドから調査を頼まれたから」
奴の魔力をたどって居場所を探れとでも言われたのか。
ギルドはあの怪物をどうするつもりだ。
「あとあの老人の仲間のことも考えておいてね。板挟みになるかもしれないから。それとうるさいのが来ますよ」
うるさいの?
そういえばティナや朧はどうした?
うるさいのってこの二人のことか。
どうせ前みたいに鼻水垂らして来そうだから、
「夜真砥~!」
「障壁展開」
障壁で止める。
何で障壁を張るの…。
鼻が超痛い。
「大丈夫なの?」
「何とか大丈夫です」
いや待て鼻水と一緒に鼻血出てるぞ。
それを世間一般で言うところの大丈夫に入るのか!?
「俺は無事だよ。無様に逃げてきただけだからな」
「…逃げてきたってそんなこと」
「ないです!」
ティナは見事に朧のセリフをかっさらっていった。
「ありがとう代わりに言ってくれて」
何か朧さん怒ってない?
まあ、いっか怒る要素なかったし。
「夜真砥は前に言っていました!逃げることも大事だって!今は逃げてもいいんです!次は勝ちましょう!死ぬよりかはマシです!戦って死んでどうするんですか?だったら生きて次は勝ちましょう!」
「…そうか次、勝てばいいんだな。でも、勝てるかどうかわからんぞ」
「大丈夫!あんたなら勝てるでしょ?英雄の意地ってヤツを見せなさい!」
二人とも無茶苦茶なこと言ってくれるな。
でも、勝たなきゃあれは野放しになる。
それにあいつの主食がマグマなら日の本にも危険がおよぶそれだけは絶対に避けたい。
「そういえば卒業生対抗試合はどうなった?」
「今から決勝戦ですよ。早められて今日で終わります。卒業式も今日です。勝てたらの話ですけど」
「楽勝でした!」
「お前ら…相手はどこだ?」
「フェイザース学園」
フェイザース学園、確かにあの学園は強そうだがこいつらなら問題はないだろうな。
「問題はないと考えていません?問題はありますよ」
「ファゼル先生。問題とは?」
「フェイザース学園が掲げている校訓的なモノです。彼らは粉砕覚悟を強いられています」
「粉砕覚悟?」
「例え骨が折れても四肢がもげても敵の喉元に噛みつき粉砕覚悟の意志を持って殺せと教えられているそうです。マーシュ君曰わく」
何でそこでマーシュが出てくるんだ?
「僕は元フェイザース学園の生徒です。あそこの学園長はかなり危険思想の持ち主です。名門校ですがあそこの思想はバカげています」
なるほどその校訓とやらが嫌でこっちに転校してきたのか。
多分それは正解だろうな。
おそらくあの学園の生徒の大半は精神がやられているな。
ちょっと待て…さっきから何か引っかかるなぁ。
「ああ!!」
「ビックリした!何ですかいきなり!」
「この手紙、渡すの忘れてた!」
夜真砥は収納箱からヴォルカン島でロックから渡された手紙を取り出した。
どうやらすっかり忘れていたようだ。
「…これってフェイザース学園の学園長宛ての手紙ですね」
「そうなの?…試合が終わったら渡しに行くか」
悪いロック、完全に忘れてた。
今度何か武器の製作を依頼するなら金を余分につけるから許してくれ。
まあ、それも忘れると思うけど。
都合上、決勝戦まで飛ばしました!(*´▽`*)
次回はフェイザース学園VSアルフェアン学園です!
それではまた次の話で!