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勇者の弟子は魔王の娘?~魔王になれなかったので勇者の弟子になります!~  作者: 寅野宇宙
第二章 チートキャラは王都魔法闘技会に出場してください!
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11話 化け物と暴力

 タイトル通り化け物登場します!一様人間ですよ。 

 それとテレビからの声は『』表します。

 

 戻ると早々にヤマトは王宮の一室から借りてきたテレビの電源をつけた。

 王城にもなるとテレビの二台や三台と借りれるほど置いてある。


『二回戦!あっけなく終了!開始早々に上空から飛来した剣により相手選手はダウン!』


『それでは三回戦にいきましょう!』


 テレビをつけたら二回戦が終わっていた。

 上空から飛来した剣とか感覚や風の流れでわかるだろ。

 相手選手に目をやりすぎもう少し周りをよく見ろ。


「選手の動きや魔法をよく見とけ」


「わかりました!」


『三回戦は目が離せない!ギルドランク序列十一位!ボルクス・リーグ選手が緊急参戦されたました!』


 ボルクス・リーグ、その名が出ただけで会場がヒートアップする。

 その熱気はヤマトの出場と同レベルのものだ。

 

「誰ですか?ボルクス・リーグって」


「対人戦闘のプロ、そのキャリアから戦場の番人(せんじょうのばんにん)の二つ名を持っている」


「ヤマトより強いの?」


「俺よりかは弱い。だが対人戦闘にかけては五本の指には入る強者(つわもの)だ」


「ほぇ~、これじゃ相手選手の負けですね」


「そうだな」


 そう思っていたのは一瞬だけだった。

 相手選手の入場とともにかき消されたからだ。


「何だこの並々ならぬ殺気は!?」


「どうしたの?」


 相手選手の入場とともに会場のベテラン冒険者やそういった戦闘等の仕事に関する者共の背筋が凍りつく。

 長年の勘というよりかは『今すぐに逃げろ』という命からの警告、遭遇してはならない生物が入場する。

 そして、その生物に対しては早々に行動したのはミスターナレーターだった。


『今すぐ結界を最大まで強化しろ!恐怖耐性も追加だ!』


『どうしたんですか?ミスターナレーターさん』 


『リコ、今すぐ実況机の下に隠れろ。この殺気はお前では耐えられない』


 会場が緊張しているどうしたんだろう?

 あれ?ヤマトが無言でテレビを消してきた。

 もっと中継を見たかったのに~。


「中庭で修行の準備をしてろ。念のために俺は闘技場に行く。死者が出る可能性があるからついてくるなよ」


「ボルクスさんってそんなにヤバい人なんですか!」


「死ぬのはボルクスの方だ」


 え?ボルクスさんって強いんじゃないの?


 俺は転移の穴(ワープホール)を使って闘技場内に転移する。

 おいおい、殺気の暴風の中かよここは!

 魔王討伐の際か竜種の死に際並みの殺気だぞー


「ミスターナレーター、このまま試合を続行するのか!」


「ああ、続ける。何かあったら止めてくれないか」


「了解した。責任は取らないからな!」


 続行には賛成でけないが状況も状況だ。

 このまま止めたら観客が暴動を起こしてしまう。

 それにこの状況下では暴動の方が危険だ。


「相手選手の名前は?」


「さほど珍しくないが偽名だ。ハデスと名乗っている。」


「確かとある神話の冥界の神だったな」


「ああ、だが今はその偽名を語るのにふさわしいと思っている」


「試合開始!」


 リコが隠れながら試合のコングを鳴らす。

 それと同時にハデスからとてつもない殺気が溢れ出たぞ!


「さっきまでのは本気じゃないのかよ!」


 ボルクスの後ろの観客席の子供が次々と気絶する。

 修羅場を生きる者からの殺害予告、これで気絶しない子供はいない。


「バトラー!王宮の救護室を借りるぞ!」


「頼む!おい!王宮に電話しろ!今から転移してくる子供たを手当てしろとな!」


「はっ!」


 ボルクスの後ろの観客席で倒れている子供達を回収するために俺は観客席に転移する。。

 さてさて、これは思ってたりも重労働になるぞ。

 ハデスが入場する前に気絶しなかったとはよく頑張ったものだ。


「親御さんですか?お子さんと王宮の救護室までワープさせますので大人しくしてください」


「はい、ありがとうございます」


 ハデスの前に来たら余計この状況が危険だと思ってきた。

 …子供の転移もさせながら老人も避難させておくか。


「なんとか終わったな…」


 子供と老人を全員ワープさせてボルクスの方を見たら全身を震えて剣を落としていた。

 いや…まてよあの百戦錬磨のボルクスが震えているだと!


「どうした?小僧、早く剣を拾わんか」


 ハデスは自分の口髭をいじり余裕な素振りを見せる。

 これはもう試合と呼べるようなものではない戯れだ


「あっ…あれ…ななな何なんだこれ?体のふ震えがととと止まらない!けけ剣が拾えねえ」


 ボルクスの震えが段々と小刻みになっている。

 そしてあろうことか髪が徐々に白髪になり老化していく。

 百戦錬磨の生命が停止する予兆だ。


「おいおい!今すぐに試合を中止させろ!」


 このままではボルクスが殺されるぞ!

 この状況に陥った生物がとる方法はただ一つ自分の生命活動を停止させることだ。

 今の試合の状況を言葉で表すと生まれたての赤ん坊が助けや道具が何もない状況で世界最強の魔王に勝負を挑むようなものだ。

 それだけこの状況は危険すぎる!


「マッママ助けて…お家に帰りたいよう」


 更にボルクスは幼児退行を始める。

 生命活動の強制停止からのそれに抗うための命乞いだ。

 赤子ならば救われるという哀れな答えである。


「剣を握りしめていた大人が『ママ助けて、お家に帰りたいよう』じゃと?情けないさっさと楽にしてやろう」


 ハデスがボルクスに剣を振りかざした。

 あの野郎ボルクスを殺す気だ!


 俺は何重にも張られた結界を破りハデスの剣を受け止めるためにボルクスの前に降り立った。

 観客席よりも殺気が数倍に膨れ上がった!?

 こいつ周囲に殺気を無差別に振りまいていたのではなくボルクスに集中的に浴びせていたのか!

 子供達が受けていた殺気はその残りカスのようなものか!


「もうこれ以上は止めてもらいますか」


 何なんだこの剣圧は…。

 よくもまあこんな化け物が今まで潜めていたものだ。


「儂の剣を受け止めるとは小僧何者だ」


「あんたと決勝戦で勝負する相手だ」


「ふん、楽しみに待っているぞ」


 そう言い残すとハデスは自分が入ってきた入場門に戻っていった。

 これは決勝戦の出場枠を一つだけ確定にすべきだな。


「実況さっさと判定しろ!」


「この試合に勝敗をつけたくないがしょうがない。ボルクス選手戦闘不能によりハデス選手の勝利!」


 ミスターナレーターのジャッジを聞いて俺はボルクスを連れて王宮の救護室に転移した。

 …殺気のない空間がこれほどまで気持ちがいいのは初めてだり。


「おい!ボルクスしっかりしろ!」


「ヤヤマトか。ああいつとはた戦うな…準決勝までい行たら辞退しろ」


 恐怖を和らげるために鎮静魔法をかけてやるか。

 それと精神異常回復魔法はサービスだ。

 これで元の見た目に戻っているはずだ


「それは無理な話だな」


「何でだ!お前も直で受けてわかったはずだ。あいつは出場選手の中でも別格だ!人間の領域を軽く越えてるぞ!」


「だとしてもだ。俺には師匠としてのプライドがあるからな」


「そういえばお前弟子を取ったんだったな。そういうことなら止めはしない死ぬなよ。俺はしばらく冒険家の仕事を休む」


「ご心配ありがとさん。ゆっくり休めよ」


 ヤマトはボルクスと別れティナが待っている中庭に向かった。


「お!剣の素振りか!」


 中庭に行くとティナが剣の素振りをしていた。


「はい!リリムさんが定期的に素振りをするように言っていたので」


 あいつたまには気が利くことをするな。

 おかげで教える手間が少しだけ省けた。


「それで、試合はどうなったんですか?」


「ボルクスのリタイアで相手選手の勝利だ」


 ボルクスさんリタイアしたんだ。

 死ななくて本当に良かったぁ。


「今日は自分の技を作ってもらう」


「技ってなんですか?」


「武術や魔法、スキル等を合わせた自分なりの攻撃手段みたいなものだな」


 ということはヤマトが防衛戦で敵の大将を倒した感じのやつかな?


「具体的にどうやればできるんですか?」


「例えば火球(かきゅう)を作らずに魔力を剣に溜めて」


 ヤマトが握っていた剣が真っ赤に燃え始めた。

 スゴい! こんなの初めて見た!


「まあ、俗に言う属性魔法の付与(エンチャント)だな。試しにやってみろ」


「はい!」


 火球(かきゅう)を作らずに剣に魔力をためてこんな感じ?

 私の握っていた剣がどんどん燃えていき火柱を上げてきた。


「わわわ!これどうしたらいいんですか!」


「初めて魔法を教えた時と一緒だな。ちょうどいいそのまま火球(かきゅう)にしろ」


「しました!」


「そのままこの水の壁に当ててみろ」


「えい!」


 巨大な火球(かきゅう)が水の壁に当たり水が一瞬にして蒸発した。

 そういえばこの巨大な火球(かきゅう)ってあれだよね?

 ヤマトが最初に私に見せたあの魔法にそっくりだ。


「これってヤマトがアンデットスカルを倒した魔法ですか?」


 私が放った魔法はヤマトがアンデットスカルを倒した炎属性魔法に似ていた。


「そうだ。豪炎球(ごうえんきゅう)と名付けられている。俺は別のことをしてるから炎属性魔法を剣に付与(エンチャント)する練習と豪炎球(ごうえんきゅう)の練習をしてろ。この周りの魔素で無限に再生される水壁に当てろよ」


「はーい」


 普通に疑問をぶつけずに返事をしたけど何なのこの魔法。

 無限に再生するとかどういう仕組みよ。


「それと俺に用があるときは大声で呼べ。間違えても俺の所に来るなよ。…集中力だけはあるな」


 俺はティナから約五十メートル離れた場所に大きな壁を作る。

 更に壁から百メートル離れて四方にも同様の物を築き上げる。

 侵入しないための障壁というのもあるが今からやることを見せないために。


「ハデスとの決勝戦で戦うとなるとあの殺気を耐えなきゃならない。やっぱり、このやり方しか思いつかないな」


 俺は自分の四方に状態異常反射魔法を付与(エンチャント)した等身大以上もある鏡を置いた。


「殺気を状態異常で表すなら精神異常、要するに恐怖だ!」


 この鏡に向かって自分の殺気を飛ばしハデスの殺気に耐える特訓をする。

 おそらく、殺気を恐怖に変えて跳ね返してくるはず。

 だが、この魔法で相手の殺気を跳ね返すことは微調整もいるし不可能だろう。

 あえて言うなら恐怖耐性を強化する訓練と言ってもいい。


「準備できたし殺気を飛ばすか」


 鏡の中央に座り殺気を周りに飛ばした。


「やべぇ…自分の殺気を四倍にしただけで体が震えてやがる」


 この倍の殺気を決勝戦に喰らうことを考えただけで身の毛が弥立つな。

 …さて、早急に済ませたいから少し強めてみるか。


「ぐああぁぁぁぁ!!」



「えっ!?今の何!ヤマトが叫ぶぐらいの事ってなんの!」


 怖い怖い考えたくないよ。


 その後、大会初日は終わり二日目を迎える事になった。

 それと特訓中に『ハデスとボルクスの試合を見たド三流どもは腰を抜かして大会を辞退した』と王宮側から連絡がされていたそうだ。 

 まあ、あれを見たら自分の小ささが身に染み渡るわな。

 登場した化け物の名前はハデス(偽名)次は決勝戦で登場します!

 ということはヤマトも決勝戦に出るのかって?さあどうでしょうか?

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