百六話 第二種目はトライアスロン
第二種目開始直前の話です。
第一種目は難なくアルフェアン学園、四組の完全勝利で終わった。
言い忘れたがブロック形式となっている。
十五校、四クラス、合計六十クラス、それを十ブロックずつにわけて三位までを次の種目に進出させる。
これで第一種目で三十クラスは落とされる。
そして第二種目は少し変えて順位形式になる。
最低十五位まで次の種目に出場できる。
ちなみに第二種目で今日の種目は終わりだ。
そんで第二種目はトライアスロンだ。
三年間学び舎として使ったアルカデミア島に感謝しながらグルッと一周回ってくる簡単な種目だ。
だがその前に、
「第一種目、完全勝利だ!昼の第二種目に向けて腹ごしらえだあぁぁぁ!!」
昼飯だ。
昼からトライアスロンを入れた奴は鬼だな。
横っ腹、痛くなるぞ。
「あんまり食べちゃダメよ。昼の種目に支障が出るからね」
そうそう、俺もこいつらと昼飯を食べるので暁先生の姿になってます。
それともう一つ、見事にアルフェアン学園の四組以外は第一種目で敗退した。
そして学園長、メルウィスに説教されている。
何でも調子に乗って負けたらしい。
「それよりトライアスロンはどんな場所を走るのですか?」
「まずは中央広場からのスタートです」
あのやたら別れ道がある広場か。
「そしてそのまま真東の道に進んで客船などを現在、泊めている港を走ってアルカデミア島の正門まで行きます」
俺達が初めて降り立った場所ね。
「正門を抜けて第二走者に交代、第二走者はビジネス街とショッピングエリアを決められた順序で進んでいき演習用大森林の手前で第三走者と交代してそこに入っていきます」
一番の問題箇所になるな。
魔物と鉢合わせしたら時間がロスする。
逆に言えば巻き返すこたができる場所でもある。
「演習用大森林を抜けたら第四走者に交代して学校エリア、南側を走ります。そこを抜ける頃に最終走者と交代なのですが」
「何か問題でも?」
「学校エリアでは後輩達による魔法での歓迎があるんですよ。たまに集中砲火されます」
嫌がらせか!
でも、確かに問題箇所だな。
演習用大森林よりもたちが悪いな。
「そして最終走者は手付かずの自然が残る崖側を走ります。最終的に第一走者が港に出てきた道にたどり着き右に曲がって反時計回りになるように中央広場に向かって行きます。それでゴールです」
最終走者はかなりの距離を走るんだな。
口出しすることはないな。
「采配はファゼル先生に任せます。私は第二種目に関しては一切口出ししません」
「なぜですか!?」
「あなたは私より長く生徒達を見てきました。私が感じることができないことを感じることができます。なのでファゼル先生に任せます。防音結界」
夜真砥はファゼルと自分の周りだけに防音結界を張った。
「てか、生徒の期待を裏切るんじゃねぇよ。一応、テメェはこいつらの担任教師だぞ。最後の最後まで俺に任せっきりか?なんなら負けさせてもいいんだぞ」
夜真砥はファゼルに鼓舞するかのように多少、脅しぎみで忠告し防音結界を解いた。
「以上」
そしてニコリと笑う。
「…はい。みんな昼ご飯を食べ終えたら話を聞いてくれ!」
昼休みはあっという間に過ぎていき熱気がさめないまま第二種目に突入し、進出したクラスの第一走者はスタート地点に立った。
それと同時にそれぞれの区間を走る走者の名前が大画面に映し出された。
ルー、ベル、マーシュ、ヴァルト、エレンの順である。
「それでは第二種目、開始!」
審判の空砲により第二種目は開始された。
次回から第二種目開始です!
ファゼルが力を見せる時!
それではまた次の話で!




