百五話 特訓の成果
試合始まりま~す
大型テレビがある公共施設や卒業生対抗試合の時に設置される施設に行ってみたがどこも満室だったのでギルドの方にやってきた。
どうやらギルドランク上位者はギルドの三階にある大型テレビで見物することができるそうだ。
というわけで俺は堂々とそこで見物してます。
「おい、見間違えじゃないよな?そっくりさんとかじゃないよな?」
しかし、変装はしてはいけない決まりなので目立ってしまうのが難点だ。
「本物なのに何で疑うんだろうね?」
俺の連れなので朧、ティナも入ることができる。
「じゃあ朧、逆に聞くけどさ。例えばここにお前の親父がいたら信じるか?」
「え!?お父さんいるの!?」
「例えばの話だ」
「信じない」
「だろうな。そんな有名な人がこんな場所にいるはずがないと誰でも考えてしまうことなんだよ」
この考えを利用して潜入作戦とかできるんだよなぁ。
「ああ、なるほど」
「あ!始まりましたよ!」
さて、特訓の成果を見せてもらおうか!
場所は変わり画面の向こう側、第三スタジアム。
「第一種目、一回戦、アルフェアン学園四組対ガルバ魔工高校二組、始め!」
「初戦からアルフェアンの出来損ないかよ!ラッキー!余裕だぜ」
「おい、向こうの連中、何か言ってんぞ」
「そうだな。すぐ黙らせる。爆竜砲!!」
エレンが爆発しながら一直線に進む炎属性魔法爆竜砲を放つと相手の的が一気に四枚割れた。
ちなみに的は全部で十枚だ。
「…何だよ今の!?」
「出来損ないの集団じゃなかったのか!?」
「俺達、確実に成長している。…狙うのは優勝のみ!絶対に勝つぞおぉぉぉ!!」
「エレンにばっか目立たせてたまるか!」
そしてマーシュは放った魔法を操作して岩陰に隠してあった的を破壊する。
「奥の岩陰に二枚!…トンネルに一枚!後は相手の足元に一枚あるよ!待ってヴァルト、ルー!三番と七番の的が狙われている!」
「了解!例の作戦やるぞ!」
「あいよ!」
ルーとヴァルトは相手の魔法を誘導させて相手の的にそれを当てた。
「よっしゃ!」
「やった!」
「何やってんの!」
「そっちの操作が悪いんだろ!」
「マーシュの作戦通り、仲間割れしている。操作組!喜ぶのは後でいいでしょ!エレン、十一時の方向に二枚、固まってるわ!」
再びエレンが爆竜砲で地形を破壊しながら的を破壊する。
しかし、一枚逃した。
「マーシュ!」
「すでにやった!」
それをマーシュがフォローして破壊した。
「残り二枚!中央にあるよ!」
「早く破壊しろよ!」
「やってるわよ!そっちこそ何で固まってるの!」
「隠れれるところがねぇんだよ!」
これも四組の作戦である。
地形を破壊して相手の的の隠れる場所をなくす。
逆にこちらの方に来たら先ほどのように相手の魔法に当てればいい。
「お前、マジで参謀に向いてるぞ!」
「さすがにそんな地位にはつきたくないけどね!」
「「これで終わりだ」」
相手の的は全て破壊された。
「そこまで!勝者、アルフェアン学園、四組!」
四組の勝利を夜真砥が喜ばないはずがない。
ギルドの見物席で拍手を送っている。
「お見事」
「…何か私の立場が危ういかも」
「元から危ういでしょ」
「それは言わないでください」
まあ、第一種目は飛ばして第二種目に行っちゃいます!
それではまた次の話で!