百四話 始まりの号砲
始まりました卒業生対抗試合!
とりあえず序盤は薙ぎ倒していきます(o゜∀゜)=○)´3`)∴
島のあちこちから打ち上げられた花火の轟音により開会式が行われた。
一方、夜真砥は見回りをしている。
指示は基本、ファゼルだが夜真砥にも来たりするのでトランシーバーというある程度の範囲内なら通話できる魔導具を持っている。
「異常なーし」
特に何も異常はない。
…というかこれって最終日、直前に出てくるパターンじゃね?
絶対そうだな。
『夜真砥先生、第一試合はシューティングです』
「何だそれ?」
『先生の母国で言うところの射的です。魔法でのですが』
ああ、射的ね。
一回、銃の威力を最大限まで上げて店ごと吹き飛ばしたことあるわ。
「で、ルールは?」
『同時に行い先に相手の的を全て壊したクラスの勝ちです。的は魔法で二名が動かせます。そして射撃役も二人で最後の一人は指示役です』
「指示役?」
『ちょとした入り組んだ地形になっているんです。打つ役は指定された場所でしか行動できず指示役、的を操る役はそれぞれ違う展望台にいます』
要は遠距離攻撃の性能を確かめるテストね。
「言われなくても配置する場所はわかるよな?」
『当たり前です』
「ならいい」
ファゼルは理解していた。
指示役はベル、打ち役はマーシュとエレン、的を操る役はヴァルトとルーだ。
ドライヤドのベルは土地勘に優れているので指示役、マーシュは案外、魔法の才能があるので打ち役、エレンは高火力の魔法も打てるので打ち役、ヴァルトは風の流れを掴み取れるエルフなので的を操る役、ルーは獣人なので目がきくなので遠くまでよく見えるので的を操る役だ。
さてさて、どうなることやら。
「大画面テレビのところに行くぞ」
「了解…しました」
「てか、お前は人に肩車されてるのにそこで煎餅を食うな」
「マスターはこれぐらいのことされて当然です」
そうかよ。
まあ、障壁でこぼれカスを下に落としてるからいいけどな。
「そういえばティナは?」
「人混みの流れに飲み込まれました」
ホントだ。
遙か彼方に流されている。
「何やってんだあいつ」
「朧、首根っこ掴んでもいいから連れてこい」
「魔法で引き寄せたら?」
「あんましムチャはできないの」
ジュダ並みの強さのバン・アリギエーテと手加減なしで戦わないといけないからな。
「わかった」
「すまんな」
「…スゴい身のこなしですね。あなたの彼女さん」
誰だ?
知らない顔だな。
「いえ、彼女じゃないです。単なる仲間ですよ」
「そう思ったよ。じゃあねぇ~。ヤマト・ツキカゲさん」
「月夜、エルフってあんなに社交的だったか?」
「興味ないので知りません。てか、あのエルフ、何でマスターの変装を見破ったのでしょうか?」
「…さあな」
あ、首根っこ掴まれて戻ってきた。
というか泣いてるし。
「人混み怖いです~」
「じゃあ、俺の腕に掴まっとけ」
「はい」
というわけで後半に柘榴の炎竜とその他の指名手配犯が出てきます!
それではまた次の話で!




