百二話 虚無に消えた真理
フラグ立てまくります!
とりあえず疑問に思っておいてください!
異空間の書架に来てから一日経過した。
月夜と朧を昨日の夕方に連れてきたので今、報告を受けている。
予想はしていたがこの島のしたにジュダの仲間は潜伏していた。
「下水道の温度がやけに高かったと」
「そう。お陰様で何か変なのが発酵して臭い匂いを周りに撒き散らして鼻がひん曲がりそうだったわ。もう二度と行きたくない」
それはご苦労様。
「何をしているのじゃ?」
「これからのことの話し合い」
もしも朧が老人口調のままだったら完全にリリムと被っていたな。
ある意味、それが嫌で警告したのか?
「それはおそらく炎の魔力が下水道のさらに下で活発化しているんだろうな。…炎の魔力を使うジュダの部下か」
「本オタク、あんたサルディア帝国にも根を張ってるでしょ?何か知らないの?」
「本オタクとは私のことか!?もっと私を敬え追放者が!」
「あぁ!!私は一応、神の分類に入るんだけど!消し去るわよ」
これは脅しじゃない。
月夜は日の本の国の最高神のそば付きだったからな。
だが追放された理由が胡散臭い。
何かヤバいことを隠しそうなんだがあんまし興味もないので嘘の方を信用している。
「…あるよ!これがサルディア帝国の歴史書の原典だ」
「ありがとさん。…こいつだ。名はバン・アリギエーテ、敬意を込めて灼熱の獅子王と呼ばれていた。サルディア事変でジュダと共に暴れ共に国外に逃亡した元騎士団長」
「…幼少期のジュダを鍛えそれ以降、指南役に抜擢された」
ということはかなり強い老兵が潜伏しているのか。
「…それっておかしくない?」
「どういうことだティナ?」
「だってジュダさんはかなり年を取ってますよ。バトラー陛下も六十代以上の見た目をしてます。なのでそのバンっていう騎士団長さんは低くても八十代になりますよ。そんなんでよく戦えますよね」
確かにティナの言うとおりだ。
兄上には叢雲家の優秀な門下生が指南役でついていた。
年齢は二十代後半だ。
バトラーの年齢は六十八だ。
低くてもジュダの年齢は六十になる。
ということはこのバン・アリギエーテは低くても八十、そんな奴が戦えるとは到底思えない
…この歴史書が間違っているのか?
でも、ダンタリオン曰わく、ここにある歴史書はどんな魔法干渉があっても変わらない。
現に零夜のことが書かれた書物もここにある。
…わけがわからん。
「…考えても埒が明かん!てか、さっきからダンタリオンは何でこっちをジロジロ見てる」
「いや、何か四人の方が貴様らしい気がしてな。前に一人で来たときは何か欠けてるなと思っていてのだ」
「はぁ?」
こいつも何言ってんだ。
「夜真砥、貴様、何か大事なことを忘れてないかそれも命より大事な」
「…命より大事なもの」
「マスター、ご褒美の煎餅ください」
「ああ、多分それだ。ほらよ」
煎餅をあげないと月夜に殺されるからな。
なので煎餅は命と同等の価値だ。
今はな。
「いや、そういうことじゃなくてな。私は常々、思うことがあるのだ。この世界は本当に私が存在していた世界なのかと」
たまに小難しいことをダンタリオンは言うが今回のことはよくわからんな。
さて残り二日で例の卒業生対抗戦か。
今のあいつらなら何とかなるだろ。
というわけでこの章のボスはバン・アリギエーテです!
ちなみに神曲で有名なダンテ・アリギエーリがモデルとなっております!
それではまた次の話で!




