九十六話 月帝VS女帝⑤
いい加減終わらせたい(´-ω-`)
まあ、楽しいからいいけど(*^▽^*)
あいつも本気を出してきたところでリリム対策の武器をここで使うとするか!
「おや?夜真砥選手、剣をもう一本取り出しましたね」
「あれは魔法を斬る剣だね」
その通り!
これは魔法を斬るために特化した剣、魔滅の剣だ!
まあ、消す訳じゃないから限度はあるがな。
「我は望むこの世界が氷に包まれることを!我は望む汝の時間が永久に止まることを!美しき氷の精霊が奏でるレクイエムを汝にも聞かせよう!氷河が贈る鎮魂歌!」
容赦なく氷河が贈る鎮魂歌を撃ってきた!
ならこっちは炎属性魔法で対抗…いや、雷属性魔法だ!
「変われ!」
やっぱりそう来たか!
大海が贈る子守歌に変えやがった!
じゃあ同じ威力の雷属性魔法で打ち消す!
「我は望むこの大空が暗雲に包まれることを!我は望む我が眼前に天を穿つ雷が落つることを!荒々しき雷の精霊が奏でるカプリチオを汝にも聞かせよう!稲妻が贈る狂想曲!」
詠唱を終えると巨大な竜ほどあるような大きな雷が天空から落ちて大海が贈る子守歌に激突した。
けっこう早口で言ったが成功したようだな!
でも、打ち消すことができるのか!?
リリムのことだし感電対策はしてあるだろうな。
念のために…。
「強力な魔法が中央で激突した!」
(このままだと夜真砥が押し負けて大ダメージを喰らってしまう。…だけどこれだけ終わらないよね)
押し負けそうだ!
押し負けてしまうのなら押し返せばいい!
夜真砥は二本の剣を構え体を勢いよくひねる。
「剣技!竜巻衝撃波!!」
そしてリリムに向かって一直線に飛んでいく竜巻を起こした。
しかも稲妻が贈る狂想曲を押しながら。
「合技」
「儂の魔法が押し負けたじゃと!?」
「雷風竜の巣窟!!」
雷風竜の巣窟はリリムに直撃して壁際まで飛ばされた。
「これは決まったかあぁぁぁぁ!?」
通常は魔法と魔法でやるものだが全力でやれば剣技と合わせてもできるんだな。
「…かなり効いたぞ夜真砥!でも、地上ばかり見ていてよかったのか?」
地上ばかり?
まさか!?
上空を見上げると満点の星空を埋め尽くすように魔法陣が無数にあった。
星落つる終焉の日の時で理解していると思うがここはちょっと変わった異空間なのだ。
ただ何もないがこの星と同等の地形を持つ空間、要は建物を全て消したような空間なのだ。
なので星空もある。
しかしこれは星落つる終焉の日とは別の魔法だ。
星落つる終焉の日は隕石を引き寄せるだけで魔法陣は使用しない。
これは崩壊する世界、無数の魔法陣から各属性の魔法を放つ魔法、まさにその光景は天空が崩落してくるよう。
「今、世界は終わりを迎えた!世界よ抗う間もなく崩れ去れ!火は生命を燃やし水は大地を沈め風は嵐を起こし雷は天を穿ち土は星を壊し闇は恐怖を植え付け光は絶望と共に瞬け!希望の光は消えた!今宵は天が崩壊する終焉の日なり!天よ!大地を貫く刃となりてこの地に降れ!時は来た!来たれ終焉の裁きよ!崩壊する世界!!」
やっべ…。
これどうやって対処しようかな?
「障壁を最大強化!観客は体を倒して頭を守れ!死にたくいなら顔を出すなよ!貴様も実況席の下に入れ!」
「わ、わかりました!」
「耐えれるのか夜真砥!?」
「耐えれるのかって?そりゃあ俺が聞きたいねぇ剣の要塞!今すぐ撤退しろ!」
「ギョイ。ブウンヲイノリマス」
「そりゃあどうも!」
やれるかどうかわかんねぇができるだけやってやんよ!
さて夜真砥はアルマゲドンを耐えることができるのか!?
それではまた次の話で!




