九十三話 月帝VS女帝②
昇格試合編まだ続きますよ!
仕切り直しをした後、すぐにリリムは仕込み杖で夜真砥に斬りかかった。
ルール上、魔導士でも近接攻撃はありである。
そして仕込み杖もありなのだ。
もちろん、夜真砥はそれをわかっていたので剣で防いで距離を取る。
「なあ先生、夜真砥先生が使っているあの武器の名前は何ですか?」
「それなら入り口で配られたパンフレットを見なさい」
それなら私も見た。
夜真砥とリリムさんが使う武器などが載ってた。
「今使っている剣は…マジかよ!?」
「どうしたのエレン?」
「名前は天牙魔狼剣…素材は神獣フェンリルの骨」
「神獣フェンリル!?」
一同はエレンの言葉に驚きパンフレットを見る。
あのティナでさえ見たのだ。
「入手した経緯はフェンリルの親子と仲良くなりその親父が死んだ時に息子からもらっただって」
「フェンリルはよっぽどのことがない限り討伐依頼が出ないので本当でしょうね」
「効果は無条件で全属性耐性強化、身体能力強化、魔法を放つ際の魔力軽減!?」
フェンリルの剣を持っているんだ!
スゴいな夜真砥は。
「どうやらフェンリルの骨であの剣は作られているようです」
「そうだね。フェンリルの素材は様々な効果があるのでよく重宝させるけど神獣なのであまり出回らないんだ。王様なら持ってると思うよ」
あの親子とはよく交流して仲良くしたものだ。
でも、まさか父親が友の証として死んだ後に骨を渡してくるとは思わなかったな。
「ほう、フェンリルの剣か。またとんでもない物を入手したようじゃな!」
「そりゃあどうも!リリムこそその仕込み杖に使われている刃は何の素材だ!」
「ただのアダマンタイトじゃよ!」
アダマンタイトか。
これは斬られたらかなりのダメージを喰らうな。
「長くなりそうじゃからぶっ放すぞ!」
リリムの前方に大きな土壁?
まさかあの魔法を撃つのか!?
「大地の女神よ!その大いなる力を我に貸したまえ!我が眼前に出でよ!大地の壁!それをちょちょいといじって」
「おっと!大地の壁が大きな砲台に変わりました!」
「構造を変えたんだね。あれは極土属性の魔法土壁大砲」
土壁大砲、土で砲台を作ってそこから魔法で強化された砲弾を連続で撃つ極土属性魔法である。
砲弾は城壁を壊すことがあるので当たると痛いぞ!
ちなみにリリムがやった構造を変化させてこの魔法に変える技はリリムしかできないのだ!
本当の詠唱文は『我が眼前に出でよ!大いなる大地の砲筒よ!大地の恵みを荒らす汝に大地の怒りをくれてやる!』である!
「土壁大砲!!」
マジか!?
さり気なく自分にしかできねぇ技やってきたよ!
「深き影に潜みし影の竜よ!我をそなたの慈愛で包み込み彼の攻撃から我を守りたまえ!影竜の影揺籠!」
夜真砥は影で自分を包み込んで砲撃からその身を守った。
「さすがじゃな夜真砥!防御面も抜かりないな!」
「まあな!」
「それじゃあ儂は召喚獣を出すとするか」
あいつらが出てくるのか。
さて、俺はどうそいつらの対処をしようか。
次回、リリムの召喚獣登場!
それではまた次の話で!