九十二話 月帝VS女帝①
試合開始!
試合開始早々、観客は唖然としていた。
サルディア帝国の闘技会のように高速で戦っていて見えないのではない。
試合開始の出来事に唖然としているのだ。
まだ晴れぬ爆煙の中央でリリムは冷たい目をしながら杖を前方に向けている。
開始早々、リリムは最大火力の爆破魔法を放ったのだ。
「無茶苦茶だな!開始早々、最大火力でぶっ放すとかバカだろ!」
「夜真砥選手、何とか耐えてたあぁぁぁぁ!!」
「いや、耐えたというより防いでるね。しかも無傷でさすが夜真砥だ」
「まあ、お主なら防げるじゃろ」
よう言うぜこの年寄りは。
至近距離であんなの喰らったら一溜まりもない。
「反撃させてもらうぜ」
「こい!」
夜真砥は剣、リリムは魔法、普通は至近距離で戦う夜真砥の方が不利だ。
しかし、夜真砥はリリムに近づけさせすれば連続で攻撃をたたみかけることができる。
なぜなら魔法を放つには一瞬だけタイムラグが発生するからだ。
なのでリリムは距離を取りながら攻撃を夜真砥は距離を縮めながら攻撃を避けないといけないのだ。
さすが師匠、 魔法の速度が前に会った時より速くなっている。 しかも詠唱なしで撃ちながら上級魔法の詠唱をしている。
これだから年寄りは怖いな。
気を抜いたら当たりそうだ。
(さすが儂の弟子だ。的確に安全地帯に逃げ込み距離を縮めて魔法を防ぐついでに衝撃波を飛ばして攻撃してくる。隙あらば魔法も撃ってくる。これだから若者は怖いのう。さっさと詠唱を済ましたいな)
二人はお互いの成長、新たについた癖を確認しながら戦闘する。
時には喜び時には驚きただこの時間を楽しんでいる。
その師弟同士の試合を見てる観客は自然と声援を送る。
「先生すげぇー!」
「不利な武器でもやれるんですね!」
「みんな、よく見て学びなさい。あの二人はいずれ君達が越えなければいけない大きな壁なんだから」
「はい!」
生徒達は大きな声で返事をする。
そしてティナは改めて夜真砥の強さを実感してあの人の弟子だということを自覚して気を抜くことなくいずれ越える背中を見る。
私もいつか夜真砥と試合をするのかな…?
「捉えた!」
「夜真砥選手、もうリリム選手との距離を詰めた!」
「…ご苦労じゃったな。でも、さっさと離れんか!嵐竜の息吹き!!」
「だけど吹き飛んじゃったね」
夜真砥は吹き飛ばされながら迫り来る風の刃を斬りながら大勢を立て直して壁を蹴り魔法で発生させた風に乗りリリムに突進する。
「剣技飛電斬」
そして雷属性を付与してリリムを斬る。
「後のことも考えておいた方がいいぞ。俺は一位だ。生半可な気持ちで勝てると思うな!」
夜真砥は珍しくリリムに怒鳴る。
なぜなら試合だということを忘れて師弟のじゃれあいとリリムは少し感じていたからだ。
なので後の行動を考えていなかったのだ。
「それもそうじゃな」
「最初にダメージを与えたのは夜真砥選手だ!」
「ちなみに肉体にダメージは入るから気絶しないでね。気絶した瞬間、負けだから」
今更だけどあのグランドマスター、平然と見てるな。
てか、私はどっちを応援したらいいんだろ!?
…二人とも頑張れ!
「仕切り直しといこうか!」
「うむ!」
この話はかなり続くと思います!
それと夜真砥とリリムの出会いを試合終了直前にやろうと思います。
それではまた次の話で!




