九十一話 選手入場
選手入場!
…以上です(´-ω-`)
異空間に花火が打ち上げられた。
選手入場の合図である。
その花火と同時にリリムが入場した。
「見た目に騙されるな!彼女は不老不死!潜ってきた修羅場の数が違う!小さな体で巨大な魔法を大連発!まさにそれは終焉!彼女を知らない者は決していないであろう!本日は己が育てた弟子が座っている王座を奪還しにきた!相手は最強の弟子!勝てるのか師匠!師匠の威厳!そして王座を取り戻せるのか!昇格試合の挑戦者はギルドランク序列二位!二つ名、別次元の女帝!リリム・リデル!!」
リリムさん、二つ名変わったんだ。
二つ名ってちょくちょく変わるのかな?
「夜真砥、お主が座っておるその玉座、貰いに来たぞ」
リリムは夜真砥が入場してくるゲートを凝視した。
「そしてお待ちかね…この男の入場だあぁぁぁぁぁ!!」
さて、初の防衛戦、頑張るとしますか!
「築き上げてきた功績は誰よりも大きい!この男、魔王を討伐した者なり!この男は勇者!降りかかる火の粉をなぎ払い魔王の首を取った!勇者になっても人助けをする彼を知らない者はいないであろう!俺達に格の違いを見せてくれ!防衛戦に挑むのはギルドランク序列一位!二つ名、月下の帝王!ヤマト・ツキカゲ!!」
「来た!先生だ!」
夜真砥はゲートを取るとリリムの方を睨みつける。
そして二人は中央に到達した。
「よう、チビリリム、元気にしてたか?」
「そんな口が言えるのも今日までじゃ」
二人は実況席の方に振り向く。
「二人とも良い試合を見せてくれ。特に夜真砥は負けちゃだめだよ」
「…はい」
「またお主、ディラウスに弱味を握られたな」
「…ああ、控え室で言われた」
ディラウスは二つ名とは別にこう呼ばれたりする『ギルドで最も恐ろしい地獄耳』と。
なのでよく、誰かの弱味を得たりする。
「そういえばルールとかあるんですか?」
「試合だしあるよ。知らない子も多いし説明しよう!」
ちょっとありがたいかも。
「まずは勝利条件から勝利条件は相手の降参、またはHPバリアの破壊」
「HPバリア?」
「そうHPバリアだ。相手を傷つけない代わりにHPバリアというその人の体力をバリアにした物を削っていくんだ。そして武器の持ち込みは最大、三個まで魔導士はゼロだ。スキルは四回まで使用可能、各回復薬はそれぞれ四個、体力回復薬を使うとHPバリアを修復できる。召喚獣は一体まで。事前にそれらの登録は済ましてあるはずだよ」
召喚獣…月夜を使うのかな?
でも、今下水道にいるとか言ってなかった?
「月夜はいないのか?」
「知り合いに預けている」
やっぱり下水道にいるんだ。
「後悔してないよな?」
「別に魔王は俺一人で倒したしな。準備はいいか?チャレンジャー」
「…よろしくお願いします!」
夜真砥とリリムは中央で礼をした。
試合開始である。
「それでは昇格試合!始めえぇぇぇぇ!!」
次回、昇格試合開始!
それではまた次の話で!