第4話 佐山明宏は夢をみる
俺にはかつての記憶がある。
中でも鮮明なのは高校生の頃のものだ。
あの頃には友人が少なからずいた。
親友と呼べるようなそんな友人が。
たとえ何が起ころうとも
あのときの記憶を忘れるつもりはない。
そう、あのときのことは。
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俺は只今異世界にいる。
異世界といっても色々あるが、
ここはかつての世界で呼ばれていたものの
イメージに近い。
幾つかの種族が存在し共存する中で
魔族と人間が大きな役割を持っている、
そんな世界だ。
ところで、俺は
石造りの舞台で目覚めた。
周りを散策した結果
舞台の横に文字を見つけたため、
現状を理解するのを役立てている。
しかし、全ては読めない。
先ほどの世界の歴史の一部、
わかるのはせいぜいそんなところだ。
暇を持て余すようにして
読み続けると所々単語が
読めるようになってきた。
魔王、勇者、
これまで架空の世界だと思っていた存在が
とても近く感じられる。
しかし、それから
幾ら読み進めようとしても
それは困難だった。
異世界佐山は学ぶことに決めた。
その為にはまず街を見つけなければ。
石舞台を乗り越えて歩き出す。
ふと石舞台の端に剣を見つけた。
誰のものでもないようだ。
強引にベルトに差し込み、再び歩む。
まだまだ明るい。
長い道のりになりそうだ、
森の中でただ1人、異世界佐山は呟いた。




