第2話 高校生佐山
俺は佐山。
県立坂上高校に通う学生だ。
成績は至って標準で
試験で特に苦労したことはない。
容姿に関しても同様で
これといった特徴のない平凡な、
よくいえば整った顔をしている。
そんな俺は只今体育の時間である。
胴着を着た後
特徴的な匂いを放つ面をつける。
これがかなりいい臭いを醸す。
そしてそれこそが剣道・・。
準備運動もそこそこに
二人一組で打ち合いを始める。
「メーーーーン!亅
「痛ッ!!
(お、おい、もっと優しく打ってくれよ!)亅
「メーーーーン!亅
「痛ッッ!!!
(そこは面じゃねえよ!!コテだろ!)亅
「メェええええんんんんン!!亅
「イテエエェんだよおお!!!亅
つい叫んでしまった佐山ははっとする。
しかし周りの発声によって
佐山の叫びは掻き消されていたようだった。
相手に続きを催促した。
「す、すまない、つ、続けてくれ・・亅
「メェーーーン!!亅
「ぐぅうッ!
(だから、そこはコテだっての!!)亅
授業五分前の集合がかかるまでひたすらに
打ち合い(我慢勝負)が続いた。
我慢勝負と言ったのは間違いではない。
なぜなら佐山は自覚ある運動音痴だからだ。
だからこそ
周りの誰にも悟らせてはならない、という
無駄に等しい使命感から
剣をあまり振るわず受けに徹していた。
だが悲しいかな、
周りのクラスメイトひいては
他のクラスの人でさえそのことを
十分に知っていることを佐山は知らない。
故にひた隠しにしようとする佐山に
クラスメイトは同情の念を越して
多少辟易していたりする。
もちろん佐山は何も知らない。
そんな中で話しかけるものがいた。
友人、鞘木拓真だ。
「ふぅー、今日の剣道も大変だったなぁ亅
「お、おお⁈ 佐山、腕!!
腕に痣ができてるぞ!!大丈夫か!?亅
「おーぅ、大丈夫だー。気にするなよ。
剣道やってるから仕方ないだろ。亅
「お、おう、ありがとうな!亅
しかし事の元凶はやはり
こいつだったりするわけで気づけば佐山は
自然とヘッドロックをかけていた。
「は!?亅
ぼんやりとしていたのも束の間で時既に遅く
鞘木にヘッドロックを解かれ、
ヘッドロックを掛けられる佐山は
再び痛みと格闘することになった。
「甘いわあぁあああ!!!亅
「ぐぇ⁉︎お、おおぉぉ.....亅
そうこうしているうちに
次の授業のチャイムが鳴り始めた。
2人は自教室へ急いで駆け出した。




