第1話 異世界勇者の魔王討伐〜一兵士の記憶〜
ご覧下さった方へ
ありがとうございます!
稚拙な文章ですが
何分精進して参りますので
よろしくお願い致します。
感想、評価など問わずお待ちしております!
かつて魔王との戦があった。
魔族は数多く、
敵は余りにも強大だった。
数多の軍勢、幾人もの豪傑が
力を束ねても敵わず
敗北を重ね苦渋を舐めた。
回想
猛る兵士たちは次々と悪魔を倒していった。
「おおおぉお!!亅
ザシュッ、ドスッ、
「は、ははっ、ははは!亅
「い、行ける、行けえええ!!亅
バシャバシャ、キーン、スパッ、
周りは血や悪魔の体液で
水溜りができていた。
悪魔の数は次第に減り、
休むのに十分な余裕ができた。
「ふーぅ、ゴクリ亅
水を飲み、乾燥食材を食したり
おのおのに兵士たちは休息している。
そのとき、
一通りの下級悪魔たちを払った彼らを
悪魔の鋭い爪が背後から襲った。
グサッ、グルン、グルン、ズバアアッ!!
「うっぅう、あぁ...ぁ...亅
ズブシャアァァア、
二人の兵士が並んで串刺しになっていた。
他にも何人かの兵士が倒れ込んでいる。
腹に穴が開き血が
止めどなく流れているものもいる。
「フフ.....フフフ.........フフフッ亅
不気味な笑い声が
どこからともなく聞こえてくる。
気づけば周りには兵士に紛れて
中級悪魔が多くいた。
「か、構えよっ、構えーーーい!!亅
ズバッ、
槍や盾を手にしたときにはすでに遅く、
残った兵士の行く先は決まっていた。
「が….............ぁ亅
「ぐ、ぐぁぁああ!!亅
「あ、悪魔めぇえええええ!!!亅
「これでもどうだぁあああ!ぐあッ...亅
「目が、目..........亅
ズッポン、ネチャネチャ、グチャッ、
ある兵士の両目は抜き取られた後
悪魔の戦利品として身につけられ、
果敢に槍を持ち迎え撃とうとした兵士たちは
耳や鼻を切り取られていった。
「のぁあああああぁあああぁあ!!!‼︎亅
ズボシュッ、ジュリュル、チャグチャグ
中には美味しそうに食べるものもいたが
主に人肉だった。
「あぁ!あああ!!あぁああぁああ!!!亅
「くっおぉぉぉおおおお!!!!亅
「ぐぁああ、ぎぃいぃいいい!!亅
断末魔や悲鳴があちこちで上がったが
すぐに聞こえなくなった。
パシャピシャリ、パシャシャ、
血の飛沫が足下で跳ねる音が響く。
気まぐれそうな赤く細長い耳をした
悪魔たちも散り散りになった。
回想終了
さらに魔王は侵攻を続け
終いには王都までその手は及んだ。
「ク、ククッ、クハッハッハハア!!!
もっとだ!もっと!!!!
足りない、足りないぞおおおお!!!!亅
「行けい、下僕たちよ!!
私は王都へ行くぞ!!!!!亅
町は荒らし尽くされ、
如何ともしがたい状況だった。
怪我人は病院に運び込まれず、
野道や路上には積まれた死に体と
少しの火葬の跡があるが多くのそれには
蝿が集り、蟲が湧いている。
臭いも凄まじく町とは
とても言えない様だった。
勇者が現れたのは多くの町が蹂躙され
王都が陥落した後だった。
王都での魔族の残党を退け
住民の介護をしていた勇者だったが
住民の多くに元凶である魔王の討伐を
期待する声が聞こえる。
「勇者様、お助け下さい。亅
「勇者様、勇者さま!なにとぞ!!亅
噂を聞きつけた魔王から間接的に
決闘の話を受け取った勇者は
王都を旅立ち決戦の場所へ向かう。
長旅の末に辿り着いたそこは
魔族と人間の国境付近の
四角い大きな石舞台だった。
決戦の日には
多くの大衆が集まっていた。
希望を持つ人間は藁にも縋る思いで祈り、
悪魔たちは嘲笑の嘲りをたたえ嗤っていた。
夜も近く日が落ちるころ
幾つかの松明が灯された。
火が全てに灯された瞬間、決戦が始まる。
勇者は魔王と衝突した。
「勇者よ、お前には私を倒せない!!
もっと全力を尽くせ!!ハハハ!!!亅
「絶対に倒す!!亅
魔王には欠けているものがある。
それは強い思い。
勇者はもとより決意している。
必ず魔王を倒し民を救うこと_______
「勇者の誇りにかけて!!!亅
幾日にも及ぶ連日の大接戦のすえ
魔王は勇者の剣に敗れた。
公開処刑だとも宣われた
一騎討ちを見事に果たした勇者だったが
ただですむはずもなく
自らの命と引き換えたようにして
左腕の半分が抉られ、腹肉は焼けただれ
足下には血だまりができていて
立っていることが不思議なくらいだった。
しかし
勇者の剣の切っ先は天を貫かんとばかりに
上空に向けられていた。
「勝利は我らに有り!亅
すすり泣く人、俯くものがいた。
さらには涙しうずくまる人、
呆然自失となるものたちがいた。
その様子を知ってか知らずか
観衆のあらゆる思いの渦巻く静寂の中で
僅かに苦みを残す微笑みをたたえた彼が
二度と動くことはなかった______________




