第12話 遭遇と合流
森の中を進んでゆくと
辺りが静けさに包まれる。
その異様ともいえる雰囲気に
違和感を持ちつつも歩いてゆく。
「昨日の出来事はなんだったんだろうか亅
独り言のように呟いていた。
考えをまとめようとするものの
これといった答えはでない。
疑問を抱えながらも足を進めていくと
次第に光が強く感じられる。
ふと顔を上げて森の先を見据えた。
「森が光っているのか?亅
朧げだった光がはっきりとしたものと
なっているそこは昨日の音が聞こえていた
場所だった。
少しの間森を駆け抜けていくと
はっきりとした光景が目に入る。
「な、なんなんだこれは!?亅
左から薙ぎ倒された木々に
それらに押し潰された生き物たちが
肉となっていた。
右には未だに続く倒れた木が
どこまでか続いている。
「大型のモンスターか、それとも
自然現象なのか?亅
危険を回避するかのように
速やかにそこを通り抜けていく。
そこから少し進むと
木の陰から人影が見えた。
「ん?亅
どうやら何かを採集しているようだ。
近づいて声を掛けようとすると
背にあるリュックに見覚えがあった。
突然振り返られたサミュエルは
その覚えが正しかったことに気づく。
かの少女は少しの間驚いていたが
サミュエルであることが分かると
にこやかに笑い、こう言った。
「サミュエルさん、
私もぜひ旅に連れて行って下さい!亅
サミュエルは驚きのあまり
言葉を失いただ立ち尽くしていた。
そうしている間に少女は
サミュエルに近づき、もう一度言葉にした。
「サミュエルさん、聞いてますか?
私も旅に出ました!一緒に連れていって
もらえますか?亅
「お、おう、いいんじゃないか?亅
我に帰ったサミュエルは適当な答えを
してしまったことを若干後悔した。
「ありがとうございます!
これからよろしくお願いしますね!
それから私の名前はステファニーって
いいます!
ステファンとでも呼んで下さいね!亅
目を輝かせながらそういう彼女、
ステファニーを見ていると断ることなど
できない。
もちろん断る気はあまりなかったが。
了承の意味を込めて名前を呼ぶと、
今度は2人で歩き出す。
ステファニーとの旅が新たに始まる。




