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第10話 再出発

食事を終え眠ること数時間。

目を覚まし、小屋を旅たった。


歩くこと数分、

これまでと違った雰囲気が

辺りに漂っている。


ここはただの森でなく

リヴァール森と呼ばれる。


先日少女と出会った森のその先の森だ。


すると見たこともない

生き物が森の中を駆け巡っていった。


あまりの速さに目は追いつかず

ただ視界に入っただけだった。


そのためどんな生き物かすら

しっかりと分からない。


ここで少し先からまた別の音が聞こえる。

木々をなぎ倒し、踏みつけるそれは

確実にこちらに迫っていた。


唾を飲み込み一目散に

森を離れようと来た道を引き返す。



一息つく頃には

すでに森を抜けていた。

辺りを見渡すと深そうな湖と

反対の森からは未だに音が聞こえる。


しかしこちらに向かっては来ていない。

近くの木に登り、

ちょうどいい太さのところで寝転がった。


先程の音の数々に考えを巡らしていると

次第に瞼が落ちてくる。

闇の中少年は再び眠りについた。




陽射しが優しく包むようにして

辺りを照らす。

目を擦り体を伸ばすと背中が少し痛む。


指先でゴツゴツとした感触を確かめると

寝場所として選んだことを多少悔やんだ。


地上に降りると湖がより美しく見える。

その水を朝日が照らし

微かに緑色をたたえていた。


ほとりの水で顔を洗うと

頭がすっきりとする。


ここは美しいが、先に進む。


未だに自らが何者かをしらない

その人物はそう口にして森へ引き返すように

歩き始めた。





その頃、

少女は小屋で肩を小刻みに震わせる。


テーブルの上にある一枚の紙を手にすると

そこには夜中に一人で旅立ったと

思われるその人の感謝が書き記されていた。


ありがとう、と。


小屋を出て一回りすると

僅かな足跡が残っていた。


幾つかの足跡は

真っ直ぐに森へと向かっている。


ふと先程通り過ぎた薪の山を思い出すと

また昨日の少年のことも浮かんでくる。


少女は決心をした。


小屋へ戻り急いで

リュックに幾つかの調理道具と

ちょっとしたツールなどをいれる。

それから簡易的な装備を身につけ、

小瓶に詰めた薬草を

小さなポーチへとしまった。



そうして少しすると準備を終えた彼女は

小屋出て向き直る。


「お留守番をよろしくね亅


答えるように風が頬をなでた。



少女は突然の旅立ちに多少の不安を覚えつつも期待を胸にして少年の足跡を追い始めた。






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