第9話 試験不良と新たなる災厄
第9話での佐山はサミュエル佐山です。
結局あの日に試験を終わらせることは
できなかった。
だからこうして平日でも学校を休み
センターへと向かっている。
俺の試験結果に関しては
まだあの試験関係者しか知らない。
学校の先生、ひいてはクラスメイトにも
話してはいない。
そんなことをすれば
どうなるのかは想像に難くない。
それに自分でもはっきりとわからない結果に
ぼんやりとだが不安を感じていた。
事情も何も原因が分からないのだから。
もしかすると能力を持っていないのでは
ないか、あるいは能力とみなされるほどの
能力ではないのか、などと
考えれば考えるほどよく分からなくなる。
だからこそ再び試験に赴いている。
今日こそは結果がはっきりとするはずだ。
佐山は車を降りセンターへと歩き出した。
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某研究室へいる。
「(どうしてこうなった!?)亅
話は1時間ほど前に戻る。
センターのゲートをくぐり
両手に腕輪をはめた後
昨日の試験関係者についていくと
やはり同じ場所にたどり着いた。
しかし試験を開始しようと
腕輪を外しているあたりで
突然視界が揺れたのだ。
そこからは覚えていない。
あたりを見渡すと
よくわからない機械が数多く並んでいる。
規則正しく並べられたそれらを
よくみるとなにやら小さな球状の物体が
緑色の液体の中で浮かんでいる。
「気分はいかが?
無能力者さん亅
「誰だ!?亅
しかしその声には聞き覚えがある。
試験関係者、その彼女だ。
コツコツという音と共に
彼女の声も近くなる。
「あなたにはここで起きたことは
忘れてもらうわ。
でもその前に今度は本当の試験結果を
教えてあげるわ亅
「(何を・・いっているんだ?)亅
彼女数枚の紙のうち一枚を選んだ。
そして俺の前に提示する。
「どう?とても面白い結果よね?
も、もう駄目だわ、堪えられない!
あはっあはっアハハハ!!!ヒヒヒヒ!亅
「無能力者・・・亅
「そ、そうよ。ヒヒッ!
まさかあるとは思わなかったわよ。
無能力なんてねえええ!!アハハハ!亅
「でもあなたラッキーよ!アフッ!
無能力に免じてフフ
あなたを生きたまま返して
あげるわ!この紙と一緒にね!亅
そういうと彼女は紙を俺の顔に叩きつけた。
「昨日もね、一応はしてみたのよ。
でもね結果は今日と同じ。
信じられなかったわ!あはははは亅
「どういう意味だ!亅
「まだわからないのね、それでいいわ。
あなたが知る由もないことよ。
じゃまたね、無能力者さん亅
視界が暗転する。
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気付いた時にはセンター近くの
公園のベンチに寝転がっていた。
「俺は何をしていたんだっけ?亅
ポケットに違和感がある。
「これは・・・。亅
その中にある能力、特性とそのレベルが
書いてある欄をみる。
「何なんだ、これ・・・亅
能力:無し
特性:無し
レベル:0
他の数値に特に異常はない。
至って普通の高校生で同じくらいだ。
ただしその箇所だけは別だった。
自分でも信じられなかった。
しかし
彼女は二度の検査をしたといっていた。
それに目的は分からないが
連れ去られた上に。
佐山は大きくうな垂れたあと
目は虚ろなまま月を見上げていた。




