表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/47

1-13

色々な野望を抱く人が居ます



 雰囲気イケメンから雰囲気が無くなるとどうなるでしょう?


 答え、ふつー。




 こちらに来てから割とこもりっきりで正文が見かけても挨拶を交わす程度だった小田の友人の原型師だが、久々に会ったら色々なあくが抜けて普通な感じになっていた。





 「こ、これは・・・凄い。」


 「なんだろう、凄いんだけど、才能の無駄遣いという気もする。」




 小田と正文の眼前にあるその物体。


 材質は木材。

 あちらの世界で倒木を見て閃いてしまったのだそうだ。



 「閃いちゃったのか・・・。」

 「閃いちゃったんなら仕方ない・・・。」



 大きさは台座まで含めて高さ2メートルくらい。



 台座にはこれまた自分で彫ったものらしいプレートがハマっている。



 「1/1 俺の嫁」



 見事にモデルの姿を写し取りながらも、更にそこに自分の愛と萌えを注ぎ込んだ力作である。


 特にふんわりと風にそよぐ、髪やスカートの質感はどこか鬼気迫るものがある。




 やり遂げた男の顔をしているものの、色々な物を注ぎ込み過ぎたせいか、なんだか存在感が薄くなっているように見えて、不安そうに顔を見合わせる小田と正文である。


 「あれが賢者モードですか・・・。」


 たまたま通りかかった研究者の言葉に「それは違う」とは言えなかった正文であった。





 

 さて、そうした嫁に萌える男たちとはまた別のスタンスでダークエルフたちに接する者たちが居る。


 

 例えば正文の祖父。

 村内で和服を着ている事の多い彼の和服の袂には常に飴が入っている。

 「大阪のオバちゃんかよ!」と言いたくなる感じで、村内で出歩いたり屋敷に来たりして会ったダークエルフたちに飴をあげている。

 またシオネに「おじいちゃん」と呼ばれると、普段では考えられない様な柔和な顔を向けて、彼を知るものが居たら悪夢かと思うほどのダダ甘ぶりを見せている。 



 例えば孝典の兄の土木課長、大して用も無いのに孝典の家に土産持参でやって来ては、孝典の嫁に「お兄さん」と呼ばれてなにやら感動している。

 最近では「お兄さんではなく、お兄ちゃんと呼んでくれ!」等と言い出して、孝典の鉄拳制裁を食らっていたりするが、それでも懲りずにやって来る。




 そうした者たちに近いスタンスでダークエルフに「お父さん」と呼ばれる事を企んでいるのが、現地統括に当たっている黒崎であった。



 単身赴任状態でやってきている彼には、中学2年生の長男と小学5年生の次男という二人の息子が存在する。

 ダークエルフたちは適齢期で男ゲットに燃えている層だけでなく「まだそういった事は君には早いよ」というその下の層もいる。

 そうしたダークエルフを自分の息子の嫁にして、ダークエルフに「お父さん」と呼ばれる、それが彼の今の野望だ。


 その為にダークエルフに好印象を与えるべく、色々とやっているのだが、傍から見ているとかなり空回りしていて、「もしかしてロリ?」と時々変な目で見られてしまっているのが哀れである。




 その彼が正文を前に話しているのが、村内の光ファイバー化と診療所への医師の派遣だ。


 前者は企業施設や事務所等が立つことから、NTTとの間には企業用の専用線を引く話が出ているので、それに便乗する形で村関連も光ファイバー化しないかというもの。

 これは正文にしても願ったり叶ったりなので、即答で「お願いします」となった。


 後者は「ダークエルフに対して検査と称して実験じみた事はしないか?」等と色々と懸念もされる問題ではあるが、こちらの病気にダークエルフがかかったりした場合、爺様、婆様の様に県の病院にかかる訳にもいかないのも事実だ。また、現状では発生していないが、あちらのウィルスや虫、菌類などを原因とする病気にこちらの人間がかかってしまう事も考えられる。

 臨床だけで無く、研究が行える医師も必要だ。

 色々な意味で秘密を守れる人間である事も大事。


 正文や祖父のコネクションより、財閥のコネクションの方がより適切な人材が見つかる事は確かだ。


 まだ、それほど長い期間の付き合いではないが、それなりにこれまで友好的に過ごして、更には財閥サイドの人間も取り込まれて身内になっている。

 

 黒崎まで極端では無いが、財閥側の人間もダークエルフにかなり絆されている。




 「まあ、そんなに変な事にはならないのではないかな?」

 

 結局、医者に関しては一旦持ち帰りにして、ダークエルフを嫁に持つ者やダークエルフ当人たちを集めての話し合いでは、そういう意見が大半を占めた。


 なんか、「ウチの嫁に変な事はしてないでしょうね」と、こっちの現地サイドに釘を刺してきた研究員の親も居るそうだ。


 「力有る人間が味方に付くと有り難いなぁ・・・敵に回らなくて本当に良かった。」


 しみじみと思う正文であった。


 そのまま、せっかく集まったんだからとなんだか分からない内に宴会に突入。


 予測していたかのように、サキさんが用意した料理が並んでいき、シオネやら他の嫁衆も料理やら配膳を手伝い始める。


 

 「それじゃあ、これからの久保山村とダークエルフの皆さんの未来に乾杯!」



 「「「「「「「「乾杯~!!」」」」」」」」


 正文の音頭で乾杯が行われ、宴会が本格化していく。





 「それはいいけど、マサさん、明日ってマサさんの結婚式じゃ?」



 「あ・・・・・・。」





1/1「俺の嫁」(非売品:参考出品)

ワンフェス後に「売ってくれ!」「商品化希望!」との声が殺到するも

「誰が自分の嫁を売るか!」とマジ殺気を喰らい退散・・・とか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
[一言] 日本人だとヨーロッパ系の白人と違い、 エルフを精霊種と認識してるから神の 眷属と思うのだろう、ヨーロッパ人の認識では 妖怪扱いだよね!だから日本人と違い 野蛮人扱いでしょう? 財閥系の旧家名…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ