此処から
掲載日:2025/11/12
カチッと静寂に音が響く
目の前で白い湯気が立ち昇っていく
注がれた透明
色を変え
黒が渦巻きカップを満たす
そして僕だけの椅子に座り
お気に入りの音楽を流す
目を瞑れば
コーヒーの香りと
優しいリズムで
世界がワンルームを飛び出す
記憶にある場所を辿って
言葉は図書館から引っ張ってきて
心は思い出のページを巡るたびに色づく
時には空を飛び
星とともに宇宙旅行
時には海に潜り
魚たちと青の美しさを知る
時には月明かりとともに
君の部屋に降り立って
背中合わせで言葉を交わす
子どものころ
自分の知ってる世界を
手を繋いで超えていく
あの感覚がいつまでも
脳裏に浮かび上がる
目を開ける
広げた世界が
物語として目の前に映る
コーヒーをひとくち
うん
美味しい




