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先生、元気ですか?

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

なんか、不意に泣きたくなって。

元気にしてるかなって。そもそも生きてるかなって。

女であるが、否、女であるからこそ、女々しいものは得意でない。だから自分がそんな状態に陥った時、物凄い自己嫌悪がこの身を襲う。


高校時代から仲の良い友人がいる。卒業と同時に道を違えてしまったが、今でも頻繁に連絡を取り合っており、何だかんだで腐れ縁の関係だった。

休日、その子と会った後、ふと高校時代の出来事を思い出したのだ。

高校時代、お世話になった恩師がいた。その人は変わり者で、生徒の事を揶揄う一面があったが、面倒見の良い人だった。私達はその先生と他の生徒よりも密な時間を過ごした。

それは放課後、とある試験の予習を受ける程度のもの。それでも数少ない生徒と先生の間柄は、何とも不思議なアオハルを与えてくる。

懐かしいな……。元気にしてるかな……。連絡取りたいな。もう時が十年以上もの時が過ぎて、相手が今何をしているか分からない。あの人は一生独身だと私は思っていたけれど、もしかしたら結婚しているかも知れない。だったら今、望む事は絶対的な禁忌なのだ。

「どうしたよ、暗い顔して。らしくもない」

女々しいものが得意じゃない。そもそも誰かに依存するのは疎か、寂しいと思う感情も自分の中では不要と判断して来た。それで良いと思っていたし、これからもそうでありたいと思う。

「あー……いや……。ほら、高校時代の恩師。覚えてるでしょ? 放課後補習みたいな感じで、試験の予習した事」

「覚えてるよ。私は聞き流してたけど……。……もしかして会いに行きたいの?」

図星をつかれた。このまま慌てても墓穴を掘るだけなので、言葉を考える為に沈黙する。でも上手い言葉が浮かばずに、数秒が経過した。

「……大丈夫だよ!! 私に話掛ける何時もの感じで『元気っすかー』みたいな感じで連絡入れれば。何かやりにくいって気持ちは分かるけど」

連絡先を知っている。チャットに文字を打ち込めば済む話。でも、相手の現状が分からない以上、対応が分からない。

「うーん……じゃあ、取り敢えず、突る?」


「お久しぶりです。先生。今でも元気に生徒、揶揄ってます?」

「お久しぶりです。先生。結婚相手、決まりました?」

そうなれば、どれだけ幸せだろう。

高校時代が人生の黄金期なんですけど。

高校時代の面子とも連絡取ってないから、帰れない思い出として、輝きが増しているのかと。


私自身、湿度バカ高い人間なので、一度スイッチがオンになるともう止まりません。哀愁が凄まじい。

あーしたなー。こーしたなー。

言わなきゃ良かった事の方が多かったなー。

でもまた余計な事言っちゃうんだろうなー。


もう戻れないんですけど。あ、泣きそう。


一緒に過ごした子達も、今どうしているか分からないし。何処で何してるか分かんないし。生死不明だし。

連絡取りたいなって思っても、状況が状況なら野暮な真似だし。


ただ一つ言えるのは、別に傍に居なくても、連絡取れなくても、何処で何にしてても良いんで、生きてて欲しいって事ですかね。

元気にしてくれたらそれ以上の事ってないんですよ。

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