鍵穴
鍵をかけるっていうのは、大切なものを守りたかったり隠すためにするんだと思う。
ウィーヴィは鍵を見つけた。金色でキラキラと光っている。少し変わった形で、鍵の先端がギザギザではなくバネのようになっていた。
不思議に魅力的な鍵にウィーヴィは夢中になった。どんな風に夢中になったかというと、鍵は絶対に身につけていたしありとあらゆる鍵穴にその金の鍵を突っ込んでいた。
家のドアの鍵穴、車の鍵穴、ロッカーの鍵穴、自動販売機の鍵穴。どこもピッタリはまりはしなかったけれど、鍵は開いてしまった。
ウィーヴィは開いたことを確認すると、また同じように鍵をしめて開かないようにした。金の鍵は世界のマスターキーだった。どんな物だって開けることができた。
ウィーヴィはそれを自慢したり、悪いことに使ったりしなかった。時には鍵をなくして困っている人に、鍵屋のフリをして開けてあげたりしたが、それ以外は自分の好奇心を満たすことだけに使った。
ウィーヴィが鍵を触りながら音楽を聴いていると、なんと鍵という歌詞が出てきた。もう鍵に夢中で鍵マニアともいえるウィーヴィはサウンドに再度耳を傾けた。
なるほどそんなところにも鍵があるとは。
ウィーヴィは隣のメリッタの家に行った。きちんとチャイムを鳴らして、OKが出てから家に入った。
ウィーヴィはソファの上でくつろぐメリッタに近付くと、目を閉じるようにお願いした。
ウィーヴィはメリッタの心の鍵を開けた。