7/218
東棟13階、未明
2020年7月××日
ー
ー
仰向けに寝転がって
片目をつぶった
天井をつかもう
片手を伸ばした
塞ぎかけてた瘡蓋に
不意に手をかけて
もしも もしもこの
不甲斐なさを消せるなら
消しゴムで擦られた
傷跡には血が滲んで
痛い 痛いよ
傷口が開いてしまう
何も見たくない
何も聞きたくない
もう何も知りたくない
これ以上 もう傷つきたくない
ー
ー
ねえ、神様もし
願いがないのなら
何を願えばいいのでしょうか
世界の平和
みんなの幸せ
そんなものに興味はないです
ただ、泣きたいのに
泣けない自分の
幸福を願うべきなのですか
嘘のない笑顔
楽しい毎日
寂しい日々も悪くないのです
そもそも、神様は
願いを叶えてくださるのでしょうか
突きつけられる現実
絶望に満ちた子供
彼らの願いは無視しているのですか
神様、願い事を
一つ思いつきました
明日の朝は晴れて欲しいです
ー
ー